詩集「悪の華」などで知られる
象徴主義詩の始まりとされ
世界中の詩人たちに多大な影響を与えた。
19世紀のフランスの詩人
シャルル・ボードレールが
24歳の時
恋人に宛てて
自殺する意志をつづった手紙が
「あなたがこの手紙を受け取る頃には私は死んでいるだろう」
「これ以上生きられない
眠った後に再び目が覚めることにもう耐えられないので
命を絶つ」
競売にかけられ
23万4000ユーロ(約3000万円)で
落札されたそうです。
実際は未遂に終わり
46歳で梅毒で死亡したのですが
脳神経を冒され言葉も失う。
なぜこのような人生になったかと言えば
やはり「PTSD問題」でした。
父親は晩婚だったので
ボードレールが6歳のときに亡くなり
1年半後母親が再婚したことに深く傷つき
義父が亡くなるまで
ボードレールは36歳
エディプス・コンプレックス様の鬱屈とした感情を
抱えるようになりました。
20歳になると
亡父の遺産を散財するようになったことから
散財も依存症だが
父親が親しんだ芸術の世界に浸りたかったのだろう。
母に会いたいと哭いたスサノヲのように。
強制的に遠洋航海に出されたり
21歳で逃げ出したトラウマがあるのか
当時の文学者にしては珍しく
海外旅行はほとんどしなかった。
23歳で禁治産者として弁護士の監視下に置かれたりするようになり
今回落札された手紙を書くような心境になったようです。
このあと創作が認められ出しますから
しっかり絶望し
しっかりした遺書を書くことには
(死なずに済む)
治療効果があると言えるかもしれません。
「退廃」「アンニュイ」は時代を映したかもしれませんが
PTSD発症の原理は普遍的なものです。