落語『鷺とり』にみられる行動療法

同じ大きさの音ならば
近くで聞くと
大きな音に聞こえ
遠くで聞くと
小さな音に聞こえますね。
そして
あんまり離れると
聞こえません。
ある男が
この法則を応用して
サギをだまして
捕まえようと
考えました。

どうするか?
サギから遠く離れた場所で
大声で「サギぃ!」
と呼びます。
サギは
『誰かが近くで
自分を呼んでるが
いないなあ。
気のせいかなあ』と
油断します。
サギにもう少し近づき
さっきより小さな声で
「サギぃ!」と呼びます。
サギは
『確かに呼ばれてるけど
いないなあ。
それに遠ざかってるなあ』と
さらに油断します。
さらに近づいて小さな声で呼び

サギにだんだん接近しながら
油断させて
捕まえるというのです。
理屈は面白いですが
実際に行うと
うまくいかなかった

ようです。
PTSD治療に有効として
最近新聞なんかでよく見かける
行動療法みたいです。
サギの用心深いこころを
相手に(悪用ですが)して
います。

人間の心は見えないし
つかめないから
行動を修正したらよい、
行動が変われば
こころも変化するから
という考え方
です。
カウンセラーの方は
楽ですよニコニコ
メニューを考えて
指示するだけですから。
(普通に良心あれば
だんだん辛くなってきますがね。
そこは【抑圧】【否認】ドクロ
心理療法の基本は
【非指示】ですから
真逆です。
ご自身もうつ病を
患っておられたそうですし
作品のなかには
PTSDで発狂した人の
事例集みたいな
ものさえあります。
枝雀さんも
いろいろ
普遍的に存在する
PTSDを
どうしたらよいのか
考えておられたのではないかな?
と思います。
そして将来流行する
(ユング心理学より
寿命は短いと思いますが)
【行動療法】について
ちょっと風刺してる
(作品自体は古典かも
しれませんが…)
そんな気がします。

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