『平田暁夫の帽子』の書評を
北澤憲昭という美術評論家が
書いている。
自分の身長というのは
日頃感じているものより
ちょっと高い。
眼の高さを
自分の身長と勘違い
しやすいが
眼の上に
広口ビンのように
虚空に向かって開かれている
部分も自分なのだ。
なるほど…
しかもそこは頭で
頭脳のありか…
人間はなんと自分を
矮小化し
見くびる性質があるのだろう。
【百尺竿頭一歩進めよ】の
公案の意味が
少し身近になりました。
【如人千尺懸崖上樹】も
百を千にしただけで
同じことです。
『崖の上のポニョ』でしたね。
PTSDでだめだぁと思うのは
まだ早い!
バレリーナのように
つむじを意識して
背伸びして
もう一度
自分の無意識からの
謎かけである公案に
取り組んでみたら
どうだろう。
最後には
ちょっとつむじを曲げて
斬新にすることを
お忘れなく!
おへそも曲がるって?!
月別アーカイブ: 2010年5月
ペ・ヨンジュンの韓国観光広報ポスターの臨床心理学的意味
少年による西鉄バス乗っ取り事件に学ぶ遺族のこころのケア
佐賀市の17歳の少年が
福岡県太宰府市の
九州自動車道で
佐賀発福岡行きの西鉄高速バスを乗っ取り
乗客1人を刺殺
4人に重軽傷を負わせた事件から
10年が経ちました。
現行犯逮捕された少年は
「解離性障害の治療が終わるまでは
医療的な矯正施設への収容が相当」と
医療少年院送致され
06年春社会復帰しています。
しかし
ほおを切られた女性の
生々しい傷痕は
消えることはありません
でしたし
殺害された女性の長男の画家は
「事件の衝撃で
思うような絵が描けるようになったのは
この3、4年」と
言います。
思春期だった
娘さんは2人は
マスコミの取材に翻弄され
相次いで不登校になったそうです。
「元少年には
更生プログラムなどの
支援があるが
被害者には何もない。
家族で必死でもがくしかなかった」
と訴えておられます。
被害者支援が当たり前に
行われる日を迎えるには
PTSDについての
社会的理解が必須でしょう。
専門家から
教育してゆかねばなりません。
ユング流PTSD事例⑤ 能ではローレライを成仏させる
不実な恋人に絶望して
ライン川に身を投げ
水の精となって漁師を誘惑し
遭難させ続けるローレライは
悲劇ですね。
日本の能にも似た話が多いですが
もう一ひねり
救いがあります。
登場人物はシンプルで
シテとワキの二人が中心です。
シテは人間ではなく
あの世からやってきた者が多いです。
草木の精
源平の武者
化け物・鬼が化けている
美人などですね。
ワキはお坊さんや役人
といった人たちで
この世の人です。
シテは
話を聴いてもらったり
お経を読んでもらったりすると
成仏します。
日本のローレライさんの場合は
ちゃんと傾聴して
大きな流れの中で
(お経は縦糸・伝説)
受け止められる必要があります。
ユングはスイス人ですが
能的なスタイルですね。
今の日本のユング派は…?
ユング流PTSD事例④ 伝説に隠された象徴の作用
元の詞は
ドイツの著名な詩人
ハインリッヒ・ハイネ
(Christian Johann Heinrich Heine/1797-1856)
によるものです。
ライン川にそびえる
岩山ローレライ
(Loreley)は
ライン川流域の町
ザンクト・ゴアルスハウゼン近くにある
水面から130mほど突き出た岩山で
ライン川下りでも有名で
周辺にはフドウ畑や古城が点在し
ローレライの岩の上に登ることも
できる一方
この岩のあたりは
川幅が少し狭く
流れも急になるため
昔から遭難する船が
多かったようで
伝説が生まれました。
―華やかで楽しい現実のすぐ裏にある
悲しみや孤独を示すものが多いですね。
内容に多少の違いはありますが
ローレライとは
不実な恋人に絶望して
ライン川に身を投げた乙女で
水の精となった彼女の声が漁師を誘惑し
岩山を通りかかった舟を次々と
遭難させていった
という伝説です。
ユングの
ローレライさんもなんらかの
ショックから
PTSD症状を呈し
「なんでかなあ」
ということを
忘れないように
お経のようにつぶやいて
いたのかもしれませんね。
比喩や象徴を使って
隠されながらしっかり記録され
詩やお話やPTSD事例によって
永遠に伝わっていくのが【伝説】というもの
なのでしょう。
ユング流PTSD事例③ ローレライの曲とライン川 (YOU TUBE)
頭で考えるばかりでなく
曲を聴き
川を眺めて
こころを
遊ばせる
そこで思い浮かぶものも
必ずいつか
統合に役立つと
思いますよ。
ユング流瞑想法
…ですかね?
