神奈川県座間市で
9人を殺害した容疑者(27)は
ツイッター上で
「首吊り士」と名乗っていましたが
三島由紀夫が
1968年(昭和43年)に書き始めた
作品の主人公も
三流新聞の求人欄に
「命売ります」と広告し
結果的には
いつも自分が生き残り
依頼者らを死なせてしまうことを繰り返していました。
妄想につきあううちに
認知症が治ったりしますが
(PTSDだったからですが)
死の間際なんです。
三島没後45年の2015年に突如売れだし
2016年にベストセラーとなり
ドラマ化されたそうです。
広告代理店勤務のコピーライター
山田羽仁男(27)は
ある日突然
新聞紙の活字がみなゴキブリに見えるようになり
カフカの変身がさらに複雑に?
世の中が無意味と感じます。
離人感ですね。
睡眠薬自殺をしようとしますが失敗
ますます空っぽな自由な世界がひらけて苦しいので
誰かに殺してもらおうと考え
「命売ります」という
広告を出すようになりました。
事件同様
主人公を利用しようとする人間たちが湧いてきて
殺人秘密組織にまで狙われるようになると
だんだんと死の恐怖を感じるようになり
あってもなくても辛い離人感
根本治療しないと振り子のように揺れるだけ
交番に助けを求めますが
住所不定ということもあり
「命を売る奴は
刑法を犯していないが人間の屑だ」と言い放たれ
留置所での保護すらしてもらえませんでした。
今の警察はこういう発言をしないと思いますが
主人公の救われなさには
ある種のリアリティがあります。
精神科に送られなかったのはよかったですけどね。
座間の容疑者も
来月から精神鑑定だそうです。