月別アーカイブ: 2010年2月

公式とその理解ではなく想像力と好奇心

『冬のソナタ』の第一話です。

冬ソナ=PTSDの教科書と知り、
第一話だけ見てみましたが、
これだけでもいろんなことを
教えてくれています。

チュンサンは高校生ですが、
父親はある大学の数学の教授ではないかとの疑いのもと
講義中の教室に向かいます。

大学生にも難しい問題を
彼は黒板ですらすら解きました。

一般的な解答法ではなかったので
驚いた教授が
「どこで習ったのか。あれ君は高校生じゃないか」と
さらに驚きます。

チュンサンは、数学で大事なのは
「公式とその理解ではなく、想像力と好奇心でしょう」
と答えました。(言葉自体は教授のモットーとする言葉です)

「公式とその理解ではなく、想像力と好奇心」は
PTSD克服にも言えます。

ポニョの記事で書いたように
問題は【公案】並みの難問なのですから
常識(公式はすでに教科書にあるものです)では解けないですね。

そして
難問の解答のしかたに興味はもっても
自分(チュンサン=教授の息子)には気づかず、
どうして問題が解けるのかについて考えようとしない
つまり
ちょっと想像力と好奇心を働かせば、目の前にいる青年が
自分と血のつながりがあるかもしれないと気づきそうなものなのに
これだけ判断材料があるのに!と
チュンサンは失望します。

これも交通事故や記憶喪失に至る原因の1つになっていたかもしれません。

お父さんも【解離】あるいは【否認】を起こしているのですね。

知能とは別のものであることも教えてくれています。
数学の教授ですから
頭が悪いはずがないのに
簡単なことがわからないことがあるという一例です。

判断能力の【解離】
過去のフクザツな対人関係に関する記憶についての【否認】ですね。
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袋小路に入ったDV問題に付加される若年化

2010年02月10日早朝
宮城県石巻市の住宅に男が押し入り
室内にいた3人を刺し
女性を連れて逃亡するという凶行が発生した。
刺された3人のうち、2人の女性は死亡し、男性1人は軽症を負っている。
まもなく逮捕され、女性は保護された。
犯人はなんと18歳少年で
保護された女性との間に最近子どもが生まれている。
交際は破綻していたが
少年がストーカー行為をやめないので
DV問題として警察に相談しており、
少年は警察官から警告を受けている。
殺害されたのは女性の姉と姉妹の知人である。
この家にはほかに女性の母親と祖母が住んでいる。
少年を知る男性によると、
少年は母親と妹と3人暮らしで
「小、中学生のころからよくけんかをするなど、カッとなりやすい性格だったが、
最近は大きな問題事件は起こしていなかったとのことである。
DV問題の解決に何の進展も見られないなかで
18歳少年による事件まで起こってしまった。
保護された女性の精神的負担は限界を超えているだろう。
①(事実上の)結婚が破綻したショック
②これからの人生を考えるストレス
③日常的な押しかけによる多大な心的ストレス
④事件によって味わった恐怖感
⑤姉と友人が殺害されたというショック
⑥犯人が子どもの父親であるというショック
精神的な意味においてもしっかり保護してあげてほしい。
彼女もまたPTSDに立ち向かっていくという
大変な負荷を負わされてしまった。
何の落ち度もないのに
理不尽さがDV問題の本質である。
犯行は【解離】によるものだろう。
自傷・他害にはいろんなパターンがあるはずだが、
【模倣】されるのがこの国の現状だから
袋小路に入ったDV問題が
若年化という問題も抱えていく前兆を感じずにはいられないこの事件の加害者が
【解体工】であったというのは
【象徴的】な気がする。
単なる妄想であってほしい…

『星の王子さま』の呑んだくれ

呑んだくれは
なぜ呑んだくれなのでしょう?

『星の王子さま』にも呑んだくれが出てきます。

インタビューしてみましょう。

王子さまが酔っ払いに何をしているかと質問すると、
「呑んでいるんだ」と悲しそうです。
楽しくないんですね。

楽しくないのにどうして飲むのかと質問すると、
「忘れようとしているんだ」と言います。
やっぱり依存症の背景には【否認】があるんですね。

王子さまが、何を忘れようとしているのかと質問すると、
「恥ずかしい気持ちを忘れようとしているんだ」と言います。

何が恥ずかしいのかという質問には
「呑んだくれているのが恥ずかしいんだよ!」と怒り、黙り込んでしまったので、
王子さまは当惑しながら立ち去るしかありませんでした。

