ジブリ『かぐや姫の物語』」カテゴリーアーカイブ

『かぐや姫の物語』正法眼蔵の「華成道」PTSD克服個性化の過程

『優曇華』に
「世尊成道より已前にあり
世尊成道と同時なり
世尊成道よりものちにあり
 ―要するに
 永遠のリセット法がある。
これによりて
華成道なり」と
あります。
かぐや姫も

釈迦の前世である雪山童子が
釈迦に生まれ変わるきっかけとなった
如人千尺懸崖上樹の精神を

 ―崖の上のポニョは永遠のリセット法
思い出して
 ―瀕死の状態で自我が滅却され
 集合的無意識にある記憶が
 呼び起された。

華にまみれて

 ―華成道は
 いわゆる花道でしょう。
月に還ります。

『かぐや姫の物語』「華開世界起」でPTSD克服自己実現

イメージに癒され
元気を取り戻し
 ―PTSDは気の病

崖から
一歩進めば
 ―百尺竿頭一歩進めよ

一太極二陰陽の
華厳の世界が開けます。
華開世界起と
『優曇華』にあります。
この作品は
『正法眼蔵』だらけです。

PTSD克服物語『かぐや姫の物語』の天風姤と『古事記』

『古事記』では
イザナミとイザナキが出会ったとき
女性のイザナミから声をかけたので
骨のないヒルコが生まれました。
 ―表舞台から消えた子
 
男(陽)が与え
女(陰)が受けるという
陰陽五行説の原理を無視したから
お話にならなかったのです。
 ―差別的な意味はまるでなし

しかし
この物語では
媼が声をかけ
翁が答えます。

五陽一陰の象徴である
かぐや姫だから
こうなるのでしょう。
 ―女性(陰)の力が強い。


確かに
月に還ってしまいますが。

『かぐや姫の物語』PTSD克服のカギとなる仏性



竹林は
蔓延るものの象徴ですから

集合的無意識です。
 ―気づきや悟り、自覚は
 天から与えられたように感じるが
 記憶の中にある。

無意識の記憶のなかにある
仏性に気づいた人から
 ―日々
 なんとはない竹から
 あらゆるものを創作していたので
 (表現は大事)
 
個性化の過程が始まります。

『かぐや姫の物語』禅問答は命がけ(PTSD発症リスク)

石上中納言も
かぐや姫について
純粋に
表現し

正直に探したのですが

どこまでも
現実で
対応しようとしたので
 ―公案なのだから
 架空
 空にかからねばならないのに
 現実の虚空から
 転落してしまった。
高所から転落
腰の骨を折って
死亡してしまいました。
これには
かぐや姫も傷つきます。
 ―意地悪やわがままで
 試しているのではなく
 真剣勝負なので

エリートというのは
現実適応がよいタイプの最たるものなので
 ―5人の貴公子
みんな落第しました。
かぐや姫に照らされて
 ―象徴
現実というものが観えてきます。

『かぐや姫の物語』PTSD解離性幻覚で生命の危険

大伴大納言は
かぐや姫を
このように
例えたばかりに

それをつかんでくるように言われ
正直に海原に向かいますが
荒れ狂う海に
龍を見て
 ―幻覚

自分の目が
龍の玉のようになってしまいます。
これまでの3人のように
嘘偽りがないのは
よいですが
まっすぐなだけでも
公案は解けないですね。
 ―常識ではない。
ユング心理学では
アニマは危険とか
妙に強調されたりしますが
 ―ローレライのようなイメージ
女性が悪いのではなく
自我が強くない男性にとっては
女難の相になるからです。


一般の人が
破滅するのも
内なるアニマのせいです。
 ―そのように行動させられる。

『かぐや姫の物語』PTSD解離性恋愛依存症

石作皇子も
偽物の
仏の御石の鉢を
持って押しかけます。
かぐや姫に対し
自然豊かな
楽園のような場所に
一緒に行きましょうと
誘いますが

隠れて聞いていた
北の方が
ご立腹むかっ
 ―お持ちになっておられるのが
 仏の御石の鉢

いつもこの手で
女性をだましていたことを
かぐや姫に知られてしまいます。

かぐや姫という
象徴を前に
自らのアニマを投影させられ
 ―男性の中の女性性
恋愛依存症と診断されました。
ちょっとした
なんちゃって哲学とか語って
女性をたぶらかす
不埒な輩は
いつの世にもいますね。

『かぐや姫の物語』PTSD解離性逆ギレ

阿部右大臣も
偽物を献上しますが

嘘がバレて

逆ギレしてます。
かぐや姫の
与えた課題は
公案であり
常識では解けない難題です。
ヒントは
正法眼蔵
『弁道話』に
「丙丁童子来求火」とあります。
丙は火の兄
丁は火の弟
陰陽(兄弟)の火が
火を求めると
陰陽五行説では
パワフルになるのです。
 ―火が3つ重なってますね。
丙午の女性なんかは
 ―丙も午も「火気」
その通りで


これに通じるので
 ―かぐや姫もコレ
男性にとっては
女難の相です。
象徴を前にすると
人は余裕を失い
解離しやすくなります。

『かぐや姫の物語』PTSD解離性嘘つき

車持の皇子は
蓬莱の玉の枝とやらを
持参しますが
 ―かぐや姫も
 『まさか!』と慌てるあせる
 純粋だから
 嘘つく人がいるとは想定外

車持の皇子への
代金未払いを
訴える職人が現れます。

偽物を
平気で押しつけようとしたんですね。


平成の世にも
こういう嘘つき愚説を
押しつけようとする輩はいます。

『かぐや姫の物語』PTSDではない凡夫の「不染汚」


正法眼蔵の
『唯仏与仏』に
「不染汚」という言葉が出てきます。
 ―『行仏威儀』を引用したものですが
「無上菩提の人にてあるをり
これをほとけという。
…いはゆるその面目は
不染汚なり」
無上菩提は
自己の真実と一体になっている人のことです。


人間界にやってきて
いろんな人に出会い
中には
偏屈な人もいて
傷つけられたりもしたけれど
それぞれに一生懸命生きているだけの
凡夫は
集合的無意識に染まってはいるけれど
人間それ自体が
汚れているわけではないと
 ―必死で(無心)に生きている
 それ自体は素晴らしく尊いこと
学んだのでしょう。
天にはそういう葛藤がないので
時々
地上に堕落するわけです。
 ―そういう説話があります。