月別アーカイブ: 2010年5月

中島みゆき『ファイト』はトラウマ満載かつポニョ的


さまざまな種類の
暴力の被害者
それを
見聞しながら
何もできなかった
良心の呵責や自己嫌悪
自己実現しようとする気持ちに
かかる脅しの恐怖

さまざまなトラウマの形が
表現されています。
いろんな人のトラウマ話を
これだけ
集められましたね。
そしてこれらの
闘う人と
闘わない人の対比も
見事です。
あきらめてしまえば
楽だけど
あきらめない
魚の身体が傷ついて
ウロコがはがれそうになりながら
昇っていく

トラウマが
痛々しく
表現されています。
海の底の魚
一即多
$PTSD研究家翠雨の日記
ポニョになろうとしている
みたいにも
感じました。

介護現場からPTSDが認められる可能性を感じた

今日の講義では
『星の王子さま』と
『ラスト・サムライ』を使いながら
PTSD型のアルコール依存症を
説明しました。
トラウマから
依存症が起こることもあること
それは
アルコール依存である場合もあるし
ワーカホリックである場合もあるし
覚せい剤依存になる場合もある
程度の話は
充分理解してもらえましたよニコニコ
予想外の収穫は
トム・クルーズは
若いけれど…
そう言い始めると
ひざをうつ学生が出てきたことです。
おじいさんのトムクルーズが
たくさんいるのですと言う頃には
少なくとも五分の一くらいの人が
歓びとも落胆ともいえない
反応をしました。
ああそうだったのか…と
いう感じですね。
いじめられてPTSDになるというのは
知っていたけれど、
加害者が良心の呵責を起こすこと
それがトラウマになること
戦争は半ばさせられ体験であることを
少し付加すれば
(知識の回路をつないだだけです)
数年前
なんとなく見た映画が
自分の身近な話として
意味をもって
再認識されたようです。
映像って凄いです。
そして誰も絵空事だとは
言いません。
講義後
「知り合いの子どもが吃音だけど…」
との質問も受けました。
DV家族らしいです。
お父さんが治らないとダメですよねとの
不安には
そんなことはないと
打ち消しておきました。
突如変貌する両親に
ショックを受ける介護者の気持ちや
なかなかうまく介護できない罪悪感を
心配する人もいました。

『星の王子さま』12はPTSD型アルコール依存症

星の王子さまは
いろんな変な大人に
会います。
12は酒びたりのおじさん
何でお酒を飲むのか
聞くと
忘れようとしているのだと
結構素直に言います。
共感性の高い王子さまが
哀れな気持ちになり
何を忘れようとしているのか
と聞くと
恥ずかしい気持ちを
忘れようと思ってな…
と首をうなだれます。
でも
なんで飲まなきゃ
ならないくらい
恥ずかしいのかとの
問いには
「飲んだくれてるのが
恥ずかしいんだよ!」
と言ったきり
黙り込んでしまいました。
PTSD型のアルコール依存症が
あることを
教えてくれています。
話を聞いてもらうことは
大事だけど
そう簡単でないことも
示しています。
自分のなかのトラウマとの
付き合いかたも
同じことでしょうね。
でもおとなの皆さんは
王子さまより
うまくできるはずです。
13は
仕事依存症です。
さすが
フランスから
アフリカへ
プロペラ機で
夜間飛行し
行方不明になった
作者です。
人間の恐怖や不安、孤独が
深く理解できたのでしょう。

12年前のドラマ『聖者の行進』と中島みゆき『糸』のPTSDへの先見性

中島みゆきの『糸』は

1998年にTBS系列で放送された
野島伸司脚本のドラマの主題歌でした。
PTSD研究家翠雨の日記

知的障害を持つ青年たちが
住み込みで働く工場での
話ですが

彼らを受け入れる
善意の職場としての顔は
あくまで建前のものであり
実際にそこにあるのは
経営者たちによる弱者への虐待
でした。

こんな環境の中
主人公らが
自らの尊厳を取り戻していく
そんな物語でした。

現在のPTSDをとりまく環境の
予言そのものですね。
まったくひどいものです。

今こんなドラマが
放映されたら
該当者は
気づくでしょうか?

