幻覚をみた
主人公は
寺に連れてゆかれ
―心的感染するもので
他人に迷惑がかかるから
放置できないのです。
燻され
苦しくてわめきますが
容赦なく続けられ
とうとう
失神しました。
そのとき
出てきたものは
本人にしか
わからないわけですが
主人公を
ここまで担いで
運んできた
お百姓さんたちは
それを
それぞれが
いろいろに感じます。
作者は
これは
集団幻覚であると書いていますが
投影を起こしているわけで
―擬似失神状態
それぞれにとっても
ある種の
精神分析的治療になっていると
思われます。
それも期待して
運んできたのかな?と
思いました。
―今も昔も
人の事例に自分を映して
考えるのが
みんな好きなのでしょう。
朝日新聞『青銭大名』第九十六話 集団幻覚治療
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