東京都内の病院で昨年7月
自殺を図って
意識不明のまま入院していた
長男(当時40歳)を
刺殺したとして
殺人罪に問われた
67歳の母親の裁判員裁判の判決が
昨日東京地裁でありました。
裁判長は
「短絡的な面はあった」としながらも
「息子の自殺未遂という衝撃的な事実に直面し
精神的に追い込まれていく中で
冷静な判断力を欠いたまま
犯行に至っており
同情の余地が大きい」
と述べ懲役3年、執行猶予5年(求刑・懲役5年)を
言い渡しました。
うつむいたまま聞き入っていた被告は
最後に「ありがとうございました」と述べ
裁判官と裁判員が座る壇上に深々と一礼した後
何度もハンカチで目頭を押さえ
証言台の右側の弁護人席に歩み寄り
「これから頑張ります」などと話し
また泣き崩れたといいます。
苦しむ長男
そして
その妻が医師に
「私が呼吸器を外します」と言って
泣き崩れたと聞いて
長男一家を苦しませたくない
との思いからの犯行
…
やるせないですね。
『高瀬舟』みたいな世界です。
中学生の時
国語の先生が
あなたなら
どうしますか?
とみなに尋ねました。
指名されて
「わがままかもしれないけど
生きてて欲しいから
殺さない」
と答えましたが
今は複雑な思いがします。
人間が人間をあやめては
いけないのは
確かですが…
裁判員裁判になると
【解離】を起こした人に
厳しくなるのでは?
と案じてましたが
逆でした。
日本人はまだまだ
繊細な感覚と共感性を
失っていないと感じ
なんだか
こころが温かくなりました。