ジブリ『借りぐらしのアリエッティ』」カテゴリーアーカイブ

『借りぐらしのアリエッティ』離婚トラウマ

翔の母親は離婚し
仕事で海外にいます。
翔は
母親の叔母さんには
大丈夫だと言ってますが
アリエッティに
家族のことを聞かれた時は
口ごもりながら
「父にはほとんどあえないし
 母は仕事が忙しくて
 あまり一緒にいられない」と
言っています。
 ―トラウマにまつわることを
 質問されたら
 困惑しますよね。
これはまあ
【否認】してると言ってよいでしょう。
 ―半ば意識的ですが。
PTSD研究家翠雨の日記
叔母さんも
翔の言葉を鵜呑みにせず
心配しています。
 ―こんな大人が大事ですネ。
 いじめっ子に
 「いじめた?」
  <いじめてないよ>
 「あ、そう」って済ませる
  学校が多いですから…あせる
具体的な解決が難しくても
そう言って心配してくれる大人は
大事ですよね。
PTSD研究家翠雨の日記
親が離婚すると
子どもは引き裂かれますね。
仕方がないとはいえ
追い討ちをかける孤独は
つらいですね。
でもそういう子どもに
【象徴】が見えるのだと思います。   ←アリエッティ
心理療法の理想は
この孤独に耐える強さと
哲学的忍耐力を
養うこと
です。
翔は自力でそれを
実践しているのです。
ポニョに公案を解かせた
監督は
翔にこの課題を与えました。

『借りぐらしのアリエッティ』江姫の宮殿とドールハウス

$PTSD研究家翠雨の日記
お仏壇なんかも
同じだと思いますが
死者との対話
場所ですよね。
死者が成仏しますようにって
ことですが
それは
【投影】であって
お別れのショックを
癒すための
 ―成仏する。
 無にする。
作業です。   ←大事!
 ―メカニズムはどうでもよいのですが
  一応意味はあると言うことでニコニコ
置かれるもの
描かれるものは
やはり
仏教的
陰陽五行的なものです。
 ―無意識がそういうもので
  できてますから
  落ち着くのです。
$PTSD研究家翠雨の日記
アルジェリアの
教会の
クリスマスの飾りつけです。
フランスでも
ドイツでも
家庭でこういうのを
創ります。
ドールハウスの元型は
こういうものでしょう。
$PTSD研究家翠雨の日記
これを
江姫の宮殿に
ねじ込んではいけません。
 ―江とは
 水にまつわるお名前ですね。
 ポニョを思いましたニコニコ

『借り暮らしのアリエッティ』ニーチェのロープ

PTSDは
トラウマの病ですが
トラウマは
無意識にありますね。
 ―だから認知行動療法や
  説得療法は手が届かないんですねひらめき電球
無意識は
心身一如の場所です。
ユングのこの図では
【感官】を伝って
トラウマのある場所まで
 ―交通事故のトラウマなら
  個人的無意識のあたり
  (個人の歴史の出来事)
  同じ交通事故でも
  ひき逃げされたショックや
  医療ミスなら
  国家的無意識あたりへ
  
  家族の問題なら
  家族的無意識のあたりへ
降りていきます。 
 ―知らなくても大丈夫です。
 無意識が知ってますからひらめき電球
$PTSD研究家翠雨の日記
一番下は
動物の祖先の無意識ですね。
ニーチェはこう言いました。
「人間は
動物と超人のあいだに  ←犯罪者かポニョか
張りわたされた一本の綱
なのだ。
 ―深淵のうえにかかる綱なのだ。 ←水平ではありますが…
渡るのも危険であり
途中にあるのも危険であり
ふりかえるのも危険であり
身震いして足をとめるのも
危険である。
人間における偉大なところ
それはかれが橋であって
自己目的ではないということだ」
$PTSD研究家翠雨の日記
どうせ危険な存在なら
渡ってしまいましょう!
余計なことは考えず
ライト(意識の光)を
しっかり照らして
上り下りしましょうニコニコ

