今月21日に出版された本です?
「ヒステリーが
精神医学の表舞台から退場し
かつての劇的な身体症状や振る舞いは
今や稀な現象となりつつある。
しかし
巨大なヒステリーの幻影は
未だ潜勢している。
ヒステリーから
表現形を変えた解離は
気配過敏、想像的没入、人格交代
空間的変容/時間的変容
幻覚・幻聴をはじめとする
多彩な症候をまとうようになった」
ヒステリー(解離)とよく似た
境界例、自閉症スペクトラム障害
統合失調症等との鑑別法が書かれているようです。
鑑別が必要だということは
時々
主張されますが
「解離の病因論」において
「トラウマ」という言葉が使われないので
PTSDの百花繚乱という表現にならないようです。
ちょっともどかしいですね。
しかし
「色」「夢」「眼差し」という
【解離】に特徴的な表象を手がかりに
その主観的体験世界に寄り添おうとする
具体的な治療論は
象徴が使えない発達障害が増えているとの
ユング派から提示された愚説からすれば
大進歩と言ってよいでしょう。
治療論において
「救済者」「犠牲=身代わり」「場所」などが
テーマとなっているところからしても
現実の病理に相当
接近しているのではないかと期待されます。