月別アーカイブ: 2010年2月

朝日新聞『獅子頭』第三話 PTSD予防

盲目の老人に
赤ん坊の将来を占ってもらったあと
名前をつけてもらう。

ここでの占いは
宣告ではなく
予言

あたるかもしれないし
あたらないかもしれない。

あたるも八卦
あたらぬも八卦の
【陰陽五行説】

PTSDに関しても
ショックな出来事があって
トラウマになる場合もあるし
トラウマにならない場合もある。

兄のときは
将来の挫折が予想されたので
【大順】という
追い風に乗るような人生を願う名前になった。

わが国でも
かつて【水害】に悩まされた先人は
逆に【火祭り】の呪術で乗り切ろうとした。
「水害でダメージを受けるよ」
「ああそうですか」で
済まさず、
先手を打つのである。

【水剋火】(水は火を消す)の法則
普通は水が強いが
多量の火を用意して水に対抗しようとする。
相手が大自然であっても
生きるためには
泣き寝入りしてられない。
法則なんてクソ食らえ!
法則を逆手にとって立ち向かう

ねぶた祭りなどは
とても人気があります。
【陰陽五行説】など知らなくても
無意識にインプットされたものが
不屈の精神をよび覚まそうとするから
魅力的に感じるのではないでしょうか?

この弟は
【二順】

挫折があっても追い風に乗れるし
挫折がなくても追い風に乗れる。

二重の順で
めでたいと老人は勧める。

天災や事故や事件に見舞われて
トラウマが予想されるとき
トラウマ化しても
トラウマ化しなくても
どちらでも対応できるような
措置が自然になされたら
理想だろう。

「事件を忘れろ」と否認されるのも危険だし
「PTSDになるから心のケアを」と
頭ごなしに押し付けられるのも
気味が悪い。

いつか書いた
【ナマハゲ】みたいな
自然な予防ワクチンを
考案したいと思っている。

参考文献*カミナリさまはなぜ
へそをねらうのか  吉野裕子 サンマーク出版
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朝日新聞『獅子頭』でメスメリズムの復習を!

メスメルにまつわるできごとは
【メスメリズム】
と呼ばれる
心理学史上
とても有名で
重要な事件です。

治療法が素晴らしいからではないですね。

①ヒステリー(解離)という現象の存在
②ラポールの大切さ

を浮き彫りにし

【動物磁気】は使いませんが、
【催眠療法】が生まれ、
それが
人類最古の心理療法である
【瞑想】と密接に結びついたものであることなど

心理研究の可能性を広げる
いろんな示唆を
与えてくれたからです。

せっかく
メスメルが
身を挺して
いろいろ教えてくれたのに

現在は
①解離を知らず 
【うつ病】
【躁うつ病】【バイポーラ】
【適応障害】【発達障害】
【人格障害】
と誤診し

②ラポールを定石とせず
上から目線で
ご神託を述べては
かぐや姫の
反撃に遭遇する。

朝日新聞夕刊の
連載小説
『獅子頭』を読んで
考えましょう!
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メスメルから学ぶ解離という名のヒステリー

かつてパリに
メスメルという
内科医がいました。

ある日
教会で
神父が
心理療法をしているのを
目撃しました。

なんと
女性の
ヒステリー症状を
(失立・失歩・失声など)
磁石で治しているではないですか叫び

メスメルは自分もやってみます。
結果は大成功で
【動物磁気】の治療として
一大ブームになりました。

マリーアントワネットら
熱狂的信奉者と
伝統医学会などからの
バッシングは社会現象になり、
国王はこれを沈静化させるために
科学アカデミーに判定を依頼します。

結果は【動物磁気】は存在しない。

ブームは去り、メスメルもパリを去り
不遇のうちに一生を終えたそうです。

ヒステリーは
メスメルの頃の遺物で現代は消滅したとされ
そのうち日常語になり
高圧的にガミガミ言う人のことを
さすようになってしまいましたが、

身体的な問題がないのに
いろんなことができなくなってしまうわけですから、
【解離】ですね。

要するに
ヒステリー=解離です。

ヒステリーの特徴は
超外向性にあります。
ウルトラポジティブ

内向性の人は自分で考え
納得しないと行動に移せませんが、

ヒステリーの人は
ある意味自分がない。
いつの間にか流行の服を選んでたり

気がついたら
催眠商法の会場で
手を挙げている。
『?!』
どうも主催者は
「この布団欲しい人?」
と聞いたらしい。
値段をみてびっくり!
『だれが買うんですか?』