気づくようなら
放映してほしいですが

感受性がちょっと
鈍磨してるから
無駄かもしれませんね。

微妙です。
どうでしょうか?

中島みゆきの詩はこうですダウン

なぜ めぐり逢うのかを
私たちは なにも知らない
いつ めぐり逢うのかを
私たちは いつも知らない

どこにいたの 生きてきたの
遠い空の下 ふたつの物語

縦の糸はあなた 横の糸は私
織りなす布は いつか誰かを
暖めうるかもしれない

なぜ 生きてゆくのかを
迷った日の跡の ささくれ
夢追いかけ走って
ころんだ日の跡の ささくれ

こんな糸が なんになるの
心許(もと)なくて ふるえてた嵐の中

縦の糸はあなた 横の糸は私
織りなす布は いつか誰かの
傷をかばうかもしれない

縦の糸はあなた 横の糸は私
逢うべき糸に 出逢えることを
人は 仕合わせと呼びます

ささくれはトラウマでしょう。

ささやかな手がかりしか
なかなかつかめないかもしれないけど
いつか誰かを癒すほどのものに
昇華するかもしれない

そう歌っているように
思います。

しかし
縦糸と横糸が出会う確率は
このころより
低くなってますね。
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不二家のペコちゃん&ポコちゃんの象徴的【元型】論

不二家によりますと…

ペコちゃんの生まれ故郷は
地球上のどこかにある夢の国です。

その場所は
そこに住む人たち以外は誰も知りません。

だから
どうやって行けばよいのか
どんな景色なのか
私たちにはわかりません。

ただ
ペコちゃんの話によると
そこに住む人々は
みんな仲良しで
いつも夢を語り合い、
楽しいことや新しいことを
見つけるのが大好きだということです。

 
ペコちゃんは
その夢の国から
みんなに花のような華やかさ
楽しい夢を届けるために
そして
日本をはじめ
世界中の子供たちと
友達になろうと
はるばるやって来ました。

いろんなところへ
行ってみたペコちゃんですが

たまたまいい匂いに魅かれて
たどり着いたのが
不二家でした。
そして
不二家と出会ったとたん
ペコちゃんは
すっかり不二家を気に入ってしまいました。
PTSD研究家翠雨の日記

ポコちゃんはボーイフレンド
だそうです。

♪ミルキーはママの味
というキャッチフレーズと
ともに生まれたようですが

ミルキーを食べて
甘くてほっこりした
気持ちになるのは

亡き母を求めて
泣くスサノヲと
重なります。

陰陽五行説の
チューリップ紫一太極二陰陽で
元気を取り戻す
リセットの法則は
永遠ですねニコニコ

   八卦    ←森羅万象
  ↑  ↑

 ………
 陰   陽
  ↑   ↑   ←この底が大事! 
   太極

花を飾るは
華厳経そのものですしねブーケ1

なんとなく思いついたようでも
人を元気にしようとする時には
文化の【元型】を選択している
のではないかと思います。

日本文化は二元論でなく
不二なのです。
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哲学のない心理療法は致命的である。

不安だったり
焦ってたり
イライラしたり
して
眠れなくなることが
あります。
自分の心くらい
自分で守れ。
ばか者よ

と言った
女性の詩人がいましたが
その通りです。
自分で聴いてあげなくて
誰が聞いてくれますか。
自己実現
(個性化)が
始まってるとき
不安になったり
焦ったり
イライラしたり
するのです。
瞑眩反応と言います。
生まれつき
心が弱すぎたり
知性が低いから
そうなるのではないのです。
善くなるとき
一時的に
悪化したように
なるのです。
都合がよいか
都合が悪いか
という二元論ではなく
人間のこころは
二元論を超えた
三段跳びで
成長するように
できています。

