朝日新聞『獅子頭』第十話 DV被害児は人類の宝

雑技学校の訓練は厳しい。

先生の指導を
まじめに聞き
その通りにしようとするが

なかなか
身体がついていかない。

そこでピシッと
たたかれる。

限界の限界を超える。

そんな努力が
要求される場所です。

これは
【如人千尺懸崖上樹】

千尺の崖の上にいたら
怖さで
一杯一杯

しかしその先へ
飛ばねばならない。

雑技という
スポーツのような
芸術であっても

公案に取り組むのは
寺の修行僧と同じ。

入学前
「サルみたいに木の枝を歩けるようになる」
と言っていたように

人間の限界に
挑戦する。

7歳の
二順も全身全霊をぶつけて修行する。

DVや虐待の被害児も
それは
同じで…

今のままでも
充分過酷なのに

その先を
自力で超えるように
要求される。

暴力を
非暴力で
避けているうちに

神技的な
心身を身に着けた子が多い。

雑技学校では
訓練は厳しくても
時間がきたら
終了
おいしい食事が待っているし

食堂のおじさんは
子どもたちの苦労を知っているから

慈悲をたたえた目を向けつつ
一生懸命うなずき
ねぎらいながら
トレーを一人一人に渡してくれる。

DV家庭だと…

四六時中
神経が休まる暇がない。
誰もわかってくれない。
浴びるのは罵声と暴力のみ。

PTSDに罹患しないほうが
おかしい。

絶望から
無気力や
注意散漫や
混乱が起きても
なんら不思議ではない。

まともな会話がない家庭では
日本語の習得は難しい。

何も
日本人だから
日本語が話せるのではない。

しかし
【言葉が遅い】

表面的な判断で
容易に
【発達障碍】【学習障害】
と診断され、

療育の対象とされる。

下手をしたら
投薬される。

雑技学校に入学すると
人類の限界を超えなければならない。

DV家庭に生まれると
PTSD克服という
未来型の難題に取り組まねば
殺される。

苦境に住む
DV被害児や虐待児は
人類の宝だと思います。

それをいじめる親や
専門家は悪魔です。

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