月別アーカイブ: 2010年2月

ひきこもり克服と内観療法

ひきこもりは
日本文化特有の
病理現象で

無意識にある
複雑な母子関係
【アジャセコンプレックス】
という
極めて宗教的
存在論的な
問いに関する
難問である。

母親が部屋に食事を運ぶのが
外国人からみた
特異な現象の1つである。

内観療法という
心理療法がある。

浄土真宗身調べの方法を
もとに
普通の人にも実践できるように
苦痛なく
シンプルな方法に
工夫されたものである。

基本的には
一週間
宿泊し、
食事や睡眠などの時間以外は
屏風の隅に
閉じこもり
今までのことを
あれこれ
メニューに沿って
回想する。

定期的に
カウンセラーが
やってきて
傾聴するが、

指示したり
教育したりは
一切しない。

すると
本人に
気づきがおこる。
いろいろ悩んでたけど
あーそうかあ!
と自覚が起こる。

すばらしい方法で

宿泊中
こころのこもった
おいしい食事が
提供される。

アジャセコンプレックスと
不思議に対応している。
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アジャセコンプレックスを否認するひきこもり支援

フロイトは
西洋人には
父親との関係から
エディプスコンプレックスがあると
考えた。

古沢平作は
日本人は
母子関係が複雑で
アジャセコンプレックスがあると
考えた。

ギリシア神話と
仏教経典

背後には
宗教観の問題がある。

ひきこもりの支援者は
なぜ
この複雑なコンプレックスを
【否認】し

物理的行動療法的に
部屋から連れだし
教育することしか
考えないのだろうか。

心理療法の王道は
コンプレックスの
【傾聴】ではなかったのか。
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日本特有のひきこもり現象とアジャセコンプレックス

映画『HIKIKOMORI』が
上演される予定である。

映画評で
ひきこもりは
日本の若者特有の
不可解な現象と
説明されている。

海外にも
似た現象はあるが
圧倒的に少ない。

外国人には
母子関係が不思議に映るらしい。

母親が悪いとかそういうことではなく

同じ家にいて
顔をあわせず、
食事だけが運ばれる

『観無量寿経』に
アジャセ王の物語というお話がある。
アジャセという主人公は
母親への複雑なコンプレックスをもち
父親を閉じ込める。
そこへ母親が食事を運び、
父親は生きながらえる。

逆バージョンだが
そんなお話があり、

【アジャセコンプレックス】というものが
日本固有のコンプレックスと
教科書にも書かれている。

河合隼雄没後
このような深層心理から
心の病理に迫るような
豊かな研究は頓挫している。

学会のワークショップからも
撤退した。

あれは
ただの流行だったのだろうか?
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【自力】で自立しようとする【ひきこもり】問題と支援者

朝日新聞では
最近
【ひきこもり】
よく取り上げている。

海外にもないことはないが、
社会問題化しているのが
日本の特徴だ。

なぜなのか。
どうしたらよいのか。

今のところ
ひきこもる人に
粘り強く働きかけ
何とか外に連れ出し、
失われた自信を回復できるような
メニューを提示するというような
方法しかない

興味深いのは

自信がなく
無気力だと思われている
ひきこもりの人たちの多くが、

【自力】で自立するからと
支援を断ることが
珍しくないという
現象だ。

専門家は
いろいろ言ってるけど
年間100人の児童虐待死や
年間3万人の自殺者に
本当に向き合おうとせず
【否認】している。

依存症になった人も
犯罪者として
【自力】で更正する日本の国

彼らはみな
それを深く理解しているのだ。

一個人が
禅問答のような難問に
日々向き合わされ

それを【自力】で解かねば
生きていけない。

そんな切羽つまった状況を
支援者のどのくらいの人が
理解できているのか。

支援する人と
される人の間の
【解離】

はなはだしいと思う。
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朝日新聞オピニオン 【否認】される児童虐待

