二人の人間が分析と呼ばれる弁証法的な対話に真剣に関与するとき、その対話はつまるところ、それぞれの心のなかの意識と無意識との論争になる。そしてそれは、この対話にはなんらかの目標ないし終着点がある、という想定にもとづいている。分析において要求されるところは人によって異なる。ある人については、比較的簡単な説明だけでじゅうぶんだろうし、あるいは、これまで隠していた経験の一片を正直に告白するだけで病気が除去されるかもしれない。また、ある人たちにとっては、夢のなかに含まれていたメッセージの受容が道を開くこともある。分析であれ他のかたちであれ、治療においては、患者自身の自然的な可能性のかなたにまで彼を連れていくことは不可能だし、患者が自分にとって必要と考えていることより以上のことをさせようとしても無理である。だが、こうした自己実現の初期の段階だけではじゅうぶんでない人々もいる。
ユングの患者の多くが、それ以上を求め、自ら率先して自分の分析を継続した。心理治療を受けるのは盲腸を取ってもらうこととはまったく異なる。それどころか、心理療法は1つの永続的な啓発の手段でもある。それは、問題に対処するためではなく、われわれが全き人生を生きるための助けともなる。夢を観察したり、描画や粘土細工を用いて、自分自身の無意識に関する知識を求めることは、多くの人にとって可能であり、かつ望ましい。しかし、万人に適合する1つのやりかたなどというものはないのである。
― E・A・Bennet(1966) “What Jung Really Said” より
邦訳『ユングが本当に言ったこと』思索社、1985年 pp.202-203
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