第8話に登場するのは
重度のアルコール依存症男性で
【否認】が巧みさが見事に表現されています。
まずは
ノリがとてもよいです。
ケースワーカーの名前が
「よしつね」なので
「うしわかまるちゃんだ?」
「じゃあ僕はベンケイ」
軽く諌められても
「気にしてくれてんの?ちょーうれしい?」
思い通り動かないと
「塩対応ぅ?」と表面的にかわし
治療されないように対人的距離をとります。
飲んでなくても
酔っている=解離している。
飲酒しすぎて倒れ
入院させられても
飲酒できないとつらいので
「もう大丈夫」
「医療費無駄遣いするわけにいきません!」と
妙な正論で防衛しますが
専門家に囲まれ
勝ち目がないと判断すると
「はいはい」
「あなたの顔立てましょ」と言いながら
「権威に弱い」と知られているので
断酒会には専門家がいない。
断酒会も今風で断薬の会みたい。
流行に敏感なひとたちなので
見かけ上の姿を変える。
勝手に退院し
「契約」等ができないひとたち
即飲酒
断酒会を勧められても
「アル中じゃないし」
病気に対して真っ向から【否認】の勇ましさは
確かにベンケイかも
「働きたいだけなんで?」
「取り組むって何に?」
「どうすればいいの?」と
当たり前の質問攻めをして
新人ケースワーカーを疲弊させます。
どの症例でも
新人は
足元にある常識がグラグラする不安を覚えながら
PTSDのひとたちの住む世界
先輩から
認知行動療法のように
最近あまり聞かないけど
流行遅れに?
一筋縄でいかないことを学び
自殺に追い込んだトラウマから
テキトーになった先輩もいる。
支援グループのメンバーから
患者さんの気持ちを教わり
症例についての入門書を手に取って
一から学ぶことになるようです。
しかし
その間にも
患者さんは
トラウマエピソードを漏らしたりしながら
家族ができたので
ホストをやめて
真面目に働こうとした矢先に
社長がトンズラしたショックから発症した。
いきなり断酒して働き始めたりします。
こころと行動が裏腹で
焦りすぎ
断薬だけをするときと同じで
心理療法がないとキツイらしい。
悪夢にうなされるようになり
忘れようとしていた記憶が蘇ったり
ケースワーカーの目に娘を見て暴れたりするので
転移だが
外からは幻覚妄想にみえる。
PTSDなど夢にだに見ないケースワーカーは
不思議の国のアリス状態になります。
脚本家さんは
こういうPTSD事情をすべて知った上で
書いているんですよね。