チャングムの誓い」カテゴリーアーカイブ

『チャングム』第三話  PTSDの孤独な闘い

チャングムは
孤児になってしまったのですが

母は臨終の際
言いきかせました。

これからは
今まで教えたことを思い出しながら
自分で判断してゆきなさい

泣いてばっかりいたり
簡単にあきらめてはいけません
と。

父母がいなくなる
しかも殺されるなんて
非情ですが

それをショックを受けながら
慰めてくれる人もなく
癒しながら
生きていくしかない
のです。

でも
あんな可愛い
こどものチャングムでも
トラウマと一人で闘うのですから

大人はできると
決めてかからねばなりません。

宮崎監督が
ポニョに
【如人千尺懸崖上樹】という
最難関の禅の公案を
解かせたのと
似ています。

無理でもなんでもやるのです。
それしかないのです。

そして
チャングムのドラマが生まれた背景には
やはりそういう問題を
大なり小なり抱えた人が
韓国にも日本にも
少なくない事情があると思います。
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『チャングム』第三話 世の中が泥棒をつくる

登場人物の一人が
言ってました。

「うまれつきの泥棒はいない。
世の中が泥棒を創るのさ」

そう言って
自分の不正を正当化してるのですが

また盗みはいけませんが

一理ありますね。

『ああ、無情』の
ジャンバルジャンの世界です。

そう言えば

フランスで
極貧の女性が
子どものために
パンを盗んだのですが

裁判所は
無罪にしたという
話を最近耳にしました。

盗みより
貧困が(社会的な)罪である
と。

PTSDの症状のなかにも
その人の置かれた立場
(置かれてきた立場?)に自分も立ち
その人の視線で
世界がどのように見えているのか
同じように見てみないと
理解できないものが
たくさんあるように思います。
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『チャングム』第四話 秘策は盗むもの

未熟な子どもたちが
親元を離れて集団生活を
していますし
厳しい社会ですから
ストレスが相当高いです。
目立つ新人は
いじめの対象になったりも
します。
 ―私がDVシェルターで出会った
 ある施設育ちの女性は
 口では言えないような
 いじめが普通にあったと
 回想してました。
しかし
理不尽な用事の中には
いじめではなく
大事なことを悟らせる目的のものも
ありました。
先の記事の水汲みもその1つです。
 ―利発で記憶力のよいチャングムだからこそ
  与えられた高度な課題でした。
松の実と松葉がたくさん与えられ
松の実に松葉を差すように
言われます。
しかも夜なべしごと
さらには電気を消されます。
少しでも明るい場所を
求めて歩きますが
限界があります。
しかし暗闇で出会った上級生が
こっそり教えてくれました。
見ようとするのが間違いだと。
感覚で差すものだと。

上級生も女官の噂話から
こっそり仕入れた秘策でした。
目で見ることも大事ですが
感覚を最大限に呼び覚ますこと
隠された秘密を探そうとする態度は
もっと大事ですね。
PTSD克服にも
それは言えると思います。

『チャングム』第四話 水の汲み方がわかればO.K.  

チャングムは
指導女官に
水を汲んでくるように
言われます。
水くらい誰でも
汲めますよね。
しかし
指導女官は
怖い顔を崩さず
(失望も見せます)
「ダメ。もう一度」
お湯にしてみたり
木の葉を浮かせてみたりしても
ダメ…
泣きそうになりながら
(いじめられている
気もするし…)
わからないと
訴えているうちに
母との思い出にたどりつき
どうしたらいいか
閃きました。
  ←崖っぷちが大事ですひらめき電球
わからない
わからないと
思ってましたが
本当はちゃんとわかって
いたのです。


チャングムは女官に
のどやおなかの調子を細かく質問し
少し塩を入れたお水を
手渡し
「ゆっくり飲んでください」と
言いました。
怖い女官の顔がやさしくなりました。
チャングムは
かつて母がそのように
細かく質問した上で
いろんなおいしいものを
食べさせてくれていたことを
思い出したのです。
まずは相手ありき】ですよね。
当たり前のようで
当たり前でない
誰でも知っている簡単なことです。
しかし
心理治療にも
今これが珍しいものと
なっています。

『チャングム』第三話  PTSDの孤独な闘い

チャングムは
孤児になってしまったのですが
母は臨終の際
言いきかせました。
これからは
今まで教えたことを思い出しながら
自分で判断してゆきなさい
泣いてばっかりいたり
簡単にあきらめてはいけません
と。
父母がいなくなる
しかも殺されるなんて
非情ですが
それをショックを受けながら
慰めてくれる人もなく
癒しながら
生きていくしかない
のです。
でも
あんな可愛い
こどものチャングムでも
トラウマと一人で闘うのですから
大人はできると
決めてかからねばなりません。
宮崎監督が
ポニョに
【如人千尺懸崖上樹】という
最難関の禅の公案を
解かせたのと
似ています。
無理でもなんでもやるのです。
それしかないのです。
そして
チャングムのドラマが生まれた背景には
やはりそういう問題を
大なり小なり抱えた人が
韓国にも日本にも
少なくない事情があると思います。

