いつもどこかに
挑戦があるジブリですが
―個性化の過程ですから
今回は
飛行機のプロペラ音
蒸気機関車の蒸気
車のエンジン音
関東大震災の地響きなどを
どこかにあるものを
拾ってきたりするのではなく
人の声で
表現したのだそうです。
本物の音をつけようと
次第にエスカレートしてきましたが
言葉で言っても
伝わらないことがよくあり
―不立文字
自分自身も何が何だかわからなくなってしまい
―無我
「子どもの頃は
ほとんどみんな
絵を描きながら
自分で声を出して
音楽も効果音もセリフも
全部やっていたりするのだから
いっそ
全部
人の声でやったらどうなんだろう」
「ゼロ戦の爆音はいくつか残っているだろうが
だからと言って
それを使うことにどんな意味があるんだろう」と
考え
最終的に
「本物の音かどうかではなく
らしく聞こえることが大事」という結論に
達したそうです。
心理療法の
哲学的過程とよく似ているし
―あれこれ追求しているうちに
限界点が来て
無心になり
子どもの頃のことを思い出しながら
新しいことをみつける。
温故知新
夢に向かって
真っすぐに生きた一人の青年の姿とも
―物語という架空
重なります。
『風立ちぬ』PTSD克服物語と心理療法と哲学と
コメントを残す