『家政婦のミタ』「無表情」は鏡の象徴

ただの家政婦に過ぎない
ミタさんに
「笑え」
「過去にこだわるな」
さらには
「お母さんになって」と
頼みながら
都合悪くなると
「ミタさんが来てから
この家おかしくなった」
出て行こうとしたら
「ちょっと待ってよ…」
ミタさんは
『あなたがたは
わたしにどうしてほしいのですか?』と
言うかわりに
みんなに
表現させ
全身で受け止め
跳ね返しています。
ミタさんは
鏡ですね。
鏡には
感情がなく
 ―好きなものだけ映したり
 嫌いなものは排除したりせず
 鏡に永遠に与えられた
 業務命令ですひらめき電球 
心的現実をありのまま
映します。
ありのままでよいのではなく
否応なしに見せられた
ありのままを
どうしたいのか
どうすべきなのか
みんなで考えたら
 
 ―長女の苦悩の表情が
 美しいなと
 私は特に思いました。
 SSRI呑んだら
 消えてしまい
 もったいない代物です。
機能不全家族が
解消しました。
 ―お父さんは
 どうしようもない人のように
 描かれていましたが
 苦悩しながら
 生まれ変わり
 子どもたちにも
 受け入れられました。
 自死遺族のトラウマが
 家族的無意識として
 記憶のなかに収まりました。
精神分析で言うと
投影でしょうね。
自分たちの問題なのに
治療者に
バンバンぶつけるんです。
 ―ミタさんが笑うとき
 みんなは泣いてました。
 哀しいからでも
 嬉しいからでもない
 言葉にできない
 気持ちを共有しています。
 陰陽的に
 興味深い対比です。
治療者は
タフでないと
 ―ミタさんの硬質のイメージ
勤まりません。
 
よくできたドラマですね。

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