【被暗示性】
暗示にかかりやすいんですね。
息子さんからの電話には
くれぐれも注意してくださいね。

要するに
ヒステリーの人は
(解離の人は)
治りやすく
治りにくい。

擬似治癒が起こりやすい
ということでしょうか。

ノリがいい人は
落ち込みも大きい
それで【躁うつ病】とか【バイポーラ】とか
誤診されたりもしています。

フロイトは
メスメルの二の舞をしたくないので
科学にこだわり
【精神分析】を創始しました。

いろんな心理療法があり
流行もあり
英雄がペテン師になったり
なかなかにぎやかな業界です。

日本うそつきクラブはどうなったかな?
会長は死亡しましたが、
会員は相当いると思います。
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トラウマをどうするかはポニョを観て考える

PTSDの背後にトラウマがあります。
定義的にそうですね。

PTSDには
【否認】されると
大暴れする性質
があると
たびたび書きました。

それで
素直に考えると
「では
トラウマに向き合うしかないのか」
ということになりますね。

答えは
そうであり
そうでない。

【禅問答】みたいですね。

しかしそれが真実です。

『崖の上のポニョ』に
何か勇気づけられるということは
この謎かけに
半ば意味を感じているからでしょう。
公案アニメですから。

ならば
その人のこころの深層では
問題を
人魚姫の二元論ではなく
ポニョ的に超えたいという
志向性を持っていると
考えられます。

心理療法といっても
いろんな方法があります。

トラウマと向き合うと言っても
それは必ずしも
トラウマとなった事件に向き合う
ということを意味しません。

トラウマ事件への回想と直面というのは
心理療法の中の
【行動療法】の分野にある考え方の応用です。
【高所恐怖症】くらいなら
この方法でだんだん慣らしてゆく方法もありますが、

はや【不登校】になると
容易ではない方法です。
【摂食障害】では殆ど無効でしょう。
【PTSD】でも
電車事故に会った人が
電車に乗れるようになるくらいならば
充分有効ですが、
ひどい暴力によるものの場合では
個人的には痛々しい感じがします。

罹患した人が
この方法を選び
遣り通したいと
真に希望しているならばよいのですが、

他人が
PTSDと聞いて
唯一絶対の方法として
無理強いするのは
1つの暴力です。

『崖の上のポニョ』を観て
感動するか否か
好きか嫌いかで

克服の方法を峻別したらどうでしょうか?
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ヱビスビール*キリンビールの無意識的命名法

PTSD研究家翠雨の日記
サッポロビールは
『恵比寿』という街の由来となった
ヱビスビールの発売120年を記念して
発祥の地で25日
ヱビスビール記念館をオープンしました。
企業戦略として
【えべっさん】のイメージが
選択されているのは興味深いです。
日本人の
無意識には
意識しなくても
七福神のイメージが
あるのでしょうね。
キリンビールの広告には
麒麟が描かれています。
これは陰陽五行説の
麒麟です。
木・火・土・金・水の
5つの気のなかの
土気の神です。
青龍・白虎・玄武・朱雀
(木)(金)(水)(火)
の四神は
キトラ古墳に描かれていますが
麒麟は隠された神で
重要なときに出現し
生死を司るイメージです。
DVシェルターで箱庭をしていたら
最後の作品に
麒麟のイメージが出現し
とっても満足そうでした。
本人は
「キリンさん」と言っていましたが…
中国人はかつてアフリカに遠征したとき
キリンを見てゆけと勧められましたが
「中国にもいるからいい」
と断ったそうです。
無意識のイメージのなかでは
キリン=麒麟です。

お釈迦さまの悟りとPTSD

【生老病死】は
誰にも避けられない問題ですね。
それぞれの過程において
ストレスが高まり
トラウマ(心的外傷)となる
魔境が潜んでいます。
魔境はこの世の地獄です。
他人の生老病死についても
同様にトラウマとなる可能性があり
人間存在には
二重のワナがしかけられています。
お釈迦さまの説かれた
生老病死の四苦は
平成の世でも
消滅していません。
それ以外に
怨憎会苦
愛別離苦
求不得苦
五取蘊苦
の4つが常駐で
人生は四苦八苦
PTSDや解離に満ち溢れた
世界ですが、
負けてはいられません。
七転び八起きのダルマさんの
精神で乗り切りましょう。