朝日新聞朝刊
『児童虐待
なぜ国挙げて
取り組まない』
と題して
山田不二子医師の
インタビューが
掲載されました。

趣旨はこうです…

虐待で命を奪われている子どもが
年間50人もいるのです。

何をもって
【虐待】と考えるかを
もっと普通に考えると
100人になります。

感染症で
年間100人死亡したら
国は緊急対策を練るでしょう

それが文化国家というものでしょう。

しかし児童虐待は
どこか放置されています。

山田医師は
それは【否認】という
無意識的な防衛機制によるものだと
指摘しています。

児童虐待死が年間100人なんて
事実は本当は恐ろしいことです。

そんなことはありえないと思いたいし
虐待する人なんかいないと思いたい。
虐待死する子どもなんかいないと思いたい。

無意識的に
なかったことにしてしまう。
それが【否認】です。

記者がきちんと書いてくれました。

「教員や医療関係者には
虐待研修を義務付け
【否認】に負けないプロを
育てることも必要だ」

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メスメルは生きている

メスメルという
内科医がいました。
教会の神父が
磁石でヒステリーを治しているのを見て
マネてみると
神父以上の効果が出て
一大ブームになりました。
実際は
ヒステリーという
ウルトラ外向性により
暗示にかかっていただけなので
治癒したわけではなかったのですが。
普通は
人の話をよく聞いて
判断して
肯定してあげるものですが、
優しいお母さんなんかは
子どもが何か言う前から
「そうそう…それで?」と
非常にオープンな態度で
子どもの話を聞いたりしてますね。
内容なんか聞いてないんです。
ただただ可愛くて仕方がない。
目に入れても痛くないってかんじですね。
こういう人は
振り込めサギに気をつけないといけません。
PTSDはヒステリーですから
この治療関係においては
よほど注意しないと
メスメルとヒステリー女性の構図が
容易にできてしまいます。
加えて
【解離】はお手の物なので
先生のためなら
苦行に耐えようとしますしね。
転移・逆転移の大嵐のなか
まるでカルト集団の教祖みたいに
あがめられている支援者は
平成の日本でも
よく見受けられます。
画期的に映りますが
実際は問題が棚上げされ
後に悪化する場合も
結構見受けられます。
メスメリズムは
今でも生きていますよ。

落語【鷺とり】と『崖の上のポニョ』

『崖の上のポニョ』が
世紀の公案アニメであり
年間3万人の命の絶望が
12年も持続したり
年間100人の子どもが
虐待死している
そんな不安と神経症の時代に対する
緊急メッセージでもある
要するに
普通の人と
公案や禅問答との
関係は明らかだと
幾度か主張してきました。
ポニョが掬われた網のことは
以前に書きましたが
似たようなモチーフを
今日
落語にも
見つけました。
サギをなんとか
だまして捕まえてやろうと謀った男が
空高く連れ去られ
墜落しそうになったとき
目の前の鉄の棒に
かろうじてつかまり
一命を取り留めました。
しかし
高い高い鉄の棒から
どうやって地上に降りたらよいのか
わかりません。
遠いところで
お坊さんたちが
男を見つけ
「人の命を救うは
出家の仕事」と
大きな布団の4隅を
4人で持って
「す・く・ふ・て・や・る」
とのぼりをあげています。
男は喜んで
跳びました。
有り難いことに
無事生還したのですが…
枝雀師匠が叫びます。
「一人助かってぇ
 四人死んだん」
日常のなかで
崖の上に上がって
降りられなくなることがあります。
救いはあるから
よく見て
信じて跳んだらいい
と教えてくれているように思います。
支援者もいのちがけで
支援する必要があります。

PTSDは写るんです!!

