『御上先生』も卒業式で
最終話
御上先生が派遣された教室が
文科省の官僚で
天孫降臨みたいなので
おかみと呼ばれている。
『君たちはどう生きるか』みたいな
御上先生は
やたらと
「君たちは…」と語りかける。
哲学の場所であったことを振り返ります。
吉野源三郎作はおじさんとの対話
宮崎駿作は深層心理との対話
『御上先生』は教室での生徒たちとの対話
古くて新しいテーマから
正しい戦争はあるかと問いかけてみる
論理的思考は成立しないわけで
必ず自己矛盾にぶつかり破綻する。
目的は答えを出すことではなく
教科書的な
正論や
机上論を言ってみてもどうしようもない
― 不思議 思議しない世界
考え続けることであって
個性化の過程とか〇〇道みたいなもの
そのなかにいることは
― 心理療法のゴール
忍耐力を有することだが
生徒たちはそれが身についていた。
― ユングのいう心理療法の目的の1つ
ハッピードラッグ(パキシルの別名)じゃなくて
それが世の中を変えるし
世間を騒がせた大事件が
― PTSD解離犯罪
自分たちの足元から起きていたことを知った。
― 脚下照顧
未来に続くと言い
登場人物はやたらと生きるという言葉をつかいます。
一生罪悪感を背負っていく友達に
「生きてくれ」
殺人の罪を背負った子どもと向き合うために
お母さんは「健康でいる」
考え方が変わると
人間関係もいつのまにか変わっているもので
投影返しが起こり幻も見なくなる。
― マーニーが消えるように
支えつづけるから生きてくれと言い
「俺たちそんな関係だったっけ?」と返された
友だちみたいじゃないかと
御上先生は
これからなるんだよと言い
ものごとは
整ってくると
成るように成っていく
戦争があるようなどうしようもない現実だけど
「友だちを見つけます」
― 二河の譬えより
「僕は行く」と歩いてゆきます。
外からは恵まれた環境にいるようにみえても
それぞれ苦悩を抱えていて
― 抱えず解離したズルい大人は逮捕された。
その苦悩をさらに深めるなかで
哲学的忍耐力をつけていて
この過程は楽しかったと振り返りながら
幸福感をかみしめていた。
そういえば
ドラマの伏線の1つ
子どもたちには驚くほど考える力があったわけですが
よく見ていないとわからないような
小さな変化に気づくには
文字通りよく見ていないといけないし
そんな風に少しずつ変わってゆく可能性があると
信じる力が大事だというようなことも
いつか河合隼雄が心理職に必要だと言っていたこと
脚本家は忘れずに取り入れていました。