臨床哲学本2冊で臨床心理学のおさらい

若くしてがんに罹患した女性哲学者が

2011年

多発性がんにより

「急に具合が悪くなる可能性がある」と宣告される

博士号を取得した翌月から

「個体性と邂逅の倫理 : 九鬼哲学の射程」

(人間科学)

他界するまで

1歳年上の女性人類学者と

フィールドワークを主戦場に

文化人類学、医療人類学の研究

手紙のやりとりを行ったものが

それぞれが十通

逝去後

2019年7月22日午前9時過ぎ

42歳で逝去

書籍化されたものが

来年映画化されるそうです。

医療現場では

マニュアルが流通しているわけですが

ケアする人とされる人と関係は固定

こういう病気で予後はこうなるからこうすると

未来も固定

そこから抜け出して

 ハイデガー@「存在と時間」

「死はたしかにやってくる。しかし今ではないのだ」

死が確実だからといって

その未来だけから今を照らすようなやり方は

そのつどに変化する可能性を見落とし

未来をまるっと見ることの大切さを忘れてしまう

哲学的対話をすることで

「かつて遠い遠い時間に出会った人と出会い直している」

「魂の分け合いの物語」

「この書簡が始まって(略)二ヶ月。

でも私にはこの二ヶ月が五年くらいに感じられ」

自分の人生を生きるまでの物語で

未来はまったくわからないけど

「運命を生きるとは

こんな世界へとダイブすることであり

そのとき私たちはこの世界がさまざまな偶然という出会いから

自分を見出し

新しい『始まり』が生まれてくることを知ることができます」

<宮野にしか紡げない言葉を記し

それが世界に届いたかを見届けるまで

絶対に死ぬんじゃねーぞ〉に答えた。

なんとなく

『君たちはどう生きるか』の

主人公とアオサギみたいな関係により

偶然出会ったばかりの

この二人も価値観は真逆で

人類学者は結構遠慮なくタブーに切り込む

哲学的忍耐力が維持されました。

傾聴を支える信頼関係

痛みを前に言葉は無力だけど

それでも言葉を紡ぎ出だそうとする。

がんに限定されない

心理療法のおさらいみたいな映画になるでしょう。

臨床哲学の本も出版され

業界もリニューアルされるといいですね。

一度このあたりに立ち戻って

さらに進化する。

この本の親戚みたいな感じの2冊

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