C.G,ユング」カテゴリーアーカイブ

ユングのPTSD トラウマ事件③ 瞑眩反応

ひらめきや復讐心は
【自己治癒力】の作動による
ものでしょう。
東洋医学では
瞑眩反応と言います。
(病的に悪化したように見えます)

学校に行かなくてよい
というひらめきは
こころ全体からの
反応です。

ユングは学校というものに
適応するのはあたりまえだ
という意識が強かったのですが
(当たり前だと
思われる方もあるかと
思いますが)

12年間ユングを影から観察してきた
無意識も含めたこころ全体は

『こんなに個性的なヤツなのに
そんな無理がいつまで通用すると思ってるのか
そんな人生でいいのか』と反発し

ユングの意識的な気持ちと
真逆の考えを強力に押し付けてきたのです。

補償作用ですから
無意識が正しいという
わけではないです。

とうてい受容しがたい困った要求に
困惑しますが
実は少しパワフルになっても
いるのです。

復讐心が芽生えたのは
その一端でしょう。

復讐というと
あまりよい感じがしない
かもしれませんが

この事件をトラウマ化させては
ならない

なんとかがんばろうとする気持ちの
現れなので
それに殴りかえしたわけでもないし
12歳の子どものこころですから
(もしかしたら翻訳の問題も
あるかもしれませんし)
好意的に受け取ってくださいね。

しかし
応急処置は失敗したので

―意識と無意識の葛藤で
意識が勝った―

第二段階に突入し
【発作】
「逃げるな!逃げるな!
納得するまで考えろ!」
と襲ってきたのです。
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ユングのPTSD  トラウマ事件② 自然発生的な催眠

人間がショックを受けたとき
というのは

いわゆる催眠状態に近い
ようです。

無意識には
パンドラの箱のように
いろんなものが詰まっていますから

みんなと同じように
学校に通うためには
しっかり
【抑圧】
しておく必要があります。

ところが
こころがショックを受けると
抑圧のフタが開いて
こころ全体で
事故処理
をしようとします。

温故知新とか
脚下照顧といいますが

無意識にある
過去の知恵を拝借して
克服しようとするのです。

催眠療法というのは
人工的に
半覚醒状態にして

―「あなたはねむーくなるー」
とかTVの余興でも
やってますね―

深層心理に
何か語りかけるやりかたですが

12歳のユングは
自然な催眠状態に陥ったのです。

人工的な催眠より
自然の催眠は
ドラマチックなものに
なります。

波乱も大きいです。
時間もかかります。
自力です。

しかし
これが本物の心理療法で
これしかないと
私は思っています。

人工的な催眠が
(フロイトの精神分析以前の)
流行していた頃より
相当危険なものになっているのは
みなさん
ご存知のとおりです。
続きを読む

ユングのPTSD  トラウマ事件① 12歳の出来事

83歳のユングは

12歳を
実に宿命的な年であった
と回想している。

初夏のある日
午前中の授業が終わり
同級生と一緒に帰宅しようと
待っていた時
別の少年に
ふいに突き飛ばされ
石で頭を強打
意識を失わんばかりの状態で
約半時間目がくらみ

瞬間的に
「もうお前は
学校に行かなくてよい」
という考えが
ひらめくのを感じている。

意識を半分失っただけだったが
復讐心から
少し長い時間横たわっていたら
近所に住む伯母さん2人が
見つけて
家まで送ってくれた。

それ以来
ユングは
学校からの帰り道や
両親から宿題をさせられるとき
いつも発作を起こすようになった。
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ユングのPTSD  トラウマ事件⑥ 学習障害ではないのですが…

ユングは
学校を退屈でおもしろくない場所と
感じていたようです。
一端を紹介しますと…
算数は
数字という実体のないものを
当たり前のように
使うでしょう。
a=b なんて意味不明!って
そこからひっかかってくる子
なんですね。
まあ言われてみれば
aとbは
違いますが
そこに
露骨な恐怖感すら覚えた
そうです。
絵は好きですが
創作が好きで
模写はテンでダメ
あまりのダメさに
図画の授業は免除された
そうですし
体操は身震いするほど嫌

という調子です。
祖父がゲーテの庶子である
というやっかいな言い伝えがあり
真偽は不明ですが
(どこか気にしていたのは
事実です)
極度の芸術家肌なんですね。
ユングは
自分の創造的な性格に
呑みこまれるのが怖くて

みんなのように
学校に適応しようと
やっきになっていたのです。
本来の性質と全くちがう
性質を演じるのですから
その葛藤だけで
エネルギーを消耗
してしまいます。
(事実とても疲れやすい人だった
ようです)
突き飛ばされて
本来持っていた問題が
ごまかしのきかない段階であることに
気づかされてしまった
のですね。
しかしまだまだ抵抗は続きます。

ユングのPTSD トラウマ事件⑤ 自己実現への抵抗

不登校で
数時間も夢想にふけったり
森や川に出かけたり
マンガを描いたり
物を集めたり
本を読んだり
遊んだり
しているのは
最初は
楽しかったのですが
だんだん
良心の呵責が起こり
楽しくなくなってきました。
『逃げている』という
漠然とした感じも出てきました。
自分を突き飛ばした子についても
うらまないんです。
あれは無意識的に
自分がそそのかしたのだ
と考えるんですね。
自己実現への【抵抗】だった
とわかるのは
人生も後半になってからです。

