宗介を助けるトキさん

毎日新聞からです。

PTSD研究家翠雨の日記
トキ:求愛の「枝渡し」確認 3歳の雄と1歳の雌 佐渡

枝をくわえて、雌のトキ(右)に近づく雄のトキ=新潟県佐渡市で、佐々木順一撮影 国の特別天然記念物トキの野生復帰を目指し、09年9月に2回目の放鳥が行われた新潟県佐渡市(佐渡島)で19日、3歳の雄と1歳の雌がくちばしで挟んだ小枝を渡す「枝渡し」をする様子が確認された。トキの求愛行動で、放鳥後、初の「2世誕生」に期待が高まっている。環境省によると、放鳥トキの雄と雌の継続的な枝渡しが確認されたのは初めて。

 雌は09年9月に2次放鳥され、本州に渡った後、同島に戻った。2月7日以降、08年9月に1次放鳥された雄と行動をともにしている。しかし同省によると、この雌は別の3歳の雄と枝渡しすることもあるという。

 トキは繁殖期を迎えると、羽を黒灰色の「生殖羽(う)」に変え、群れから離れてペアをつくる。今回、雄は完全に黒く変色し、雌も首の周りが色づき始めている。同省の笹渕紘平自然保護官は「この雌は1歳とまだ若いが、繁殖に期待したい」と話している。【畠山哲郎】

ポニョの登場人物トキさんですが…

宮崎監督の無意識の中で
いろんな要素が混ざり合って
トキさんの形になったものと思われます。

唯識三十頌には
「はじめは阿頼耶識なり。異熟なり。一切種なり」
とあります。

はっきりしているのは
①監督のお母様の記憶
監督のお母様はトキさんみたいな感じの方だったそうです。

②鳥のトキのイメージ
ニッポニア・ニッポンという
とても日本的な学名ですね。
(ちなみに国鳥はキジです)
絶滅危機の品種で貴重だというのもポイントですね。
ありふれた鳥ではないということです。
ポニョの自己実現の物語ですから

トキは【ツキ】とも呼ばれていたそうで
【月】や【槻】に通じるイメージです。
月は女性的ですし、槻は神聖な木です。

③カタカナの【トキ】という時間があります。
タイミングのような刹那です。
タイミングは英語ですが、
英語を使用する人たちはあまり使わない言葉だそうです。
日本人はよく使用します。
落語の『時そば』に見られますが、
時間と空間を一緒くた【一即多】にする
魔法のようなものです。

【素直】になることが【魔法】だと
どこかで書きましたが、
【タイミング】をつかむことも
【魔法】のようなものです。

いくらよいことでも
場違いではもったいないですね。

ポニョの自己実現は
ありえないような魔法物語ではなく
世の中に普通にある魔法です。

トキさんはいつもは偏屈なばあさんですが
宗介の一大ピンチの時に
急に人格変容し、よいおばあさんになって
宗介を導きました。

そういえば
デイケアでポニョを見て
みんなかわいいねとか言ってるのに
「人面魚だ。津波が来るよ!」と言ってました。
物語は実際そのように展開しているので
女性の知恵というか
勘というかを秘めていて
シャーマンみたいな存在です。

監督は
我々は子どもに時間と空間を提供することしかできないわけだし、
○才のこの時間はこの一瞬しかないと思うが
それにのれないとき
「クソっと思う」
と語っておられました。

のれないときはたいてい
つまんないことを考えてしまったときだからだそうです。
邪魔くさいとか、そこまでしなくていいだろうとか
クミコちゃんじゃないけど、服が濡れるとか…

ポニョを宗介が守り、
その宗介をピンチから掬うのは
トキさんに【象徴】されているような
ものだったわけです。

PTSDに罹患した人たちにも
こんな支援が必要です。

孤立無援の人は
自分のなかに
トキさんのような
みんなに流されず
本質を見抜く目を
養うことです。

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