青木豊医師(52)は
ビルの一室で
虐待された
0歳から3歳までの乳幼児と
その親を治療しているらしい。
「勝手気ままに動くので
いらいらして
怒鳴ったり
布団の上に倒したり」
暴言や平手でたたく虐待を
止められず
自ら受診した30代の母親は
毎週1回
50分間の
母子一緒の
精神療法を受けました。
半年たったころ
治療室へ入るとき
子どもは
自分でくつを脱いで
きちんとそろえ
「ほら」と母親を見ます。
しかし
母親は厳しい表情のまま
無視したうえで
青木先生にこう言いました。
「こんなふうにいつも
機嫌を取ってきて
小ざかしいので余計に
いらいらしてしまいます」
?!
しかし
このことから
母親自身も自らの母親から
同様の虐待を受けて育ち
「無視されたときは
食事のかたづけをしたりして
機嫌を取った」ことを
思い出します。
青木先生は優しく
尋ねます。
「当時のあなたを
あなたは今
小ざかしいと思いますか」
母親は絶句し
「それは小ざかしいというより
涙ぐましいです」と答えて
涙をふいたそうです。
このあと
母子関係は改善に向かったそうです。
これは一般に
児童相談所などで行われていた
心理療法です。
特殊なものでは
ありませんし
新しい手法でも
ありません。
いつのまにか
児童相談所で
このような治療法が
消えたということでしょうね。