ル・グウィンの『ゲド戦記』には
日本版が必要でしたし
アンデルセンの『人魚姫』は
『崖の上のポニョ』に
書き直す必要がありました。
ではなぜ
ヘルマン・ヘッセの
『車輪の下』は
こうも
恐ろしく
日本的なのでしょうか。
ヘッセは
『シッダールタ』(原題:Siddhartha)
という作品を書いています。
釈迦の出家以前の名前を借りて
求道者が
悟りの境地に至るまでの
苦行や経験を描いたものです。
ポニョでも
公案に取り組むのですから
PTSDに罹患し
そこから脱出するには
求道者でなくても
悟らなければならないのです。
そういう意味では
お釈迦様もポニョも
瀕死状態の3万の命も
なんら違いはありません。
『車輪の下』に行かずに
崖の上に行きましょう。
漱石の『門』も
崖下をやめるお話でしたね。