陰陽五行の
【一太極二陰陽】で
元気をリセットするのです。
今の心理療法には
この哲学がないから
ダメなのです。

PTSDに処方されるべきは薬ではなく哲学習慣である。

ユングは言いました。
心理療法の最高の目的は
患者をありえない幸福状態に
移そうとすること
ではなく
彼に
苦しみに耐えられる強さと
哲学的忍耐力を
可能にさせる
ことである。

眠れないからと
薬を飲むのではなく
なぜ眠れないのか
何にいらだっているのか
考えてたら
必ず
存在論や
価値観の問題に
行き着きます。
哲学は
哲学者の専売特許では
ありません。
子どもだって
哲学するのです。
心理療法では
患者の協力が治療の成否を決める
死活問題。
通り一遍の治療は
もうすでに充分受けているのだから
長期にわたる
無意識の共同作業をする。
分析家は意味を知っていると
思っているものだから
この点をよく説明する必要がある。

上から目線の
素人判断を押し付けられて
ありがたがっている場合ではないですよニコニコ

101億円で落札されたピカソの作風とPTSD

ピカソ(1881~1973)の
絵画「ヌード、観葉植物と胸像」が
昨日
ニューヨークで開催された
競売会社クリスティーズのオークションで
芸術作品としては
史上最高の
約1億648万ドル(約101億円、手数料込み)で
落札されたそうです。

1932年3月の作品で
ピカソの愛人マリー・テレーズを
一日で描き上げただと
いわれています。

破天荒な人生と
破天荒な絵が
独特で

晩年は
長い間支持者として知られた
批評家のダグラス・クーパーにさえ
「狂った老人の支離滅裂な落書き」と
評されたりしましたが

ピカソ本人は
「この歳になって
やっと子供らしい絵が描けるようになった」と
言って
悪評は一切気にしなかった
そうです。

晩年のピカソの作風は
のちの新表現主義に
大きな影響を与えたと
考えられています。

ピカソは死ぬまで時代を
先取りする画家であったのですね。

PTSDも先取りしてます。
バラバラ…ですから。
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風の絵師第17話⑥ 象徴としての絵

主人公の師が言います。

「時には
絵を絵としてではなく
象徴として使う」

知人に言われ
はっとしたことを
思い出しました。

「名前は易だ」

字画とか意味とか
響きとか
いろいろ考えながら
よい名前をつけますね。

昔は八卦見さん
つまり易者さんが
つけたものです。

PTSDのトラウマの謎も
同じでしょう。

公案みたいなものですから
常識では
解けません。

宗教や哲学を含めた
無意識のメカニズムをしっかり
学びなおさなければ
ならないでしょう。

キトラ古墳に
四神が描かれた意味なんて
陰陽五行なしに
なにも分からないと思いますよ。

高松塚の女人は
少しひねってますが
やはり陰陽五行です。

ドラマでも
そのまま描くと始末される危険性が
あるとき
そういう手法が使われています。
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風の絵師第17話⑤ 拒食症

PTSD研究家翠雨の日記

たった一話
一時間のなかに
PTSD満載です。

こんなきれいな女性が
数日間
水も飲まなくなりました。

かつて好きだったものも
受け付けませんし
食べないと身体に毒だと言われても
無理です。

これも心因反応です。

主人公のことが好きだったのですが
主人公が実は女性だったことを
知り
ショックで寝込んでしまったのです。

お世話係の若い女性ですら
そのことを知っています。

わが国の箱庭療法の代表的な
論文では
せっかくの箱庭作品も観ず
せっかく打ち明けてくれた話も
うそっぽいと却下し
病院中で
食べさせることに躍起になっています。

かぐや姫をわがままだと
いう見立ての間違いが
根本的な間違いです。

専門書を読む前に
このドラマを観てたら
こじらせることも
なかったと思いますよニコニコ
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