ル・グウィンの『ゲド戦記』には
日本版が必要でしたし
アンデルセンの『人魚姫』は
『崖の上のポニョ』に
書き直す必要がありました。
ではなぜ
ヘルマン・ヘッセの
『車輪の下』は
こうも
恐ろしく
日本的なのでしょうか。
ヘッセは
『シッダールタ』(原題:Siddhartha)
という作品を書いています。
釈迦の出家以前の名前を借りて
求道者が
悟りの境地に至るまでの
苦行や経験を描いたものです。
ポニョでも
公案に取り組むのですから
PTSDに罹患し
そこから脱出するには
求道者でなくても
悟らなければならないのです。
そういう意味では
お釈迦様もポニョも
瀕死状態の3万の命も
なんら違いはありません。
『車輪の下』に行かずに
崖の上に行きましょう。
漱石の『門』も
崖下をやめるお話でしたね。
「物語」カテゴリーアーカイブ
ゲド戦記 ―日本版
4年も前の話になりますが…
アーシュラ・K・ルグウィンの
『ゲド戦記』が
スタジオジブリによって
アニメ化されました。
これを見た
ル・グウィンは
絵は美しいが、
物語のつじつまがあわないし、
原作にはない
【父殺し】は気まぐれだし
人間の影の部分は
魔法の剣で振り払えるようなものではないと
強い違和感を表明しました。
日本での観客動員数は
公開後20日くらいで
421万7千人(東宝による)
だったそうですから
駄作だったとは
到底考えられません。
『崖の上のポニョ』が書かれたのは
人魚姫への違和感でした。
ル・グウィンが
【父殺し】を気まぐれと感じたり
物語につじつまのなさを感じるのは
文化差によるものでしょう。
父子関係と言えば…
フロイトのエディプスコンプレックスは
『ギリシア神話』と西洋人のこころの問題です。
フロイトに学んだ
古沢平作は
日本人には
エディプスコンプレックスではなく
親鸞の『教行信証』にみられるような
アジャセコンプレックスが
問題であると
考えました。
宮崎駿監督の実子
吾郎氏による監督で
こんな問題が表出したのは
なかなか
【象徴的】な現象であったと思います。
PTSD治療でも
このことは
重要な鍵になると思います。
『車輪の下』
ヘッセの『車輪の下』のあらすじは…
天才的な才能を持ち育ったハンスという少年は
エリート養成学校である神学校に
2位の成績で合格します。
町中の人々から将来を嘱望されましたが、
神学校の仲間と触れ合ううちに
勉学一筋に生きてきた
自らの生き方に疑問を感じはじめました。
周囲の期待に応えるために
自らの欲望を押し殺してきた果てに
ハンスの細い心身は疲弊してしまいます。
勉強に対するやる気を失い、
ついには神学校を退学しました。
その後
機械工となって
出直そうとしますが
挫折感と
昔ともに学んだ同級生への劣等感から
自暴自棄となり、
慣れない酒に酔って川に落ち溺死しました。
年間3万人の自殺者の
こころのうちを言い当てたような
凄い作品だと
恐ろしくなりました。
①能力がなくて適応できないのではない 【適応障碍の内実】
②哲学的問題を抱えたのが発症の根本原因 【能力が低いのではない】
③何かを【否認】している
④無気力=【解離】の背景としての①~③
⑤挫折感・劣等感という心理的原因→アルコール依存→死 【PTSDによる結果的自殺の内実】
⑥【車輪の下】とはなんという比喩でしょう。
JRのダイヤは
現在
乱れに乱れています。
職員さんたちに元気がないのは
当たり前でしょう…
【PTSD】について
みんなで学ばなければなりません。
続きを読む
『車輪の下』
ヘッセの『車輪の下』のあらすじは…
天才的な才能を持ち育ったハンスという少年は
エリート養成学校である神学校に
2位の成績で合格します。
町中の人々から将来を嘱望されましたが、
神学校の仲間と触れ合ううちに
勉学一筋に生きてきた
自らの生き方に疑問を感じはじめました。
周囲の期待に応えるために
自らの欲望を押し殺してきた果てに
ハンスの細い心身は疲弊してしまいます。
勉強に対するやる気を失い、
ついには神学校を退学しました。
その後
機械工となって
出直そうとしますが
挫折感と
昔ともに学んだ同級生への劣等感から
自暴自棄となり、
慣れない酒に酔って川に落ち溺死しました。
年間3万人の自殺者の
こころのうちを言い当てたような
凄い作品だと
恐ろしくなりました。
①能力がなくて適応できないのではない 【適応障碍の内実】
②哲学的問題を抱えたのが発症の根本原因 【能力が低いのではない】
③何かを【否認】している
④無気力=【解離】の背景としての①~③
⑤挫折感・劣等感という心理的原因→アルコール依存→死 【PTSDによる結果的自殺の内実】
⑥【車輪の下】とはなんという比喩でしょう。
JRのダイヤは
現在
乱れに乱れています。
職員さんたちに元気がないのは
当たり前でしょう…
【PTSD】について
みんなで学ばなければなりません。
かごめかごめ
【うつ病】は内因性の病です。
体質みたいなものですね。
いくらひどいトラウマを受けても
素質のない人がうつ病になることはありません。
対して
【解離】は何もないところからは起こりません。
後天的な原因があります。
【人災】も多いです。
つまり
『うしろに誰かいるのです』
かごめ かごめ
…
後ろの正面だあれ?
