楊逸『獅子頭』とかぐや姫

朝日新聞で
22日から始まる
新連載小説は
『獅子頭』

中国人作家の
楊逸(ヤンイー)さんの作品です。

スターを目指して勉強していた主人公は
演技中の落下による怪我のため
精神的な後遺症から
舞台に立てなくなります。

これもPTSD物語ですね。
体力も知力も並外れて
優れている人でも
罹患することがあるということが
そろそろ世間でも
常識になるといいなと期待します。

面白いのは
失意のなかで
いつか食べた肉団子【獅子頭】の味を
思い出し

料理人として再生しようとするところです。

崖っぷち、瀕死の状況のなかで
何かつかみ
一転
個性化の過程をバクシンしていく
そういう物語のようです。

つかむものは人それぞれですが
食べ物は重要モチーフの1つですね。

世界三大宗教の開祖は3人とも
【断食】により常識を超えましたし
通過儀礼や修行では【断食】をしたりします。
こころが大きく変化するときは
そんなこと知らないはずなのに
【摂食障害】になったりします。

摂食障害の人のなかには
人にご馳走を作って振舞うのが好きな人も多いです。

かぐや姫やポニョでも
違う世界に行くとき
食べ物が変化します。
♪あかいべべ着た可愛い金魚は
どうですか?
夢から覚めたらご馳走されるんでしたね。

この作品の主人公も
常識の壁にぶつかりながら
変化していきます。

【PTSD】【食べ物】【常識】
これらは密接な
かかわりがあると思います。

摂食障害の心理療法では
かぐや姫のイメージが
よく出てきますが、
わがままだとして
傾聴してもらえないことが多いようです。

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