自殺遺児が首相表敬 首相“自殺対策”約束

鳩山首相は25日
自殺によって親を亡くした
遺児らの表敬訪問を受け
自殺対策の担当政務官を
新たに設けることなどを
約束しました。
鳩山首相は言いました。
「ぜひ、
この問題に
政府としても
正面から
取りかかって
いかなければならない」
遺児はたたみかけます。
「高校3年のときに
父親を自殺で亡くしました。
首相に、感謝の気持ちとともに
私にはやはり、
あのときに政府が動いてくださっていれば
もしかしたら父親は死んでいなかったのでは
という思いもあります」
鳩山首相は
「亡くなられた方々もメッセージを送っていた
政府として
そういうメッセージを
早く受け止められる仕組みを作りたい」
と述べ
自殺予防の対策を
打ち出していく考えを
示しました。
また
鳩山首相は
政府に自殺対策の政務官を
設置することを約束し
遺族支援なども含め
対策に力を入れる考えを強調しました。
自殺する人への対応も
遺児への対応も
焦眉の課題です。
やっと
ここまできました。

ストレスで死ぬこともある

奈良県大和郡山市の医療法人雄山会「山本病院」で
肝臓の腫瘍(しゅよう)摘出手術を行い
男性(当時51歳)を死亡させたとして
業務上過失致死容疑で逮捕された
元主治医塚本泰彦容疑者(54)が
死亡しました。
起床後
洗面を済ませて留置場個室に戻ったあと
大きないびきやうめき声が聞こえ、
署員が見に行くと
倒れて意識がなく、
心肺停止状態で
病院へ救急搬送したあと
亡くなったようです。
塚本容疑者は逮捕後、
食欲不振と不眠を訴えており、
ここ数日は、
睡眠、食事をとれない状態が続き
24日には
脱水症状と診断され、
病院で点滴と流動食を受けていたとのことです。
ストレスの可能性が高いですね。
急性ストレス障害でしょうか。
よくストレスで死ぬことはない
とか言いますが、
もしかしたら
そんなことはないかも?
一人暮らしの自宅で
食べられず
眠れなかったら
衰弱死しますよね。
キェルケゴールは
絶望は死に至る病だと言ってるし…

トラウマの昇華 安藤美姫選手の場合

バンクーバー五輪の
安藤美姫選手は
「レクイエム(鎮魂曲)」を
選び
見せ場となるステップの直前
空を見上げ
十字を切りました。
8歳で父親を亡くし
3年前に祖母を亡くしたので
レクイエムの調べは
胸に響き
最初はつらかったそうです。
泣きながら
振り付けし、
これは自分にしかできないと
覚ったそうです。
そうすると
悲しみが
スケートによい力を与えてくれた
と語っています。
トラウマに
どう向き合うか
そして向き合うとどうなるのか
シンプルな説明がここにあります。
安藤選手の個性化の過程を
垣間見せてもらいました。
逃げずに
負けずに
念じて
跳ぶ
ポニョみたいでもありますね。

元薬物中毒のチャーリー・シーン 予防のためにリハビリ施設に入院

昨日のニュースですが
PTSD研究家翠雨の日記
チャーリー・シーンさんです。
ドメスティック・バイオレンスで起訴されるなど、
私生活が荒れていましたが
リハビリ施設に入院したそうです。
WENNによると
元薬物中毒として知られるチャーリーは、
予防対策のために入院をしたと発表しています。
テレビドラマ
『チャーリー・シーンのハーパー★ボーイズ』は
しばらく休みだそうです。
プライバシーを
尊重してくれるよう
またこれ以上のコメントを出す予定はないと
声明を出しています。
予防入院なんて
凄いですね。
わが国では
【犯罪】に過ぎず
【自力】で治すことが求められますからね。
治療対象
という
意識は薄く、
国立のが1つと
民間のダルクくらいかな…
これは自殺予防にもなりますね。
DV被害者にとっても
大きな救いです。
DV加害者には
薬物依存のケースもありますが
わが国では
野放し状態ですからね。
狭い日本でどこに逃げても
恐怖感は尋常ではありません。
依存患者(元ですが)の
人権意識も高く
しっかりしています。