『かぐや姫』」カテゴリーアーカイブ

朝日新聞『獅子頭』でメスメリズムの復習を!

メスメルにまつわるできごとは
【メスメリズム】
と呼ばれる
心理学史上
とても有名で
重要な事件です。
治療法が素晴らしいからではないですね。
①ヒステリー(解離)という現象の存在
②ラポールの大切さ
を浮き彫りにし
【動物磁気】は使いませんが、
【催眠療法】が生まれ、
それが
人類最古の心理療法である
【瞑想】と密接に結びついたものであることなど
心理研究の可能性を広げる
いろんな示唆を
与えてくれたからです。
せっかく
メスメルが
身を挺して
いろいろ教えてくれたのに
現在は
①解離を知らず 
【うつ病】
【躁うつ病】【バイポーラ】
【適応障害】【発達障害】
【人格障害】
と誤診し
②ラポールを定石とせず
上から目線で
ご神託を述べては
かぐや姫の
反撃に遭遇する。
朝日新聞夕刊の
連載小説
『獅子頭』を読んで
考えましょう!

かぐや姫と華厳の癒し

ポニョが掬われた網と
華厳の網の関係について
すでに書きましたが、

フツーの人のこころのなかに
本当はそういう
癒しのメカニズムがあるんですね。

それを感じてもらうために
仏像や仏画があるのだと思います。

PTSD研究家翠雨の日記

でも
「仏像なんか古くさ!」
「抹香くさいお説教ならまっぴらごめん」
なんていう人もいるから
(案外若者はそうでもないのですが…)

『崖の上のポニョ』など
アニメも必要なのですね。

ところが
心理療法でこのようなことが
常識になっているかといえば
残念ながら
こんなことを言っているのは
少数派です。

ある摂食障害のケースの話ですが、
ご多分にもれず
【かぐや姫イメージ】などが
表現されています。

輝く姫ですから
光源氏と並んで
華厳的で高貴な存在ですね。

しかし
まったく傾聴してもらえません。

高貴な方を
上から目線で指導するものですから
攻防が続き

そのうち
華厳の
セーフティネットワークのイメージが
出現しました。

最後の砦である
病院のスタッフが一丸となって
小さな女の子の訴えを
弾き飛ばすのですから

そういう子こそ救う
イメージが無意識に働くのです。

寒さと貧しさとDVの恐怖にさらされた
瀕死の
『マッチ売りの少女』の脳裏に浮かんだ
幻想の癒しみたいなものでしょうか。

しかしそれが
仏教的に解釈されることはなく、
そこでもらったダイヤモンドについて
女の子はとても意味を感じているのに
子どもにふさわしくないと
断罪されたりしています。

まるで継母ですね。

ダイヤモンドは金剛石で
不屈の精神のイメージでしょうに。

立派な子だと思います。
そういう子が
ポニョのように
華厳の網に引っかかるのでしょう。

しかし
心理療法の基本中の基本である
【ラポール】と【傾聴】は
どこに行ったのでしょうか?

命が助かればそれでよいのでしょうか?