ユング流PTSD事例② ローレライの詩
PTSDを自己克服した
ユングは
そうそう人を
不治の病扱い
しません。
同級生に
突き飛ばされ
転倒してから
発作が起こって
学校に行けなくなった
とき
【てんかん】と診断する
医者がいたのを
覚えている
ユングは
相手のこころに寄り添い
考えます。
ローレライさんの場合は
すぐわかりました。
発病したとき
周囲の人も
医者もみな総じて
「何ででしょうね」
って反応したんですね。
それが
『ローレライ』の詩と
結びついたのです。
なじかは知らねど心わびて
昔のつたえはそぞろ身にしむ
さびしく暮れゆくラインのながれ
いりひに山々あかくはゆる
うるわしおとめのいわおに立ちて
こがねの櫛とり髪のみだれを
梳きつつくちずさぶ歌の声の
くすしき魔力(ちから)に魂(たま)もまよう
こぎゆく舟びと歌に憧れ
岩根もみやらず仰げばやがて
浪間に沈むるひとも舟も
くすしき魔歌(まがうた)うたうローレライ
訳詩:近藤 朔風
仏教の心理学
唯識にもありますよ。
阿頼耶識は異熟するなり
(無意識)
不可解な行動にも
必ず背景があります。
ユング流PTSD事例① ローレライさん
ユングの患者さんに
【ローレライさん】という
ニックネームの女性が
おられたそうです。
いつでもどこでも
誰にでも
「なんでかなあ?」
ばっかり言ってたから
です。
今こんな人がいたら…
変人扱いなら
まだ恵まれてます。
【発達障害】か
【認知症】か
…あたりの診断名が
つけられて
不治の病として
扱われるでしょうね。
『シャッターアイランド』人格を決めつける精神科医
大きな
新聞広告には
GWは謎解きへ
あなたは、ここに気づいたか?
60個以上の謎ポイントがあり
そのうちの3つが
書かれてますが…
私は真ん中のこれ1つでいいから
気づいてほしい。
人格を決めつける精神科医
デス。
医学部入学できる
知能からすれば
そう見えるのかもしれないけど
容易に人を
無能扱いしすぎる。
少々元気がない時も
自分のお受験に命を懸けてる
ママンのご機嫌とりながら
発破をかけて
勉強してきたかもしれないけど
社会適応しにくい人の辛さに
あまりに共感できない
鈍感さがある。
(これって
精神科においては
立派な【適応障害】ですよ!)
私が病院で治験に関わってた頃は
「あの心理検査
難しいね」という
素朴な医者いましたが
今は一律
【発達障害】
【適応障害】
【ボーダー】
ですから…
この映画って
『ダビンチコード』とか
『ロスト・シンボル』みたいなの
ですか?
【象徴】が読めず
表面的にしかみないような
(表面もみないってのも多いけど)
そういう現状を警告しているような…
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直筆歌詞競売のレノン&オノ・ヨーコさん
1980年に射殺された
ジョン・レノンさんが
67年にヒット曲
「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」の歌詞を
手書きした紙片が
6月18日に
ニューヨークで競売にかけられる
ようです。
予想落札価格は50万~70万ドル
(4700万~6600万円)
とのことで
1枚の紙の両面に歌詞が記され
修正や削除の跡も残っており
片面は走り書きで
つづりの間違いもあると言います。
この曲は
ビートルズの最高傑作とされるアルバム
「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」
(67年)に収録され
歌詞の一部が薬物使用を連想させるとして
当時、物議を醸したものです。
もう30年になるのですね。
深夜ラジオで訃報を聞いたのが
昨日のことのようです。
熱狂的なファン世代でもない私も
何かぼんやりしたショックを受けたのを
覚えています。
オノ・ヨーコさんは
確か全国紙すべてに
愛と平和の広告を出したとか
…
無知な高校生は
それを観ることも
なかったですし
最愛の人を
このような事件で
唐突に亡くすショックが
どれほどのものか
想像する知性も
持ち合わせていませんでした。
今になって
創作のエネルギーの源や
その意図
平和活動への意味に
やっと
想いを馳せることが
できかけています。
オノ・ヨーコさんを
見習って
寛容と忍耐の力を
つけて
長期戦をがんばり抜きたいと
思いなおしました。