擬似発達障碍としてのPTSDの一事例

ある日
男の子が
ふらりとやってきました。
「お母さんがさせてもらいなさいって…」

小柄でひょろりとして
気弱な感じです。

遠慮がちに作り始めます。
「これしていいの?」
「これも使っていいの?」
「好きなように置いていいの?」

会話は殆どなく
発せられるのは
お伺いばかりです

お父さんを刺激しないように
気をつかって生きてきたのでしょう。

数日ごとにやってきて
黙々と取り組みます。

そのうち
「ぼく…
頭いいんかなあ…」
とつぶやきました。

表現がだんだん自由に豊かになり
言葉があふれかえります。
笑い声、おふざけ
楽しそうです。

入所したばかりの
不安そうな子には
「よく頭で考えてな
とお兄さん風を吹かせます。

「みんなぼくみたいに
頭よくなったらいいのにな

最終回には
キリンを置いて
きいりんさん
と本当にうれしそうでした。

元気になったことはわかるのですが
どうして「頭がいい」とか
そういうことを
よく言ってたのだろうと
気になりました。

そして
スタッフの話から
なぞが解けました。

小学校に入学したばかりなのに
勉強ができないということで
先生からこっぴどく叱られて
学校が怖くなっちゃって
転校とシェルター入所が決まった時に
ちょうど箱庭と出会ったんですね。

DVのショックで
勉強どころではなかったと思います。
先生に叱られてトラウマが複雑化しそうな危機にありました。

「ぼく頭悪い…」
一人悩んでいたのでしょう。

最後のキリンですが

麒麟という隠された神のイメージで
【麒麟児】というと
才能の優れた少年です。

この子は何も教えてくれなかったけど
あとですべてわかりました。

本人も私に何も教えてもらわなかったけど
こころから【納得】し
新しい土地で生まれ変わりました。

箱庭療法の不思議で優しい
癒しのメカニズムのお手本のような
症例です。

世間には
【発達障碍】と診断されて
薬物療法や
ドリルを与えられている子は
相当多いと思います。

誤診の一パターンで
【二次被害】と言います。

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