昨日の朝日新聞の
『教育の昭和史』

興味深かったです。

「今どきの子どもは!」
「最近の親は!」

とか
よく言いますが

昔からそうなのですね。

パピルスに書いてあったんでしたっけ
「今どきの若者は」と。

それは
言われてみれば
そんな気がしないでもない話ですが

何か報道があるたび
漠然と感じていたことの意味が

今やっと理解できました。

たとえば
【校内暴力】
その嵐は突然、全国一斉に吹き荒れた…」
とあります。

最初は
またマスコミが大げさに劇的に
書いてるのかなと
思っていたのですが、

そのあとの
【不登校】増加とか
【いじめ自殺】とか
【学級崩壊】とか

あまりに
右へ倣え式に
流行
しましたよね。

教師や学校や親や
国や
もしかしたら
子どもに
問題があるのでしょうが、

それにしても
それなら
問題の出方はいろいろでもいいはずなのに
全国で流行
してたんですね。

成人式で暴れたりするのも
同じかな

最初は沖縄の話を聞いて
就職とか大変で
基地の問題なんか考えたら
「おめでとう!」って言われても…
と共感してましたが
(もちろん暴れてはいけません!)
他県でもマネしますからね。

自殺はどうでしょう。

硫化水素
車輪の下

【摂食障害】
【リスカ】
【OD】
みな流行します。

【自閉症】は
かつて話題にされましたが
同じものは今なく
【アスペルガー】などを
【自閉症スペクトラム】とか
呼んでいます。

なんか変ではないですか?

浮かび上がってくるのは
無意識にマネる病気
被暗示性の高い
ヒステリー
です。

消滅したと言われていましたが
【PTSD】として
健在です。

要するに
【PTSD】が多いんです。
そして
PTSDはうつるから
(ウイルスではなく
心理的感染)

そのときの流行で
いろんな症状
になるんです。

アレルギーマーチと一緒です。
アレルギー体質があって
【アトピー】になったり
【喘息】になったり
【花粉症】になったり

歴史から学ぶことも
大事ですね。
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『魔術師マリーン』から学ぶヒステリーとPTSD

TV壊れちゃって
オリンピックすら見ていないのですが…

TV欄は好きです。
学生時代も似たような環境でしたので

自称TVっ子(40代ですが)の先生から
よく叱られました。
「TVと電子レンジは
院生の必需品や!」

それはそれとして…

CS局「La La TV」は
3月8日から
英国ファンタジー
『魔術師マリーン』を
放送予定だそうです。

国の統一のため戦う
アーサー王と
魔術師マリーンの
友情や恋が
描かれているそうですが

そしてメインテーマは
そこでしょうが

私の注目は
舞台である
中世の
憎悪と無知で混乱
する
英国です。

憎悪と無知による
混乱は
平成日本の精神医療そのもので
ヒステリー(PTSD)を
育む栄養満タンの土壌です。

そして
アーサー王は
剣の達人ですが
母を知らないので
さびしいんです

それが人間的深みにもなり
剣の修行に
昇華】された
そんなPTSD物語ではないかと

…妄想しているのです得意げ
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石原都知事のトラウマ? 

昨日朝日新聞からです。

何かと
『?!』って発言の多い
石原東京都知事ですが、

昨日は
「銅(メダル)取って
狂喜する
こんな馬鹿な国はないよ」と

国内の報道を批判しました。

キムヨナ選手の韓国など
他国のような
国を挙げての
英才教育や
社会的バックアップの
凄い国々相手に

【自力】でやれ!
(まあ親御さんの
経済力は相当なものですが)

とはこれいかに…

なんか
戦時中の
ゼロ戦や
精神論
みたいです。

この人も
戦時体験がトラウマになっているのでしょうか?

心理学で【固着】っていうんですが
克服すべき課題が
そのままだと
何か都合悪いとき
そこに舞い戻っちゃうんですよね

でも
国家という重いものを
背負わない人間が早く走れるわけがない

高く跳べるわけない。
いい成績を出せるわけがない」
とも話したそうです。

私も
学会の抄録を
執筆する季節を
迎えましたので

2つ目のご忠告は
肝に銘じて、
心してがんばりたいと思います。

政府の自殺対策
ことごとく失敗ですものね。

しかも
それ【否認】してるし…

国民は優しくて(?)
つつかないし…
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