解離性健忘で
モノが異常に覚えられない現実を
否認し
人を小ばかにしながら
知っていることを何でも
かんでもまくし立てる
ご婦人がいました。
―中国人は性格が悪いとか
そういうデタラメな話です。
軽くいなすと、急にしゅんとして
タバコを吸いに出ます。
周囲はみな
お見通しなのですが
また
どこからそんなエネルギーが沸いてくるのかと
思われるほどの
大声と攻撃性です。
でも
世間には
優しい人達もいますからね。
むげには離れていかないんですね。
しかたがないなぁと
お付き合いしてくれることも
あります。
すると
ある日…
急に声を潜めて…
「★★さん、いくつ?」
「69歳よ」
「えーっ。そうなんだぁ。信じられない。
うちの母56歳でぼけてきたから…」
―苦労人です。
きっとPTSDだったのでしょう。
彼女と一対一でお付き合いするのは
しんどいことですが
数人でおつきあいしていたのが
よかったかもしれません。
結構素直に
直面している恐怖心を
語り始めました。
母親が56歳のある日
トースターに水をかけ
「パンが焼けない」と
言いだし
なだれのように
変貌していったショックを
話し
「自分もそうなるのかと思うと…」と
語りはじめました。
彼女のようなトラウマは
母親の年齢に近づくことで
活性化するのですね。
否認しきれなくなるという意味では
危険ですが
大逆転のチャンスでもありますね。
要は
傾聴し受け止めてもらえる環境が
あるかどうか
だと思います。
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