今夜8時読売テレビに『崖の上のポニョ』が初登場します。
閉塞社会を打破したいという願いから生まれた
【世紀の公案アニメ】です。
♪ポー如 ポ如 ポ如…は平成のお経みたいなもんです。
(何の如しだったかな?)
「ジブリ『崖の上のポニョ』」カテゴリーアーカイブ
ポニョ・サスペンスドラマ・漱石に共通する【崖っぷち】モチーフ
サスペンスドラマって分野がありますよね。
「犯人が崖っぷちに追い込まれて独白するあれでしょう」って
みんな笑いながら答えます。
毎日どこかで放映されているんじゃないかな。
崖っぷちといえば
『崖の上のポニョ』
ポニョのパンフレットにも書いてある。
夏目漱石の『門』の主人公は宗助
ポニョを支えるのは宗介
宗助は過去の失敗を抑圧して崖の下に住んでいたが、
人生の後半、そうもいかなくなり
禅寺に向かった。
そこで物語は終わっている。
それで【世紀の公案小説】って呼ばれている。
宗介は崖の上に住んでいる。
道元さまも問題にした公案【如人千尺懸崖上樹】から
漱石やポニョ、サスペンスドラマまで
【崖っぷち】はこの国の普遍的なリセットの法則の秘儀に関するパスワードなのです。
否認してもダメなんです。
ポニョの境涯
ポニョは【如人千尺懸崖上樹】のもじりであると書きました。
子どもに名前をつけるときは、何らかの願いや思いを込めますね。
幸せになってほしいとか優しい人になって欲しいとか。
ポニョに与えられた使命は…
千尺は300メートルですね。
想像してみてください。
高い高い崖があるとします。
そこから樹が横に生えています。
あなたはその樹の枝にかじりついています。
手足はどこもつかんでいません。
そういう状況にあるときに、
下から(学生さんに「先生、聞こえるんですか?」と聞かれましたが…)
誰かが質問をします。
あなたはどうしますか?という問題です。
質問(これまた難解)の答えを考えるのも大事ですが、
どう答えるかが大問題ですね。
下手に答えると墜落してしまいますからね。
なんとなんと若干5歳(?)のポニョは見事解いて
人間の女の子に生まれ変ったんです。
『崖の上のポニョ』はどうしてポニョなのか知ってる?
なんと出典は
道元さまの正法眼蔵『祖師西来意』
世界的に有名な哲学書ですね。
【如人千尺懸崖上樹】という言葉があります。
↑ ↑
ポ如 崖の上の
【百尺竿頭】という公案に関するものです。
公案なんてお坊さんの専売特許だと思ってるでしょう?
クライエントの悩む問題は前人未到の存在論なんです。
難しいけれど、解けなければ生きてゆけない。
医学書をいくら読んでもダメ、人に答えを聞いてもダメ
全身全霊で考えなくてはならないんですね。
絶望を深めている日本人に
魚の子のポニョでも解けたよ!と
宮崎監督はエールを送ってくれているんです。
大切なのは
①必ず解けること
②宗助(主人公)のようにヒロインに寄り添うこと
実際に多いのは
①「解くな」「無意味だ」「忘れろ」との否認
②専門家ぶって指導教育する
♪ポー如 ポ如ポ如 魚の子 崖の上にやってきたあ
って歌った子どもたちは
大変な境涯に出会っても
ふと何かに気づき守られるでしょう。