心理療法でも
依存症には【ことば】による【論理療法】は無効です。
呑んだくれは普通の会話をする分には
善良で陽気な市民って感じで
「酒ばっかり呑んでたらあかん。やめんとなあ」とか
「先生のおっしゃる通りっ!」っと大変調子がいいですが、
(来談時もどうも呑んでる。つきあいでとかなんとか言って自分の意思で呑んだことは【否認】)

それは【否認】の内容の入り口までの話で
それ以上核心に踏み込もうとしたら命がけで防衛します。
怒りは代表的なものです。

星の王子さまは、酔っ払いに短時間会っただけで
とても憂鬱な気分になってしまったと言っています。

酔っ払いからは【金太郎飴】のように【否認】が出てきます。
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『冬のソナタ』の呑んだくれ

『冬のソナタ』に
酔っ払いが出てきます。

飲んだくれて
ユジンに「来い!」と絡みます。
嫌がるユジンに対して
しつこく腕力で連れ去ろうとします。
チュンサンが通りかかって危機を回避しましたが…

警察署で、
酔っ払いはユジンが誘ってきたから
お酒くらいなら一緒につきあってもいいかと思ったんだと言います。

悪い大人ですね。
しかし街中で日常的に起こっていることでもあります。

高校生にとっては事件もショックなら
しゃあしゃあとうそをつく大人もショック
警察官の尋問もショック
父親に電話しなさいとしかられる理不尽もショック
ショックだらけです。

ユジンはチュンサンと一緒だったけど
たった一人で
もしかしたら小学生で
こんなショックを受けている子も少なくないはずです。

PTSD増加の背景がたくさん浮き彫りになってきます。

そして酔っ払いですが…
これも依存症ですね。
依存症の背景にはやはりPTSDがありますね。
何の理由もなく依存症になったりしないです。
最近
父親自死のトラウマから依存症になり
国際的にその重篤度を証明したあと死亡した大臣がいました。

ドラマの呑んだくれも
何らかのつらい経験があったのでしょう。
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『冬のソナタ』のチュンサンとポニョ

『冬のソナタ』の続きですが…

チュンサンはユジンと自分がきょうだいかもしれないと知り、
ショックを受けました。

母親は亡くなった父親についての話を避けています。
チュンサンにも父親については不問のまま封印して生きることを望んでいます。
これがチュンサンの家族(母子)の共通の物語です。

しかし父親がいないというのは
寄る辺なく、さびしいものですね。
父親がいる子どもが遭遇しないようなフクザツな思いを積み重ねることにもなります。
(こころに深みは出るでしょうが)

第一話では
事件に巻き込まれたチュンサンとユジンに警察官は
はやくお父さんに電話しなさい、なぜしないか!と怒ります。
最後の最後に二人はぽつり「いません…」と答えます。
ユジンの父親は病死、チュンサンの父親は不明です。

「そんなことで!」と否認しがちですが
また必ずトラウマになるというものでもありませんが、
頭ごなしの否認に再考を促しているような気もしました。
子どもたちのこころは思いのほかフクザツなんですよと。

さみしい思いや複雑な思いをした子は
もはや【母の物語】を共有することはできず
【自分の物語】を生きなければならなくなります。
これが【自己実現】あるいは【個性化】の物語です。

実はポニョも同じです。
父フジモトは人間に失望し、海の底に住んでいます。
そしてポニョを海の底に閉じ込めます。
かわいいからですが、ポニョはそれが嫌で家出をするのです。
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『冬のソナタ』はPTSDの教科書だった…

読売TVで『冬のソナタ』の再放送をしてるなあと思っていたら、
今日は最終回だった。

韓流ブームはもう終わったのかなと思っていたけど、
まだまだのようです。

人気の秘密は何かなあと考えてみて

びっくり!

そうっかあ
冬ソナってPTSD物語じゃないか目

幸せの絶頂にいたのに
交通事故で恋人が死亡してしまう。
悲哀のなか気持ちをたてなおして新しく生き直そうとしていたら
死亡したと思っていた恋人が現れる。

叫びしかも彼は記憶喪失&解離により別人になっている。

実は、交通事故に会う前に
解離を起こすほどのショックを彼は受けている。

若き日の母が、出会ったばかりの自分の恋人の父親と手をつないでいる写真を見つけたのだった。
父親を知らず、母も教えてくれないから、密かに父親探しを始めた矢先に出会った恋人が、実のきょうだいかもしれないという事実はあまりにショッキングだ。