みんなでよってたかって
これが
DVというものではないか
と思います。

この論文は
学会奨励賞を受賞し
受賞者は
学会理事として
後進を指導しています。

【車輪の下数珠つなぎ】の絶望は
こんな巨大なシステムに支えられているのです。

ただ
かぐや姫の多くは
根性があり

めったに病院に行かないのが
唯一の救いです。

治癒した人の殆どは
やはり
【自力】です。
続きを読む

かぐや姫と華厳の癒し

ポニョが掬われた網と
華厳の網の関係について
すでに書きましたが、
フツーの人のこころのなかに
本当はそういう
癒しのメカニズムがあるんですね。
それを感じてもらうために
仏像や仏画があるのだと思います。
PTSD研究家翠雨の日記
でも
「仏像なんか古くさ!」
「抹香くさいお説教ならまっぴらごめん」
なんていう人もいるから
(案外若者はそうでもないのですが…)
『崖の上のポニョ』など
アニメも必要なのですね。
ところが
心理療法でこのようなことが
常識になっているかといえば
残念ながら
こんなことを言っているのは
少数派です。
ある摂食障害のケースの話ですが、
ご多分にもれず
【かぐや姫イメージ】などが
表現されています。
輝く姫ですから
光源氏と並んで
華厳的で高貴な存在ですね。
しかし
まったく傾聴してもらえません。
高貴な方を
上から目線で指導するものですから
攻防が続き
そのうち
華厳の
セーフティネットワークのイメージが
出現しました。
最後の砦である
病院のスタッフが一丸となって
小さな女の子の訴えを
弾き飛ばすのですから
そういう子こそ救う
イメージが無意識に働くのです。
寒さと貧しさとDVの恐怖にさらされた
瀕死の
『マッチ売りの少女』の脳裏に浮かんだ
幻想の癒しみたいなものでしょうか。
しかしそれが
仏教的に解釈されることはなく、
そこでもらったダイヤモンドについて
女の子はとても意味を感じているのに
子どもにふさわしくないと
断罪されたりしています。
まるで継母ですね。
ダイヤモンドは金剛石で
不屈の精神のイメージでしょうに。
立派な子だと思います。
そういう子が
ポニョのように
華厳の網に引っかかるのでしょう。
しかし
心理療法の基本中の基本である
【ラポール】と【傾聴】は
どこに行ったのでしょうか?
命が助かればそれでよいのでしょうか?
みんなでよってたかって
これが
DVというものではないか
と思います。
この論文は
学会奨励賞を受賞し
受賞者は
学会理事として
後進を指導しています。
【車輪の下数珠つなぎ】の絶望は
こんな巨大なシステムに支えられているのです。
ただ
かぐや姫の多くは
根性があり
めったに病院に行かないのが
唯一の救いです。
治癒した人の殆どは
やはり
【自力】です。

楊逸『獅子頭』とかぐや姫

朝日新聞で
22日から始まる
新連載小説は
『獅子頭』

中国人作家の
楊逸(ヤンイー)さんの作品です。

スターを目指して勉強していた主人公は
演技中の落下による怪我のため
精神的な後遺症から
舞台に立てなくなります。

これもPTSD物語ですね。
体力も知力も並外れて
優れている人でも
罹患することがあるということが
そろそろ世間でも
常識になるといいなと期待します。

面白いのは
失意のなかで
いつか食べた肉団子【獅子頭】の味を
思い出し

料理人として再生しようとするところです。

崖っぷち、瀕死の状況のなかで
何かつかみ
一転
個性化の過程をバクシンしていく
そういう物語のようです。

つかむものは人それぞれですが
食べ物は重要モチーフの1つですね。

世界三大宗教の開祖は3人とも
【断食】により常識を超えましたし
通過儀礼や修行では【断食】をしたりします。
こころが大きく変化するときは
そんなこと知らないはずなのに
【摂食障害】になったりします。

摂食障害の人のなかには
人にご馳走を作って振舞うのが好きな人も多いです。

かぐや姫やポニョでも
違う世界に行くとき
食べ物が変化します。
♪あかいべべ着た可愛い金魚は
どうですか?
夢から覚めたらご馳走されるんでしたね。

この作品の主人公も
常識の壁にぶつかりながら
変化していきます。

【PTSD】【食べ物】【常識】
これらは密接な
かかわりがあると思います。

摂食障害の心理療法では
かぐや姫のイメージが
よく出てきますが、
わがままだとして
傾聴してもらえないことが多いようです。
続きを読む

かぐや姫とわがまま

『22才の別れ』という曲は

伊勢 正三による作曲で
1974年(S.49)、
フォークトリオ“かぐや姫”のアルバム
「三階建ての詩」に収められた曲ですが、
75年に伊勢正三さんと大久保一久さんのデュオ
“風”が歌ってシングルヒットしました。

ギターを爪弾き始めた高校時代には
思いもしなかったことですが、

DV研究をしていると
詩がなんだか意味深です…

(1) あなたに「さようなら」って
     言えるのは 今日だけ

  明日になって またあなたの 暖かい手に
  触れたら きっと 言えなくなってしまう
     そんな 気がして
  私には 鏡に映った あなたの姿を
     見つけられずに