『借りぐらしのアリエッティ』 ~『人形の家』に連れ戻される

イプセンの
『人形の家』の
ヒロインは
「あたしは
何よりもまず人間よ」

夫にそう言いおいて
家を出ます。
 ―要するに
 この家にいたら
 人間ではいられないという
 ことですね。
$PTSD研究家翠雨の日記
これは夫婦の問題だけではないと
思います。
親子版
『人形の家』
もあるでしょう。
ヒロインは
親子版『人形の家』から
イプセンの
『人形の家』に
引っ越しただけのようです。
$PTSD研究家翠雨の日記無意識=常識
無意識のうちに
そういうコースを
選んでしまうのでしょう。
 ―虐待でもDVでも
 そういう連鎖がありますねひらめき電球
日本では
ヒロインのように
気づき
家出しようとする人が
増えています。

意識が
「いやだなぁ」と感じる
随分前から
無意識に
家出願望が生まれますから
わけもなく
眠れなくなったり
(一大事ですから)
死にたくなったりするのです。
(変わりたいが死にたいと
 翻訳される)
でも…
クリニックに行ったら
うつ病です。
お薬どうぞ」
カウンセリングでは
「恵まれたおうちじゃないですか。
あなたわがままですよ。
少しずつ我慢する練習を
していきましょうね」   ←行動療法
『悪いのは私?』
これが
アリエッティでは
【ドールハウスねじこみ事件】で   ←人形の家
表現されてます。
カルト集団から脱走して
連れ戻されるような
恐怖感でしょう。
 ―次の脱走は
 相当な時間と勇気を要します。
だから
一度薬を飲んでしまうと
治らなくても
うつ病という診断名にしがみついたり
暴君と同一化して
(しがみつけば恐怖感は消える)
自分には甘く
人を支配しようとする
加害親やDV夫(妻)になる人が
少なくないのでしょう。

『借りぐらしのアリエッティ』の『人形の家』とポニョの【家出】

$PTSD研究家翠雨の日記
ドールハウスは
『人形の家』ですね。
人形は表情が1つで
【記号】みたいな存在です。
 ―アリエッティたちは
 活き活きとした【象徴】です。
ヒロインは
夫に猫かわいがりされネコ
大切にされているように
思っていました。
$PTSD研究家翠雨の日記
 ―ポニョの父親も  
 ポニョを大事にしていると
 勘違いしてました。
ある事件を通して
夫は弁護士のクセに
★窮地に立たされると    ←ストレス
激怒し罵倒する
感情コントロールの悪さが
顕著で
しかも
一難去れば
★たちまち態度を豹変させ
微笑んで
甘いことを言い放つ
夫の
【解離】振りに
 ―DVでおなじみ
  ハネムーン期
ノラは絶望し
夫の制止を振り切り   ←振り切りの【連鎖】
家出するお話です。
何かと
ポニョと主題が重複しています。
 ―内からの視座が
  大事ですがね。
PTSDは
家族の問題が
多いですからね。
$PTSD研究家翠雨の日記昨日の朝日新聞一面

『借りぐらしのアリエッティ』心理療法は短期でよい

心理療法は
長い時間がかかるものという
常識が
ありました。
ブリーフセラピーというのも
ありますが
『そんなのありえない』
『表層しか扱えない』と
どこか考えられてきました。
しかし
例えば
DVシェルターは
公的な場所なら
基本的に2週間しか
滞在できません。
こなす課題も多く
心理療法など
とても無理な場所では?と
最初は考えていました。
児童相談所なども
半年くらいで
終了にするよう求められます。 ←予算とかあって…あせる
しかし
箱庭に夢中になった子どもたちは
短期間のうちに
元気をとりもどしています。
子どもが元気になると
母親も活き活きしてきます。
二週間は充分な時間です。
細かな調整が
今後も必要かとは思いますが
それは何も
私との間で行わなくても
できそうな水準のことばかりです。
自分でできることは
自分でした方が
自信が増します。
【起承転結】があるとするなら
【起承転】まで
お付き合いすることにしています。
$PTSD研究家翠雨の日記
この物語の冒頭の言葉は
腑に落ちます。
【象徴】的な意味での
母親の【否認】した問題と  ←父母未生以前の面目
取り組む態度ができれば
よいのです。

