河合隼雄さんの遺言です。
わが国には、心身一如的な観点から、宗教の修行などとも結びつき、心と体の問題を全体として考える方法を伝統的にもっている。このような方法を活用し、西洋から伝わってきた心理療法と統合してゆくことは、臨床心理学の未来の発展に大いに寄与すると思われる。今後は真剣に取り組むべきであろう。
河合隼雄監修臨床心理学5 文化・背景 第9章 臨床心理学の将来 p267
西田幾多郎はこう述べています。
西洋には、アリストテレス以来、一貫した論理といふものがあり、政治も、経済も、文化も、みなそこから割り出されてゐる。…東洋には東洋の物の考へ方があるのだから、生活上の一切がそれによつて考へられるといふやうな論理が明らかにならねばならぬ。華厳や天台の論理といふものも幾分それに近いものだが、私の一生の仕事と云へば、それを探したと云ふただそれだけのことだ。
西田幾多郎『先生に叱られた話その他』
心理療法の歴史は浅く、
まだまだ西洋的に行われています。
わがままだとして
二元論に押し込められた
かぐや姫たちの悲鳴が聞こえてきます。
『崖の上のポニョ』は
その救済の役割も果たしていると
私は考えます。