月別アーカイブ: 2010年2月

船越英一郎さんが、次に崖の上に追い詰めるものは?

PTSD研究家翠雨の日記
亡くなった平野洋子さん
2007年8月夏ごろのお姿です。
2006年
自らの闘病生活の体験をもとにした
小説『梅一夜』で湯河原文学賞最優秀賞を
受賞しています。
湯河原温泉「旅荘 船越」の
女将兼経営者となったのはこの17年前
長時間にわたる重労働の無理がたたり、
パニック障害とうつ病を発症したと
いうことになっています。
受賞作について彼女は
「小説ですけれど、
「限りなくノンフィクションに近いフィクション」。
とくに病気の部分は、ほぼリアルに再現しています」
と語っています。
1つの貴重な症例として
私たちはここから学ばねばなりません。
しかしこう続きます。
「…でも普段の私を知っている方からは
『あなたが病気だなんて、ウソでしょ!?』って。
それほど、病名の認知度とは別に、
正しい情報は知られていないんです」
この素朴な疑問が
問題の核心だと思います。
まずはっきりしているのは
うつ病ではありえない
ということですね。
パニック障害という診断については
以下のように語っています。
「昔は「【不安神経症】と呼ばれていました。
突発的な動悸やめまいなどの発作に繰り返し襲われ、
再発への恐怖心にとらわれる精神障害のことです。
うつ病との併発率が高く、
そうなると自殺願望との闘いです。
医師によれば
「辛い病ですが、それ自体が悪化して死ぬことはない」
そうです。
でも実際は、
突然の発作に心臓はバクバク、
息はできない、勝手に涙が出てくるわで、
このまま死んでしまうのではないかと思うほどです」
うつ病と言っているのは
パニック障害と言っているものの
結果ですね。
うつ病は内因性の病であって
心因性の病ではありませんから
うつ病ではなく
うつ状態ですね。
これはこの方が間違っているとかいう
小さな問題ではなく
日本の精神科医の大半が
本当にまちがっていたり
まちがいには気づいているが
何かを守るために
(同僚か上司か家族か地位かプライドか…)
まちがいだと言わない、
その一方で
『車輪の下  平成日本版』が
描かれている
それが現状です。

闘病はまさに【自力】です。
「発作をおさえる薬を飲んで、
布団をかぶって寝るしかないのですが、
そこで「もうひとりの自分」との闘いがあるんです。
「お前のような価値のない人間は生きている資格がない。
さっさと死ね」という声が、
どこからともなく聞こえてくるのです」
「真面目で几帳面、完璧主義の
性格が災いしてるんです」と
性格のせいにしてみたりしますが、
「自分で自分がコントロールできなくなってしまうんです。
この病気の対処法は「薬」と「周囲の理解と支え」、
それから「完全な休養」です。
しかし
これらだけでは
どうにもならなかったのです。
船越英一郎さん
精神医療と心理療法を崖の上に追い詰めて
自白させてください。

松居一代さんの補佐により
正義感とクリーンな科学性の欠如
が逮捕される可能性大です。
そういえば…
松居さんにも
PTSDの克服歴
がありますね。
PTSD克服者はPTSDで苦しむ人々を救う使命があります。
そのために結婚されたのです。

「国際伝統医学センター」にイタイイタイ病資料館設置

PTSD研究家翠雨の日記石井隆一知事は15日、
富山市友杉の県有施設「国際健康プラザ」を
活用すると発表しました。
汚染された土壌の復元事業が終わる
2011年度末までの完成を目指します。

資料館を置くのは、
国際健康プラザにある
「国際伝統医学センター」です。
鉄筋コンクリート2階建てで
延べ床面積は1166平方メートルあり、
今後改修します。
県健康課によると、
健康プラザ全体では、
フィットネス施設を中心に
年間で延べ30万人ほどの利用がある一方、
伝統医学センターは
セミナー室などがあるが
あまり利用はないそうです。

イタイイタイ病は
公害を原因とする病の集団発生です。
身体的痛みに加えて
多くのトラウマを発生させたことでしょう。
ASD(急性ストレス障害)も多くあったと
推測されます。

患者さんの病は
未知のもので
周囲の人たちの不安は
さまざまな憶測を生み、

患者さんたちの
こころの痛みは
まさに霊的な痛みにまで
達したことでしょう。

歴史の中で
こういうことが
確かに存在したのだという
遺跡を残すことは
とても重要だと思われます。

PTSDを否認しないためです。

認め、忘れないことが
大事です。

PTSDの恐ろしさは
否認したり
忘れようとしたりすると
倍増するところにありますから。
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龍馬伝にもみられる非暴力の哲学