『チャングム』第三話 世の中が泥棒をつくる

登場人物の一人が
言ってました。
「うまれつきの泥棒はいない。
世の中が泥棒を創るのさ」

そう言って
自分の不正を正当化してるのですが
また盗みはいけませんが
一理ありますね。
『ああ、無情』の
ジャンバルジャンの世界です。
そう言えば
フランスで
極貧の女性が
子どものために
パンを盗んだのですが
裁判所は
無罪にしたという
話を最近耳にしました。
盗みより
貧困が(社会的な)罪である
と。
PTSDの症状のなかにも
その人の置かれた立場
(置かれてきた立場?)に自分も立ち
その人の視線で
世界がどのように見えているのか
同じように見てみないと
理解できないものが
たくさんあるように思います。

『チャングム』第二話 女難の相と自己実現

チャングムの父は
崖から転落したとき

仙人のような
老師から

女難の相が出ていると叫び
宣告を受けた。

第一の女性を
おまえは殺すが
相手は死なない。
第二の女性を
おまえは助けるが
彼女はおまえのせいで死ぬ。
第三の女性は
おまえを殺すが
多くの人を助ける。

物語の流れは
そのとおりであり

廃妃を殺したが
廃妃は死なない。
(実際は死んでいるから
象徴的な意味だろう)

瀕死の女性を助けたが
結婚し
廃妃に関わった
自分と一緒にいたため
狙われ
殺された。

子どもであるチャングムは
父との秘密を守りきれなかったため
(身分を隠して生きていた)
父を窮地に追いやるが
(第二話では逮捕された)

生きるため
宮中にあがり女官になり
サクセスストーリーを
創っていくなかで
人助けをするのだろう。

PTSD克服の過程も
その人個人の
失敗ではないところから
起こった問題の
後始末をするなかで
家庭や社会の常識を壊し
(殺仏殺祖)
そのことで苦しむ人々を
解放し光を与えるようなことが
起こる。
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『チャングム』第二話 母を知らない暴君のトラウマ

王は

観無量寿経の
アジャセ王さながらの

暴君である。

日に日に
そのひどさは増しているが
誰にもとめられない。

これは
母を知らず
周囲から甘やかされた
結果である。

母親に守られ
甘えた記憶のない
寂しさは

トラウマとなり
その人に
一生つきまとう。

悪魔のような
ストレスである。

人々は
王の母君が
廃妃扱いになったのちに
毒殺されたことを
知ったら…と
怖れている。
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『チャングム』第二話  PTSD二世のチャングムの自己実現

チャングムの

父は武官だったとき
不承不承
廃妃の毒殺にかかわり

急性ストレス障害のため
崖から転落し
九死に一生を得た。
(無意識的な自殺未遂)

母は宮廷の女官だったとき
陰謀から毒殺されそうになった
(トラウマになっている)
瀕死のとき
父に命を助けられ

父母は結婚した。

つまり
チャングムは
無念を抱え
宮中を去った両親の子
である。

過酷な運命を背負っているとも
言えるし
PTSD二世として
自己実現
(個性化)しなければ
生きてゆけない
運命
であるとも言える。

自己実現するような個性は
こういう位置にあるのかも
しれない。
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『チャングム』第二話 女難の相と自己実現

チャングムの父は
崖から転落したとき
仙人のような
老師から
女難の相が出ていると叫び
宣告を受けた。
第一の女性を
おまえは殺すが
相手は死なない。
第二の女性を
おまえは助けるが
彼女はおまえのせいで死ぬ。
第三の女性は
おまえを殺すが
多くの人を助ける。

物語の流れは
そのとおりであり
廃妃を殺したが
廃妃は死なない。
(実際は死んでいるから
象徴的な意味だろう)
瀕死の女性を助けたが
結婚し
廃妃に関わった
自分と一緒にいたため
狙われ
殺された。
子どもであるチャングムは
父との秘密を守りきれなかったため
(身分を隠して生きていた)
父を窮地に追いやるが
(第二話では逮捕された)
生きるため
宮中にあがり女官になり
サクセスストーリーを
創っていくなかで
人助けをするのだろう。
PTSD克服の過程も
その人個人の
失敗ではないところから
起こった問題の
後始末をするなかで
家庭や社会の常識を壊し
(殺仏殺祖)
そのことで苦しむ人々を
解放し光を与えるようなことが
起こる。