ロンドンに留学して
イギリスの文化、文明に圧倒され
心身症を病んでのち
日本人とは何か
誇るべきものがあるとすれば
それは何なのか
…
そんなこと
ばかりを考えつめていた
漱石の無意識は
漱石を苦しめている心身症(PTSD)が
いずれ日本で大流行すると感じ
漱石に
この小説を書かせたのだと思う。
主人公は
『崖の上のポニョ』ならぬ
『崖の下の宗助』なのだから
ちなみにポニョを助けるのは宗介
【如人千尺懸崖上樹】
(百尺竿頭のほうが通りがよいだろう)
という公案は
数ある公案のなかでも
最もPTSDを切実に提示した
公案と言ってよいだろう。
あなたは高い崖の上の木の枝にかじりついている。
「あなたはだあれ?」と聞かれて
答えなければならないが、
普通に答えたら墜落して死んでしまう。
トラウマを理解するむつかしさと
直面する恐怖心を見事に
示している。
しかし
この公案に答えることなしには
もはや生きていくことはできないのである。
文豪の象徴漱石が提示する世紀の公案小説『門』とPTSD
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