第159回直木賞受賞作品ですが
精神分析でいう
父親殺しがテーマです。
でも
殺害したのは女の子で
エディプス(男)コンプレックスではない。
主人公の臨床心理士が謎を解いてゆきます。
10代から臨床心理学に興味があり
いつか「精神分析」で小説を書きたかった。
登場人物はみな
心の闇を抱えていて
それを作家は
「心の傷」「トラウマ」と明言したうえで
トラウマが問題になるのは
フロイトの精神分析の領域であり
今はPTSDと呼ぶ。
トラウマがない人にもわかる作品を書いたと語ります。
主人公のように
自分のトラウマがわからない人が多いが
傾聴すれば
抑圧したものが浮かび上がる。
主人公は
女子大生で
リスカと虚言癖が顕著だという設定です。
一般にはリスカを見ると
激しく感情が動くものですが
主人公の母親は
「鶏に襲われた」という主人公の話を
あの子はぼうっとしているから
変な怪我が多いのだと
鵜呑みにし
トラウマを与えた父親と娘の関係にも
性被害PTSD予防は人類の大問題
見て見ぬふりをして助けないことで
本人を追い詰めてきました。
こういうことが多いと
精神科医や臨床心理士に取材して知った。
学校だけではなく家庭にも傍観者がいる。
主人公は
臨床心理士から
トラウマに関する質問をされても
よく知っているはずなのに
「え❓」という反応ながら
『なぜそんなこと訊くの❓』
隠すつもりはないので
答えているうちに
矛盾点が浮かび上がり
精神分析でも「脱線」を分析してゆきます。
偶然と片づけていたことが
無意識による【抑圧】
加害者によって仕組まれたワナであったことに気づきだし
受け止めがたい事実
「気持ち悪い」という言葉が出てきますが
「ムカつく」と片づける程度を超えたもの
なぜ今そう思ったのかわからないと
混乱し涙が出てきます。
こんな作品を仕上げることができた作家さんは
びっくりしたことがあるそうですが
そのせいか
一度離婚して同じ人と再婚
婚約したとき
「酔ってたのかも」とのことです。
主人格は居眠り中(-_-)zzz
お酒が好きで
受賞のお祝いにもお花ではなくお酒が届くほどだそうです。
飲むと
訊きにくいことも遠慮なく質問できるのは
プチ解離の有効利用かもしれず
『思い出のマーニー』
親切心からとはいえ
土足でズカズカ侵入され
太っちょ豚!とつい本音💦
軽い多重人格性が
執筆に貢献しているのかもしれません。
この作品も
脳内多重人格の話