朝日新聞『獅子頭』第二百四十一話 心当たりがない

気のよい二順も
幸子の横暴さに
ついてゆけなくなって
家出したのですが
 ―同じPTSDとは
 思いにくいですネ。
 傲慢と気弱のカップル目

面白いのは
幸子には
家出のこころあたりが
ない
という
ところです。

「世間話してたら
急に出て行かれた」と
本気で言っています。

読者はみな
家出理由を知っていますから

【否認】が起こっていて
気づかなかったのでしょう。

母親は
「家出する」と言った
二順の前に
とっさに立ちはだかりましたから
(無意識的には)
わかっているはずです。

人をみくびり
その場その場で
場当たり的に生きてこなければ
ならなかった人間が
身に着けた【鈍感さ】です。

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