ユングのPTSD  トラウマ事件④ とりあえず自力でねじ伏せた

発作のために
ユングは
不登校状態になり
ユングの両親は
いろんな医者に相談しましたが
どこが悪いのか
わからなかったようです。
ある医者は
転地療養をすすめ
ある医者は
【てんかん】だと
言いました。
転地療養は楽しかったのですが
家に戻ると
発作が起きますし
てんかんの診断については
12歳のユングも
『ありえない』と
失笑していたようです。
しかし
半年くらい経過した頃
自分のことを
「不治の病のために
生計もたてられず
これから先
一体どうなるのか」と
悲嘆にくれている
父親の姿を
陰から見たとき
ユングは
「働けばいいのだ!」
と考え
急にまじめに勉強しはじめました。
発作が襲ってきても
一心不乱にラテン語を詰め込み
「こん畜生!発作なんかおこすもんか」
と独り言を言いながら
打ち込んだ結果
なんとその日のうちに
発作を自力で止めることに
成功し
2.3週間後には
登校するようになりました。
そして
神経症とはこういうものだと
悟ったと回想しています。
(12歳のユングの自己診断は
神経症だったのですね)
PTSDについて
専門家にも見放される
孤独と
現実適応のため
自力で発作をねじ伏せる試み
そこでつかむ
心理学的な経験知
今も昔も
国籍も
あまり関係ないと
思いませんか?
(無意識は
とりあえず
小休止してくれましたが
のちにまたパワーアップして
襲い掛かってきたことは
いうまでもありません)

ユングのPTSD トラウマ事件③ 瞑眩反応

ひらめきや復讐心は
【自己治癒力】の作動による
ものでしょう。
東洋医学では
瞑眩反応と言います。
(病的に悪化したように見えます)
学校に行かなくてよい
というひらめきは
こころ全体からの
反応です。
ユングは学校というものに
適応するのはあたりまえだ
という意識が強かったのですが
(当たり前だと
思われる方もあるかと
思いますが)
12年間ユングを影から観察してきた
無意識も含めたこころ全体は
『こんなに個性的なヤツなのに
そんな無理がいつまで通用すると思ってるのか
そんな人生でいいのか』と反発し
ユングの意識的な気持ちと
真逆の考えを強力に押し付けてきたのです。
補償作用ですから
無意識が正しいという
わけではないです。
とうてい受容しがたい困った要求に
困惑しますが
実は少しパワフルになっても
いるのです。
復讐心が芽生えたのは
その一端でしょう。
復讐というと
あまりよい感じがしない
かもしれませんが
この事件をトラウマ化させては
ならない

なんとかがんばろうとする気持ちの
現れなので
それに殴りかえしたわけでもないし
12歳の子どものこころですから
(もしかしたら翻訳の問題も
あるかもしれませんし)
好意的に受け取ってくださいね。
しかし
応急処置は失敗したので
―意識と無意識の葛藤で
意識が勝った―
第二段階に突入し
【発作】
「逃げるな!逃げるな!
納得するまで考えろ!」
と襲ってきたのです。

ユングのPTSD  トラウマ事件② 自然発生的な催眠

人間がショックを受けたとき
というのは
いわゆる催眠状態に近い
ようです。
無意識には
パンドラの箱のように
いろんなものが詰まっていますから
みんなと同じように
学校に通うためには
しっかり
【抑圧】
しておく必要があります。
ところが
こころがショックを受けると
抑圧のフタが開いて
こころ全体で
事故処理
をしようとします。
温故知新とか
脚下照顧といいますが
無意識にある
過去の知恵を拝借して
克服しようとするのです。
催眠療法というのは
人工的に
半覚醒状態にして
―「あなたはねむーくなるー」
とかTVの余興でも
やってますね―
深層心理に
何か語りかけるやりかたですが
12歳のユングは
自然な催眠状態に陥ったのです。
人工的な催眠より
自然の催眠は
ドラマチックなものに
なります。
波乱も大きいです。
時間もかかります。
自力です。
しかし
これが本物の心理療法で
これしかないと
私は思っています。
人工的な催眠が
(フロイトの精神分析以前の)
流行していた頃より
相当危険なものになっているのは
みなさん
ご存知のとおりです。

ユングのPTSD  トラウマ事件① 12歳の出来事

83歳のユングは
12歳を
実に宿命的な年であった
と回想している。
初夏のある日
午前中の授業が終わり
同級生と一緒に帰宅しようと
待っていた時
別の少年に
ふいに突き飛ばされ
石で頭を強打
意識を失わんばかりの状態で
約半時間目がくらみ

瞬間的に
「もうお前は
学校に行かなくてよい」
という考えが
ひらめくのを感じている。
意識を半分失っただけだったが
復讐心から
少し長い時間横たわっていたら
近所に住む伯母さん2人が
見つけて
家まで送ってくれた。
それ以来
ユングは
学校からの帰り道や
両親から宿題をさせられるとき
いつも発作を起こすようになった。

簡単そうで難しい【傾聴】が心理療法の基本

新学期

ここ数年
まず扱うテーマは
【傾聴】

傾聴は
心理療法の基本で

これさえできれば
理論なんか
何も学ぶ必要がない。

いわゆる
不眠症くらいは

(手術後
麻酔が切れて
痛くて痛くて
眠れないとか
そういうのは
別ですよ!)

充分
心理療法の守備範囲である。

【傾聴】なんて…

聴覚があれば

(補聴器で矯正して
聴こえるなら
それもO.K.)

誰でもできそうな
ことですね。

しかし
これが案外難しい。

専門家にも
実は難しいと
言うと

学生さんは
『何でだろう?』
って

興味津々…

知的好奇心の高いうちに
いろいろ教え込んで
おかなきゃニコニコ
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