施設にいた
てんかん児のお話です。
臨床心理学の学会でも
昔はこういう現実への
共感性が当たり前のように
あったのですが…
発達障害や自閉症の研究家に
読ませたいです。
「ヒルベルって、ほんとうに悪い子だよ。」
施設の子どもたちが
そう言うところから始まります。
ヒルベルは出産のときの外傷のために
原因不明の頭痛や発作を起こしたり
していると思われています。
言葉も上手く話せません。
父親は不明で
母親にも見捨てられています。
ドイツ語で
ヒルンは知能を
ヴェルベルは渦とか混乱を意味します。
本名で読んでもらえず
「クルクルパー」ぐらいの意味で
呼ばれているのです。
本当はそうではなく
普通の子たちが思いがけないほど
体験が深く
毎日冒険し哲学していて
その結果
大人のこころが読めてしまい
好きな女の子には ←傾聴上手
すらすら話ができます。
豊かな感性をもったいい子ですが
手に負えない不適応のため
(最後まで理解できるのは読者のみ)
だんだん脱走するようになり
反抗的になり
一番優しかった医者にも「発作だ」と ←先生の子になりたかった
みなされ
最後は
別のおそらくは
もっと重篤な施設に送られていきました。
救いは
「あの子はどうしてるかな」と
思い出す人がいるくらいです。
そして
読者にはヒルベルが理解できることです。
あとは
現場でも理解するようになれば
いいだけなんですが…