ユジンは悲哀に絶えながら現実を生きているから正気を保っている。
そういえば彼女はいつも少し高いところでバランスを取りながら歩くのを好む女の子だった。

チュンサンは、ショックのあまり現実から逃避(黙って海外へ)しようとした結果、
交通事故に遭い、記憶喪失という名の解離性健忘を起こした。

否認したらPTSDに呑み込まれるから、つらくても逃げてはいけないんですね。

チュンサン(罹患者)もつらいが、ユジン(親しい人)もつらい。
また周囲の人間関係も複雑になる。

PTSDの教科書そのもののような『冬ソナ』
PTSD蔓延の世の中で心に響き続けるは当然でしょう。
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『食堂かたつむり』もPTSD物語

PTSD研究家翠雨の日記
柴咲コウが演じる女性は
蓄えを恋人に奪われ
失語症になって
実家に舞い戻り、
離れを改装して念願の食堂を始める。
失語症の原因はショックな出来事ですから
PTSDの物語ですね。
失語症は…
器質的に問題があるわけでもなく
言葉を覚えられないから話せない【知的障害】のではないので、
【解離】ですね。
消えた診断名【ヒステリー】の症状は
失立・失歩・失声  ~何かができなくなってしまう。
意識を失うなどです。
PTSDは昔ヒステリーと呼んでいたものだと思います。
世の中にPTSDが多いのだと思います。
うつの物語は、最近ないですね。
本当は、実際にも珍しいんだと思います。

公式とその理解ではなく想像力と好奇心

『冬のソナタ』の第一話です。
冬ソナ=PTSDの教科書と知り、
第一話だけ見てみましたが、
これだけでもいろんなことを
教えてくれています。
チュンサンは高校生ですが、
父親はある大学の数学の教授ではないかとの疑いのもと
講義中の教室に向かいます。
大学生にも難しい問題を
彼は黒板ですらすら解きました。
一般的な解答法ではなかったので
驚いた教授が
「どこで習ったのか。あれ君は高校生じゃないか」と
さらに驚きます。
チュンサンは、数学で大事なのは
「公式とその理解ではなく、想像力と好奇心でしょう」
と答えました。(言葉自体は教授のモットーとする言葉です)
「公式とその理解ではなく、想像力と好奇心」は
PTSD克服にも言えます。

ポニョの記事で書いたように
問題は【公案】並みの難問なのですから
常識(公式はすでに教科書にあるものです)では解けないですね。

そして
難問の解答のしかたに興味はもっても
自分(チュンサン=教授の息子)には気づかず、
どうして問題が解けるのかについて考えようとしない
つまり
ちょっと想像力と好奇心を働かせば、目の前にいる青年が
自分と血のつながりがあるかもしれないと気づきそうなものなのに
これだけ判断材料があるのに!と
チュンサンは失望します。
これも交通事故や記憶喪失に至る原因の1つになっていたかもしれません。
お父さんも【解離】あるいは【否認】を起こしているのですね。
知能とは別のものであることも教えてくれています。
数学の教授ですから
頭が悪いはずがないのに
簡単なことがわからないことがあるという一例です。
判断能力の【解離】
過去のフクザツな対人関係に関する記憶についての【否認】ですね。

『星の王子さま』の呑んだくれ

呑んだくれは
なぜ呑んだくれなのでしょう?
『星の王子さま』にも呑んだくれが出てきます。
インタビューしてみましょう。
王子さまが酔っ払いに何をしているかと質問すると、
「呑んでいるんだ」と悲しそうです。
楽しくないんですね。
楽しくないのにどうして飲むのかと質問すると、
「忘れようとしているんだ」と言います。
やっぱり依存症の背景には【否認】があるんですね。
王子さまが、何を忘れようとしているのかと質問すると、
「恥ずかしい気持ちを忘れようとしているんだ」と言います。
何が恥ずかしいのかという質問には
「呑んだくれているのが恥ずかしいんだよ!」と怒り、黙り込んでしまったので、
王子さまは当惑しながら立ち去るしかありませんでした。
心理療法でも
依存症には【ことば】による【論理療法】は無効です。
呑んだくれは普通の会話をする分には
善良で陽気な市民って感じで
「酒ばっかり呑んでたらあかん。やめんとなあ」とか
「先生のおっしゃる通りっ!」っと大変調子がいいですが、
(来談時もどうも呑んでる。つきあいでとかなんとか言って自分の意思で呑んだことは【否認】)
それは【否認】の内容の入り口までの話で
それ以上核心に踏み込もうとしたら命がけで防衛します。
怒りは代表的なものです。
星の王子さまは、酔っ払いに短時間会っただけで
とても憂鬱な気分になってしまったと言っています。
酔っ払いからは【金太郎飴】のように【否認】が出てきます。