『借りぐらしのアリエッティ』【象徴】の【記号化】

$PTSD研究家翠雨の日記
ドールハウスは
人形の家ですから
小人のアリエッティには
ちょうどいいし
舶来物の
オーダーメイドですから
素敵ですがドキドキ
$PTSD研究家翠雨の日記
【象徴】は
人間に気づかれると
【象徴】ではなくなってしまうので
 ―気づくということは
  意識するということです。
  無意識的存在が
  意識的存在になれば
  固定化され
  こだわりがおこり
  【記号】化し
  死んだものになります。
  自己治癒力との接点
  消えます。  
こういうわかりやすいものは
もっていけないのです。

『借りぐらしのアリエッティ』こころの自然としての【象徴】

PTSD研究家翠雨の日記
お母さんは
片付けなさいと言いますが
これはこれで
秩序があるのです。
アリエッティは
無意識のなかで生きている
【象徴】ですからね。
人工と自然のバランスは
$PTSD研究家翠雨の日記
自然よりです。
 ―マチ針とか
  紅茶缶など
  床上から借りてきたものが
  人工物です。
私たちは
持ち物にしても
食べ物にしても
考え方にしても
人工物が多いですネ。
【象徴】に近づくには
 ―自己治癒力が作動
できる範囲でよいので
自然な生活に近づけるのも
大事です。
問題行動や
夢や
フラッシュバックの意味が
理解しやすくなります。

『借りぐらしのアリエッティ』天使のような【象徴】

人間は
感情に翻弄されることが
ありますが
【象徴】としての
アリエッティたち小人は
慎重です。
PTSD研究家翠雨の日記
PTSD研究家翠雨の日記
客観的で
コントロールが利いています。
でも
共存の意識があるから
冷たくはなく
無私の存在ながら
セルフの意志についての
 ―真の自己
  あるいは【天】
メッセンジャーみたいな
存在です。
西洋では天使かな?
東洋の天子
皇室の人たちで
確かに無私です。
 ―バッシングされても
  耐えながら
  非暴力で
  真実と真剣に向き合って 
  おられます。
  まるで
  未曾有の冒険で剣を得た
  スサノヲですね。
【象徴】に出会うには
  ―自然治癒力が作動しはじめる。
我々も
慎重で無私でなければ
なりません。

『借りぐらしのアリエッティ』【冒険】における【ネズミ】の危険性

狩りならぬ
【借り】は
小人のアリエッティたちにとって
生きるための   
【冒険】
です。
 ―この【冒険】が
  分析心理学では
  生半可に取り扱われています。
  箱庭の象徴世界に
  ドールハウスをねじ込むような
  研究者が
  (かぐや姫や摂食障害という
   PTSDをわがままあつかいし
   説得します)
  
  つまらぬ【冒険】や【イニシエーション】を
  恥ずかしげもなく
  語ってお茶を濁します。
PTSD研究家翠雨の日記
危険の第一は
ネズミに出会うこと。
アリエッティは
マチ針の剣を【借】ったので
「平気」と言いますが
$PTSD研究家翠雨の日記スサノヲの自信
お父さんは
戒めます。
そうです。
ネズミには
PTSDにとって
【象徴】的な怖さがあります。
PTSD研究家翠雨の日記
干支のネズミは
親しんでもらうために
ねずみの姿にしてあります

鼠と書かずに
「子」と書きますね。
 正しくは「る」
     (ふえる)
  ―子を生んで増やす
 
 慈悲の「」は
 観音さまに象徴されますが
 母親のような無償の愛です。   ←セルフ
 しかし【アジャセコンプレックス】の
 ような問題の元でもあります。
ある種トラウマの源みたいな
ものなのです。
最初から
ぶつかると危険です。
がむしゃらは命取りですよニコニコ