83歳のユングは
12歳を
実に宿命的な年であった
と回想している。
初夏のある日
午前中の授業が終わり
同級生と一緒に帰宅しようと
待っていた時
別の少年に
ふいに突き飛ばされ
石で頭を強打
意識を失わんばかりの状態で
約半時間目がくらみ
瞬間的に
「もうお前は
学校に行かなくてよい」
という考えが
ひらめくのを感じている。
意識を半分失っただけだったが
復讐心から
少し長い時間横たわっていたら
近所に住む伯母さん2人が
見つけて
家まで送ってくれた。
それ以来
ユングは
学校からの帰り道や
両親から宿題をさせられるとき
いつも発作を起こすようになった。