デス
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かごめかごめ
『食堂かたつむり』もPTSD物語
柴咲コウが演じる女性は
蓄えを恋人に奪われ
失語症になって
実家に舞い戻り、
離れを改装して念願の食堂を始める。
失語症の原因はショックな出来事ですから
PTSDの物語ですね。
失語症は…
器質的に問題があるわけでもなく
言葉を覚えられないから話せない【知的障害】のではないので、
【解離】ですね。
消えた診断名【ヒステリー】の症状は
失立・失歩・失声 ~何かができなくなってしまう。
意識を失うなどです。
PTSDは昔ヒステリーと呼んでいたものだと思います。
世の中にPTSDが多いのだと思います。
うつの物語は、最近ないですね。
本当は、実際にも珍しいんだと思います。
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『星の王子さま』の呑んだくれ
呑んだくれは
なぜ呑んだくれなのでしょう?
『星の王子さま』にも呑んだくれが出てきます。
インタビューしてみましょう。
王子さまが酔っ払いに何をしているかと質問すると、
「呑んでいるんだ」と悲しそうです。
楽しくないんですね。
楽しくないのにどうして飲むのかと質問すると、
「忘れようとしているんだ」と言います。
やっぱり依存症の背景には【否認】があるんですね。
王子さまが、何を忘れようとしているのかと質問すると、
「恥ずかしい気持ちを忘れようとしているんだ」と言います。
何が恥ずかしいのかという質問には
「呑んだくれているのが恥ずかしいんだよ!」と怒り、黙り込んでしまったので、
王子さまは当惑しながら立ち去るしかありませんでした。
心理療法でも
依存症には【ことば】による【論理療法】は無効です。
呑んだくれは普通の会話をする分には
善良で陽気な市民って感じで
「酒ばっかり呑んでたらあかん。やめんとなあ」とか
「先生のおっしゃる通りっ!」っと大変調子がいいですが、
(来談時もどうも呑んでる。つきあいでとかなんとか言って自分の意思で呑んだことは【否認】)
それは【否認】の内容の入り口までの話で
それ以上核心に踏み込もうとしたら命がけで防衛します。
怒りは代表的なものです。
星の王子さまは、酔っ払いに短時間会っただけで
とても憂鬱な気分になってしまったと言っています。
酔っ払いからは【金太郎飴】のように【否認】が出てきます。
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『食堂かたつむり』もPTSD物語
『星の王子さま』の呑んだくれ
呑んだくれは
なぜ呑んだくれなのでしょう?
『星の王子さま』にも呑んだくれが出てきます。
インタビューしてみましょう。
王子さまが酔っ払いに何をしているかと質問すると、
「呑んでいるんだ」と悲しそうです。
楽しくないんですね。
楽しくないのにどうして飲むのかと質問すると、
「忘れようとしているんだ」と言います。
やっぱり依存症の背景には【否認】があるんですね。
王子さまが、何を忘れようとしているのかと質問すると、
「恥ずかしい気持ちを忘れようとしているんだ」と言います。
何が恥ずかしいのかという質問には
「呑んだくれているのが恥ずかしいんだよ!」と怒り、黙り込んでしまったので、
王子さまは当惑しながら立ち去るしかありませんでした。
心理療法でも
依存症には【ことば】による【論理療法】は無効です。
呑んだくれは普通の会話をする分には
善良で陽気な市民って感じで
「酒ばっかり呑んでたらあかん。やめんとなあ」とか
「先生のおっしゃる通りっ!」っと大変調子がいいですが、
(来談時もどうも呑んでる。つきあいでとかなんとか言って自分の意思で呑んだことは【否認】)
それは【否認】の内容の入り口までの話で
それ以上核心に踏み込もうとしたら命がけで防衛します。
怒りは代表的なものです。
星の王子さまは、酔っ払いに短時間会っただけで
とても憂鬱な気分になってしまったと言っています。
酔っ払いからは【金太郎飴】のように【否認】が出てきます。