永山のノートを読んだ
秋山駿は
書いている。
「動機なき、理由なき殺人」
と称されているが
こんな言葉を
ああそうかと
単純に簡単に
分かったつもりに
なってもらっては困る。
人のあらゆる行動には
何らかの意味で
すべて動機があり
理由があるのだ。
最高に支離滅裂な発狂者にあっても
彼に意識がある限り
必ずその言動には
動機と理由というものが
あるのだ。
「動機なき、理由なき殺人」
というのは
人間の奥深くにある
生のパラドックスの
その露出なのだ。
人間が犯罪を犯すのは
すべて心因反応であると
発狂と言っても
遺伝性の不治の病ではないと
聞こえませんか?
『無知の涙』③ 心因反応としての犯罪
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