朝日新聞『聖痕』32 PTSD的精神荒廃は部屋にも表れる

主人公が
トラウマティックな事件に巻き込まれ
両親が
その件にかかりきりになり
弟のこころは
寂しさから
荒れます。
兄の部屋に行って
兄が一番困るような
イタズラをします。
ノートへの落書きですが
ヒステリックで
いらだちや
怒りと憎しみが
そのまま表現されています。
ショックを受けた兄が
何でこんなことをするのかと
弟の部屋に行くと
普通の子どもの部屋の
散らかり方とは
異質で
見た人間の
気まで荒げるほどの
虚無感と投げやりさに
満ちており
ものは
ガラクタと化しています。
 ―大事に扱われたものは
 ガラクタに見えません。
 ものとこころは一如ですから。
精神的荒廃を
そのまま表現しています。
病院のカルテに
患者さんの部屋の写真が
あったりしますが
 ―保護されたときのものでしょう。
確かに
それは言えていると思います。

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