NHKで『龍馬伝』が
放映されています。
龍馬が生きた時代は
厳格な身分制度への不満渦巻く
江戸時代後期の土佐藩ですね。
龍馬は下級武士の子でした。
ある日、
身分が上の武士に
ぶつかってしまい、
怒りを買って
切り殺されそうになったと言います。
なんという
恐ろしい世の中でしょうか。
子どもなのに…
龍馬はどんなに恐ろしい思いをしたでしょうか。
母親幸のこころはどんなに凍りついたことでしょうか。
母親はとっさに
土下座して無礼をわび
刀を下ろさせたそうです。
この恐怖体験が
龍馬の原体験となり
長い時間をかけて
「身分などない
誰もが対等な世の中が
きっと来る」
そういう信念に
昇華しました。
ダライラマに通じる
非暴力の哲学ですね。

DV克服は非暴力の哲学

チベット仏教最高指導者のダライ・ラマ14世が
6月に長野市を訪れるのを受け、
同市の会社員ら有志が14日、
チベット問題の勉強会を市内で始めました。
 
勉強会は、
昨年4月に
市内で
チベット問題に関連する映画の上映などをした
グループのメンバーの一部による主催です。
この日は、
ダライ・ラマの自伝やチベット亡命政府の資料を基に、
ダライ・ラマが1959年に
インドへ亡命したいきさつなどを学びました。
DV被害の克服は
ダライ・ラマの抱える難問と重なります。
それは
非暴力の哲学です。

車輪の下ではなく崖の上に行こう!

ル・グウィンの『ゲド戦記』には
日本版が必要でしたし
アンデルセンの『人魚姫』は
『崖の上のポニョ』に
書き直す必要がありました。
ではなぜ
ヘルマン・ヘッセの
『車輪の下』は
こうも
恐ろしく
日本的なのでしょうか。
ヘッセは
『シッダールタ』(原題:Siddhartha)
という作品を書いています。
PTSD研究家翠雨の日記
釈迦の出家以前の名前を借りて
求道者が
悟りの境地に至るまでの
苦行や経験を描いたものです。
ポニョでも
公案に取り組むのですから
PTSDに罹患し
そこから脱出するには
求道者でなくても
悟らなければならないのです。
そういう意味では
お釈迦様もポニョも
瀕死状態の3万の命も
なんら違いはありません。
『車輪の下』に行かずに
崖の上に行きましょう。
漱石の『門』も
崖下をやめるお話でしたね。

ゲド戦記 ―日本版

4年も前の話になりますが…
アーシュラ・K・ルグウィンの
『ゲド戦記』が
スタジオジブリによって
アニメ化されました。
PTSD研究家翠雨の日記
これを見た
ル・グウィンは
絵は美しいが、
物語のつじつまがあわないし、
原作にはない
【父殺し】は気まぐれだし
人間の影の部分は
魔法の剣で振り払えるようなものではないと
強い違和感を表明しました。
日本での観客動員数は
公開後20日くらいで
421万7千人(東宝による)
だったそうですから
駄作だったとは
到底考えられません。
『崖の上のポニョ』が書かれたのは
人魚姫への違和感でした。
ル・グウィンが
【父殺し】を気まぐれと感じたり
物語につじつまのなさを感じるのは
文化差によるものでしょう。
父子関係と言えば…
フロイトのエディプスコンプレックスは
『ギリシア神話』と西洋人のこころの問題です。
フロイトに学んだ
古沢平作は
日本人には
エディプスコンプレックスではなく
親鸞の『教行信証』にみられるような
アジャセコンプレックスが
問題であると
考えました。
宮崎駿監督の実子
吾郎氏による監督で
こんな問題が表出したのは
なかなか
【象徴的】な現象であったと思います。
PTSD治療でも
このことは
重要な鍵になると思います。
PTSD研究家翠雨の日記

ケタミン吸引の詩音被告に刑猶予 麻薬使用罪

2010/02/15 16:44 の【共同通信】 からです。

PTSD研究家翠雨の日記

合成麻薬「ケタミン」を吸引したとして、
麻薬取締法違反罪に問われた韓国籍の女性歌手詩音(本名朴有香)被告(26)に
横浜地裁(杉山正明裁判官)は15日、
懲役1年、執行猶予3年(求刑懲役1年)の判決を言い渡した。

詩音被告は判決後、
報道陣に「絶対にもう一度歌えるようになる。
待っていてくれるファンのために頑張る」と話した。

この日の初公判で結審、即日判決が言い渡された。
杉山裁判官は判決理由で
「刑事責任は軽くないが
社会内での更生を期待できる」と述べた。

詩音被告は起訴内容を認め、
検察側は冒頭陳述で「仕事が急激に増え、
ストレスを発散させるため
ケタミンを使うようになった」と指摘した。

判決によると、
昨年12月9日ごろ、
横浜市中区の自宅でケタミンを吸引した。

詩音被告は
2004年から出身地の横浜市で音楽活動を開始。
08年5月発売のデビューアルバムは、
音楽情報会社オリコンのランキングで
9位を記録するなど若者に人気だった。