  私の 目の前にあった 幸せに
     すがり付いてしまった

(2) 私の誕生日に 22本のローソクを立て
  ひとつ ひとつが みんな君の
     人生だねって言って
  17本目からは 一緒に火をつけたのが
     昨日のことのように
  今はただ 5年の月日が 永すぎた春と
     言えるだけです
  あなたの 知らないところへ
     嫁(トツ)いでゆく 私にとって

(3) ひとつだけ こんな私の わがまま
     聞いてくれるなら
  あなたは あなたのままで
     変わらずにいてください そのままで

かぐや姫をわがままと
断罪するのは
これは男性的発想なのかな

なんか演歌の世界みたいで
気持ち悪い。

そんな幻想こそ
許されるはずがない。

時代錯誤です!
続きを読む

楊逸『獅子頭』とかぐや姫

朝日新聞で
22日から始まる
新連載小説は
『獅子頭』
中国人作家の
楊逸(ヤンイー)さんの作品です。
スターを目指して勉強していた主人公は
演技中の落下による怪我のため
精神的な後遺症から
舞台に立てなくなります。
これもPTSD物語ですね。
体力も知力も並外れて
優れている人でも
罹患することがあるということが
そろそろ世間でも
常識になるといいなと期待します。
面白いのは
失意のなかで
いつか食べた肉団子【獅子頭】の味を
思い出し

料理人として再生しようとするところです。
崖っぷち、瀕死の状況のなかで
何かつかみ
一転
個性化の過程をバクシンしていく
そういう物語のようです。
つかむものは人それぞれですが
食べ物は重要モチーフの1つですね。
世界三大宗教の開祖は3人とも
【断食】により常識を超えましたし
通過儀礼や修行では【断食】をしたりします。
こころが大きく変化するときは
そんなこと知らないはずなのに
【摂食障害】になったりします。
摂食障害の人のなかには
人にご馳走を作って振舞うのが好きな人も多いです。
かぐや姫やポニョでも
違う世界に行くとき
食べ物が変化します。
♪あかいべべ着た可愛い金魚は
どうですか?
夢から覚めたらご馳走されるんでしたね。
この作品の主人公も
常識の壁にぶつかりながら
変化していきます。
【PTSD】【食べ物】【常識】
これらは密接な
かかわりがあると思います。
摂食障害の心理療法では
かぐや姫のイメージが
よく出てきますが、
わがままだとして
傾聴してもらえないことが多いようです。

かぐや姫とわがまま

『22才の別れ』という曲は
伊勢 正三による作曲で
1974年(S.49)、
フォークトリオ“かぐや姫”のアルバム
「三階建ての詩」に収められた曲ですが、
75年に伊勢正三さんと大久保一久さんのデュオ
“風”が歌ってシングルヒットしました。
ギターを爪弾き始めた高校時代には
思いもしなかったことですが、
DV研究をしていると
詩がなんだか意味深です…
(1) あなたに「さようなら」って
     言えるのは 今日だけ

  明日になって またあなたの 暖かい手に
  触れたら きっと 言えなくなってしまう
     そんな 気がして
  私には 鏡に映った あなたの姿を
     見つけられずに

  私の 目の前にあった 幸せに
     すがり付いてしまった
(2) 私の誕生日に 22本のローソクを立て
  ひとつ ひとつが みんな君の
     人生だねって言って
  17本目からは 一緒に火をつけたのが
     昨日のことのように
  今はただ 5年の月日が 永すぎた春と
     言えるだけです
  あなたの 知らないところへ
     嫁(トツ)いでゆく 私にとって

(3) ひとつだけ こんな私の わがまま
     聞いてくれるなら
  あなたは あなたのままで
     変わらずにいてください そのままで

かぐや姫をわがままと
断罪するのは
これは男性的発想なのかな
なんか演歌の世界みたいで
気持ち悪い。
そんな幻想こそ
許されるはずがない。
時代錯誤です!

