本書は
つながりを取り戻す
ことに関する本である。
つまりは…
公的世界と私的世界
具体的には
アウシュビツから
戦地から
凶悪事件から
DV家庭から
虐待を基礎とする親子関係から
物理的にはなんとか
離脱することに成功したものの
孤独なサバイバーが
もう一度
社会とつながりなおす
ための指南書でもある。
度を越した
恐怖や不安が
トラウマとなること ①
そしてそこからPTSDに
罹患する可能性があること ②
罹患者の抱える孤立 ③
さらには
孤立を回復すべきであること ④
これらを的確に
示したスマートな知性には
類稀なものがある。
アメリカ社会では
この本は完璧だろう。
しかし
いざ【つながり】という問題に
焦点が当たると
自分と世界の問題であるから
たちまち【存在論】の問題に
変貌して
立ち上がってくる。
個人には自由があるが
この問題に関しては
所属する文化の影響を全く無視
というわけにはいかない。