本人が言ってますね。
ストレスが原因で薬物に手を出したと。
薬物依存も【PTSD】の結果だということです。

これは心理療法の対象ですから
海外では
刑務所ではなく
治療所に送られます。
それを拒否したとき
はじめて刑務所に行くのが
グローバルスタンダードです。

政情不安のアフガニスタンでも
それは常識です。

日本は厳しい国です。

何でも
【根性】で直すことを強要されます。

のりピーの釈放時の
きりっとしたあの表情は
その決意の表れだと思いました。

治外法権の
厳しい国で
つべこべ言わず
がんばるから
日本人は
凄いのかもしれません。

でも…
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北新地の高級クラブ、7800万円脱税

2010年2月15日 20:12 グーグルニュースからです。

大阪国税局は、
大阪・北新地の高級クラブ
「マダム小阪」の経理担当者(60)を
所得税法違反の疑いで
刑事告発しました。
 
関係者によると、
マダム小阪では
現金で支払った売り上げを計上しない手口で
08年までの3年間に約2億円の所得を隠し、
約7800万円を脱税した疑いが持たれています。

 
告発された経理担当者は
クラブの経営者の夫で、
「水商売はいつ店を閉めるかわからないので、
将来のために財産を残しておきたかった」と
話しており、
隠した所得を預金やマンションの購入費に充てたと言います。

不景気と言いながらも
まだまだ
潤っている産業はあるのですね。

それは本当に必要だからでしょう。

現在日本では
ユング派の資格を取得しても
お客さんが来ないので
大学教員に応募する人が続出です。
医師免許を持っていても
例外ではありません。

PTSDに罹患しても
「ここに行けば大丈夫!
是非行きなさい!
なぜ行かない?!」
そう言える場所がないなら

代替品が必要…
一に酒場
二にアルコールの自己処方
三にOD

四の薬物は危険度UPするが

入院もハードル高く
ODは同じこと…しょぼん
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うつ病自殺、上司言動が一因と認める判決?!

2010年2月15日22時23分 YOMIURI ONLINE からです。

「日本通運」大阪旅行支店(大阪市中央区)に
勤務していた大橋均さん(当時56歳)が
うつ病となり、
自殺したのは
退職強要が原因だったとして

妻ら遺族3人が
同社に
計約5000万円の
損害賠償を求めた訴訟の判決が
15日、
大阪地裁であった。

 
田中敦裁判長は
「自殺は予見できなかった」としたが、
上司の言動がうつ病の一因になったことは認め、
慰謝料約330万円の支払いを命じた。

判決によると、
大橋さんは
2004年6月にC型肝炎で入院。
翌月、うつ病になり、
06年11月に自殺した。

田中裁判長は、
大橋さんの入院前後に、
上司が「自分から身を引いたらどうか」などと
発言したことについて、
「精神面を含む健康管理上の安全配慮義務に違反する」と
指摘した。

日本通運広報部は
「判決内容を検討して対応を決定する」
としている。

これが現在の日本の常識です。

「自殺は予見できなかった」
というのは正解です。
本日の他の記事に書きましたように
PTSDによる結果的自死です。
自分のなかの他人による殺害です。
世間では自殺と呼びますし、
自分で自分に刃を向けるのですから
確かに自殺でいいと思いますが…

しかし
「上司の言動が自殺の一因になった」
これはどうでしょうか。

うつ病は内因性の病気
内因のない人は
どんなにいじめられても
死にそうな恐怖を味わっても
決してうつ病にはなりませんし、
うつ病の治療(抗うつ剤を正しく飲んで休養する)で治癒するはずです。

C型肝炎という病気に罹患したことは
ショックでしょう。
その上で退職まで強要されたら
どうしていいのかわからなくなります。
家族のことを思うと
パニックになりそうなトラウマを体験したかもしれません。

これはやはりPTSDでしょう。

上司の言葉を
「精神面を含む健康管理上の
安全配慮義務に違反する」と
指摘したのは正しいと思いますし、

そういう配慮のない世間に対し
模範例になる判決理由です。

しかし
心因反応としてのうつ病
これはいただけません。

この誤解から
多くの命が
『車輪の下』
なのですから…
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C.G,ユングと日本のユング心理学

PTSDはつらく
どうして
こんな理不尽な目にあわなければならないのかと
罹患者はみな思います。

これからどうしたらよいのか
途方に暮れます。

今、自分が置かれている不幸の意味について
立ち止まって考えなければ
一歩も進めません。

これは存在論そのものです。

PTSDに巻き込まれた人は
誰でも哲学者になります。

哲学は哲学者の専売特許ではありません。
宗教は信者の専売特許ではありませんし、
頭ごなしに信じるだけのものでもありません。

臨床心理学の歴史は
浅く
哲学や宗教から派生したものです。

だから
C.G,ユングは言いました。
「心理療法の最高の目的は
患者を
ありえない幸福状態に移そうとすることではなく、
彼に
苦しみに耐えられる強さと
哲学的忍耐を可能にさせることである」

なのに
現在の日本のユング派は
哲学や宗教を
【否認】する。

PTSDを発達障碍や適応障碍とみなし
教育しようとする。

なぜだろう?
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