月別アーカイブ: 2010年5月

静岡DV被害を相談しながら死亡した女性に学ぶ現場の問題

静岡県御殿場市で
久松紘子さん(26)が
遺体で見つかった事件で

久松さんが行方不明になる前に
児童相談所に
「夫からDV(配偶者等暴力)を受けている」
などと相談していたことが
分かった。

 
県警御殿場署捜査本部は
遺体が発見された
空き家の家主でもあった元夫(43)
=詐欺罪で起訴=が

事件に関与しているとみて
事情を聴いている。
 
町役場によると
久松さんは2月3日
同県の東部児童相談所に

「夫(当時)からDVを受けている。
逃げたい」

「子供だけでも保護してほしい」
などと相談。

同相談所は
久松さんが当時住んでいた
清水町役場に話をするよう勧めたが
久松さんは町役場には来なかったという

推測の域を出ませんが、
被害女性がよく誤解されることについて
書こうと思います。

「相談を断ったんでしょう」とか
「DVシェルターあるでしょう」
という非難めいた言葉です。

本人が聞いたら
二次被害になるような
誤解です。

DVシェルターの運営方針というものが
ガチン!と決まっていて
町役場の対応などは
そこから逆算されマニュアル化された
対応になっています。

町役場に行けば
DVシェルターがどんなところか
勘のいい被害女性は
なんとなく気づいている
ようです。

気づいた上で仕方なく
流される場合も
多いと思いますが

そんな人達が
そう教えてくれました。

「ふりかえってみれば
はじめから…
そうだったよねぇ」と。

私はいつも
代わりに謝ります。

情報社会ですから
最近はどんなところか
知って行かない選択をする人も
多いようですよ。

そこを行政はつかんでいないと
思います。

つかんでくれたら
芋ヅル式に
心理療法もよくなるのになぁ
と思います。

虐待で逮捕された母親が
相談を途中で中断していた事件も
おそらくは
同じことでしょう。
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愛知の家族5人殺傷事件の殺人容疑は処分保留

愛知県豊川市伊奈町
会社員岩瀬一美さん(58)方で
家族5人が刺され
2人が死亡
岩瀬さん方が半焼した事件で

殺人と殺人未遂容疑で送検された
長男の高之容疑者(30)を

名古屋地検は
7日付で処分保留としました。

 
責任能力の有無などを
調べるため
鑑定留置を検討

しています。

一方
県警は
高之容疑者を
現住建造物等放火の疑いで
再逮捕しました。

健常者の起こした
一般の事件として
扱うには
大分無理があったのですね。

あとはPTSDや解離に
どれだけ近づけるか

さらには
この事件から
どれだけ国民が学べるかでしょう。

何をか?

もちろんPTSDです。
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最澄の理想像かぐや姫と心理療法

比叡山を開かれた
伝教大師・最澄
(でんぎょうだいし・さいちょう
767-822)の

著書『天台法華宗年分学生式
(てんだいほっけしゅうねんぶんがくしょうしき
=山家学生式)』は

日本天台宗を開かれるに当たり
人々を幸せへと導くために
「一隅を照らす国宝的人材」を
養成したいと
熱意をこめて
著述されたものです。

「国宝とは何物ぞ
宝とは道心(どうしん)なり」

竹の一隅を照らしていた
かぐや姫は

翁に発見され

自己実現
(個性化の過程)を
バクシンし

竹林で発見されたときより
さらに偉大な光明に
迎えられ
大変容
しました。

これが国宝
なのです。

摂食障害という
PTSD症状の何たるかを
理解しようともせず

うそつき扱いして
自己実現の過程を邪魔することで
国宝を台無しにするような
心理療法家は
国賊です。
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チベット仏教の光明思想とかぐや姫

チベット仏教では

死は悲しみではなく
終わりでもない。

死は変容であり
形がかわるだけ。


死の瞬間から
にじみ出てくる
光明に包まれ

空と一体になると
魂の救済が進む。

これって
かぐや姫のラスト
そのものだし

かぐや姫の名前からして
輝く光明の【象徴】

煩悩の種を残していたので
この世で修行し
自分が誰であったのかを
思い出し
仏性としての
光明を取り戻したのでしょう。

これが
日本人の自己実現モデルでなくて
何でしょう。

かぐや姫をわがまま扱いして
凡夫に合わせさせる
心理療法は
どこから考えても変です。
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風の絵師第18話⑥ PTSDの謎解きに必要な度胸と反逆心

師は度胸があり
主人公は
問題児
反逆児
として
有名になってしまいました。
でも
集合的無意識
(普遍的無意識)の
常識を超えるには
そういう才覚が必須アイテムです。
ポニョにも通じる
ことです。
PTSD研究家翠雨の日記
PTSD研究家翠雨の日記
妹たちに先んじて
父の家に閉じ込められているのが
嫌で
家出したのです。
父親からしたら
問題児ですが
父親も最後はポニョを認めました。
聖書にも
「あなたは父の家を出て
私の示す場所に
行きなさい」
という神の声が出てきます。

風の絵師第18話④ PTSDの怒りは取り扱い注意!

PTSDから
離脱しつつある
主人公は
父母を殺した人物に雇われ
その人物のために
絵を描いていたことを
知り
怒りから
その人物を殺そうとしますが

師が
友を殺された自分だって
今すぐ殺したいが
「激情にかられて
うかつに動いたら
危険だ」と
制止します。
PTSDにおける
怒りには注意しましょうねニコニコ
怒りの抑圧はいけませんが
(まあ無理でしょうが)
怒りに任せて行動することは
アクティング・アウト
(行動化)
です。
じっくり内的に
取り扱ったのち
必要なら
慎重に行動にうつすべきでしょう。
(もちろん暴力はダメです)

風の絵師第18話③ リカちゃんハウスのままごとみたいな箱庭療法

主人公の師は
言います。
よい師はよい弟子を創る。
よい弟子は師を理解する。
でもそれだけではいけない。
弟子は師を越えなければ
ならない。
キリスト教文化と
違うところです。
ビルシャナ仏の頭の上を
超えて行けというような
【超凡越聖】です。
 
宗教と芸術と心理療法は
同じ思想の上に
展開
されています。
今の臨床心理学は
ユングや
河合隼雄を超えるどころか
理解すらできていません。
そんな思想で行う
箱庭療法や絵画療法は
ままごとです。

箱庭がリカちゃんハウスだから
かぐや姫も
わがままでうそつきにしか
見えないのです。

風の絵師第18話② 無表情と【解離】

$PTSD研究家翠雨の日記
美人ですが
ちょっと怖いです。
無表情だからでしょう。
この人は
画廊の主人の
護衛武士
情けや哀れみなど
感情を持たないのだと
主人は言います。
情けや哀れみなど
あっては
人を容赦なく斬ることは
できないでしょう。
【解離】させているのか。
PTSDで
【解離】した人物を起用したのか。

風の絵師第18話 ① 心理療法に欠けている井筒俊彦【象徴】を観る眼

主人公は
画廊の主人に言います。
「芸術家の
目に見えるもの
耳に聞こえるもの
感じられるものがある」

西洋哲学と東洋思想を
抱合した
井筒俊彦も
こんなこと書いてました。
「【易】の聖人の意識は、
広い意味での
シャーマン的意識。
そういう意識に直結した
特殊な目で
彼は外界をみる。
その彼の目に
事物は幽玄な象徴性を帯びて
現れてくる」
  ―『意識と本質
    ―精神的東洋を索めて』p210
ユング心理学に出会っても
これがわからないから
デタラメな
分析をして
心理療法ばかりか
人間の魂さえ
台無しにするのでしょう。