かぐや姫を救え!

摂食障害とかぐや姫には密接な関係があることが知られているわけですが、
摂食障害に苦しむ人は
『私はかぐや姫かあ』
と知っても少しもうれしくない。

ましてや
【わがまま】【知的障害】扱いされて
適応指導されるなんて…

『私はアリスか?』
病院にはトランプの女王とか時間厳守の車掌とか(ルイス・キャロルの『鏡の国のアリス』より)
わけわからないのばかりいて
多数に無勢
負けそう!

実はかぐや姫も現実で結婚(現実でみんなと同じように適応)させられそうになり
『ダメかも…』と気弱になるシーンがあります。
気弱になってもあきらめないことが大事ですね!

牛島定信『神経性無食欲症にみるかぐや姫コンプレックス』(季刊精神療法 1987)を紹介しましたが、かぐや姫と摂食障害の関係について知られてからもう20年が経過しています。

もうそろそろかぐや姫の本心を誰か理解してあげないと…

古典のかぐや姫も摂食障害に苦しむ人たちも
もうこれ以上待てません!
続きを読む

摂食障害とかぐや姫イメージ

摂食障害とかぐや姫には密接な関係があることが知られています。
牛島定信『神経性無食欲症にみるかぐや姫コンプレックス』(季刊精神療法 1987)なんかに書かれています。

食べないというより
食べられない…。
なぜでしょうか。
ゆっくり考える必要があります。

たとえば…
人間は食べなくては生きられないという常識の一方で
【断食】する人々もいます。

世界三大宗教の開祖はみな
断食をすることで
新しい宗教を創造しました。

それで修行や通過儀礼ではよく断食をします。
1つの【魔法】みたいな【秘儀】なんですね。

われわれの無意識は経験したことだけでできているわけではなく
(呼吸の仕方を習ってから生まれてきましたか?)
何か行き詰ったら断食せよ!とあらかじめインプットされているのです。

整形逃亡の果てに逮捕された市橋容疑者は2週間も食を拒否しました。
食べなかったのではなく
食べられなかったのですね。
【急性PTSD(ASD)】です。
逮捕されたのがショックだったんですね。
食べ方がわからないのではなく、PTSDという原因があって、【解離】のために食べられなかったのです。

摂食障害の心理治療は個性化の過程として取り扱われるべきですが、
残念ながら市橋容疑者同様【わがまま】扱いがまかり通っています。
(もちろん犯罪はいけませんが、
現在の本人の行動までがすべて間違っているわけではありませんね)

せっかくかぐや姫のイメージが表現されて
『先生、私はかぐや姫なんです』
と打ち明けても、
本来あるべき静かに輝く月の世界に返してもらえない(個性化されない)で
知的障害・適応障害に嵌め殺される。
『食べ方くらい知ってますよお!』
『わがままじゃないですよお!』
叫ぶ声が聞こえてきます。

そういうわけで摂食障害の人たちはあんまり病院に行かないのです。
死にたくないからです。
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かぐや姫を救え!

摂食障害とかぐや姫には密接な関係があることが知られているわけですが、
摂食障害に苦しむ人は
『私はかぐや姫かあ』
と知っても少しもうれしくない。
ましてや
【わがまま】【知的障害】扱いされて
適応指導されるなんて…
『私はアリスか?』
病院にはトランプの女王とか時間厳守の車掌とか(ルイス・キャロルの『鏡の国のアリス』より)
わけわからないのばかりいて
多数に無勢
負けそう!
実はかぐや姫も現実で結婚(現実でみんなと同じように適応)させられそうになり
『ダメかも…』と気弱になるシーンがあります。
気弱になってもあきらめないことが大事ですね!
牛島定信『神経性無食欲症にみるかぐや姫コンプレックス』(季刊精神療法 1987)を紹介しましたが、かぐや姫と摂食障害の関係について知られてからもう20年が経過しています。
もうそろそろかぐや姫の本心を誰か理解してあげないと…
古典のかぐや姫も摂食障害に苦しむ人たちも
もうこれ以上待てません!