チャングムは
いじめで封鎖された村にいたのですが
見捨てられた怒りで
一杯一杯になった
村人たちの目には
逃げ出した医官と
チャングムは同じに見えます。
それで
殺そうとします。
―殺してどうなるかなんて
考えません。
「このまま争って
死にますか?」と諭され
少し冷静になって
病を治してもらったほうが
得策だとわかっても
少ない医薬品を
取り合い
盗み
調達できないなら
殺すとさえ言います。
冷静に観察すれば
村の病人は何割かであって
全員ではないのですが
「国が滅びる」とわめきます。
―目の前の世界が
全宇宙です。
主観が100%です。
「元気な人を集めて
コケをとってください」とか
「食器を熱湯消毒してください」と言っても
きょとん…
自分たちのできることを
しようという発想はゼロです。
パニックになった
人間の思考回路が
よく表現されています。
逆境にあるときこそ
冷静にならねば
命がありませんね。
如人千尺懸崖上樹とは
よく言ったものです。
逆境での
絶望と甘えを同時に廃止させるため
宮崎駿は
『崖の上のポニョ』を
描きました。
幼いチャングムも
ポニョも
それを超越したのです。
大人にできないはずは
ありません。
『チャングム』第四十話 集団ヒステリーとパニック思考
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