「私たちの知らない太古から
人類は
悲哀と悔恨の感情
とりかえしのつかない
喪失感
戦慄と恐怖の感覚などの
記憶にさいなまれてきた。
しかし
19世紀以後
100年のうちに
新しい型の
苦痛な記憶が出現した。
これが
それ以前の記憶と違うのは
〈外傷性〉という
それまで同定されていなかった
心理状態を発生源とし
これまた
それ以前には知られていなかった
型の忘却である
〈抑圧〉と〈解離〉とに
リンクしていることである。
この新しい記憶が
今日もっともよく知られているのは
心的外傷後ストレス障害
(PTSD)という精神の病いと
結びついている場合である」
―これも中井久夫先生
ユング派の人たちは
中井久夫先生の話をすると
露骨に嫌がるから
コンプレックスがあると思う。
かつての尊敬の対象でありながら
否認せざるをえない
葛藤
心的苦痛の扱いに
―キュブラー・ロスのチャートは
ベストセラーになった。
受容とか
抑圧とか
―フロイトの時代
解離とか
―今はこれが多い。
流行があるということですね。
―PTSDじゃない人は
流行に乗らない。
否認する人は
流行の存在を
毛嫌いする。
こういう人たちも
「成人アスペルガー」とか
さらに拡大解釈しながら
発達障害が増えていると言い続けてますが
少しは危機感もあるようで
「解離性障害」との二本立てに
移行しつつあります。
―ただしこちらはよく理解できてないし
発達障害ブームを維持するには
治療例を出せない。
しかし
解離性障害じゃ
一面的であり
場当たり的研究になってしまい
時代を超えて
鑑別診断できないんですよね。
精神科とか心療内科じゃなくて『PTSDの医療人類学』
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