60歳前の女性。
先生に
布にマークをつけてもらい
「ここから、ここまでまっすぐ
縫ってください」と
いちいち言ってもらって
縫っているそうだ。
「別に和裁好きじゃないの」
「母の形見を着てあげたくて
習い始めただけだから」
一緒に習い始めた人は
もうとっくにひとり立ちしている
というのに
奇妙である。
【発達障害】でもあるまいし
一体なぜなのだろうと思っていたら
やはり
【PTSD】だった。
10年前の
母親の死がショックで
そうとう動転したらしいが
喪主をしなきゃならないので
嘆いているひまがなかった。
形見を縫い直すというのは
大変心理療法的な
発想なのだが
トラウマを抱えたこころにとって
その作業は容易ではなく
和裁のノウハウが全く
頭に入らない。
奇妙なことの背景には
必ずトラウマがある。
そして
それさえ知っていれば
たいてい
簡単にみつかる。
10年も和裁を習いながら運針しかできないPTSD女性
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