物語」カテゴリーアーカイブ

『星の王子さま』の呑んだくれ

呑んだくれは
なぜ呑んだくれなのでしょう?

『星の王子さま』にも呑んだくれが出てきます。

インタビューしてみましょう。

王子さまが酔っ払いに何をしているかと質問すると、
「呑んでいるんだ」と悲しそうです。
楽しくないんですね。

楽しくないのにどうして飲むのかと質問すると、
「忘れようとしているんだ」と言います。
やっぱり依存症の背景には【否認】があるんですね。

王子さまが、何を忘れようとしているのかと質問すると、
「恥ずかしい気持ちを忘れようとしているんだ」と言います。

何が恥ずかしいのかという質問には
「呑んだくれているのが恥ずかしいんだよ!」と怒り、黙り込んでしまったので、
王子さまは当惑しながら立ち去るしかありませんでした。

心理療法でも
依存症には【ことば】による【論理療法】は無効です。
呑んだくれは普通の会話をする分には
善良で陽気な市民って感じで
「酒ばっかり呑んでたらあかん。やめんとなあ」とか
「先生のおっしゃる通りっ!」っと大変調子がいいですが、
(来談時もどうも呑んでる。つきあいでとかなんとか言って自分の意思で呑んだことは【否認】)

それは【否認】の内容の入り口までの話で
それ以上核心に踏み込もうとしたら命がけで防衛します。
怒りは代表的なものです。

星の王子さまは、酔っ払いに短時間会っただけで
とても憂鬱な気分になってしまったと言っています。

酔っ払いからは【金太郎飴】のように【否認】が出てきます。
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『食堂かたつむり』もPTSD物語

PTSD研究家翠雨の日記
柴咲コウが演じる女性は
蓄えを恋人に奪われ
失語症になって
実家に舞い戻り、
離れを改装して念願の食堂を始める。
失語症の原因はショックな出来事ですから
PTSDの物語ですね。
失語症は…
器質的に問題があるわけでもなく
言葉を覚えられないから話せない【知的障害】のではないので、
【解離】ですね。
消えた診断名【ヒステリー】の症状は
失立・失歩・失声  ~何かができなくなってしまう。
意識を失うなどです。
PTSDは昔ヒステリーと呼んでいたものだと思います。
世の中にPTSDが多いのだと思います。
うつの物語は、最近ないですね。
本当は、実際にも珍しいんだと思います。

『星の王子さま』の呑んだくれ

呑んだくれは
なぜ呑んだくれなのでしょう?
『星の王子さま』にも呑んだくれが出てきます。
インタビューしてみましょう。
王子さまが酔っ払いに何をしているかと質問すると、
「呑んでいるんだ」と悲しそうです。
楽しくないんですね。
楽しくないのにどうして飲むのかと質問すると、
「忘れようとしているんだ」と言います。
やっぱり依存症の背景には【否認】があるんですね。
王子さまが、何を忘れようとしているのかと質問すると、
「恥ずかしい気持ちを忘れようとしているんだ」と言います。
何が恥ずかしいのかという質問には
「呑んだくれているのが恥ずかしいんだよ!」と怒り、黙り込んでしまったので、
王子さまは当惑しながら立ち去るしかありませんでした。
心理療法でも
依存症には【ことば】による【論理療法】は無効です。
呑んだくれは普通の会話をする分には
善良で陽気な市民って感じで
「酒ばっかり呑んでたらあかん。やめんとなあ」とか
「先生のおっしゃる通りっ!」っと大変調子がいいですが、
(来談時もどうも呑んでる。つきあいでとかなんとか言って自分の意思で呑んだことは【否認】)
それは【否認】の内容の入り口までの話で
それ以上核心に踏み込もうとしたら命がけで防衛します。
怒りは代表的なものです。
星の王子さまは、酔っ払いに短時間会っただけで
とても憂鬱な気分になってしまったと言っています。
酔っ払いからは【金太郎飴】のように【否認】が出てきます。

『不思議の国のアリス』状態

PTSDの孤独と苦しみには計り知れないものがあります。

つらいことがあったとき相談できそうな人として思い浮かべるイメージってありますよね。

①女性同士
②親
③友達

これまでは
それなりに会話できていたはずなのに
PTSDに罹患した途端
『アナタァ・日本語・ワカリ・マッスカ?』
って言いたくなるようなコミュニケーション不全が始まります。

どうも悪気はなさそうなんだけど
理解しようとしてたらしいんだけど
誰のせいというわけでもなく
心が通じない。

『不思議の国のアリス』状態です。

さらに
④こころの専門家
いくら何でも理解するでしょう。
『みんな変よねえ』って言ってくれそうですが、
現状は…

⑤PTSDに罹患した人たち
同じ苦しみのなかにいるのだから
何も言わなくても理解しあえそうですよね。
しかし本当に深く繋がれるのはPTSD克服後というのが現状です。
仲介者がいたらなんとか繋がれますが
それは④になるので…
克服後は、社会活動とかに没頭していて
孤独とは無縁でしょう。

要するに一番つらいとき
みんな孤独のようです。

でもアリスは必ず夢から覚めます。
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『不思議の国のアリス』状態

PTSDの孤独と苦しみには計り知れないものがあります。
つらいことがあったとき相談できそうな人として思い浮かべるイメージってありますよね。
①女性同士
②親
③友達
これまでは
それなりに会話できていたはずなのに
PTSDに罹患した途端
『アナタァ・日本語・ワカリ・マッスカ?』
って言いたくなるようなコミュニケーション不全が始まります。
どうも悪気はなさそうなんだけど
理解しようとしてたらしいんだけど
誰のせいというわけでもなく
心が通じない。
『不思議の国のアリス』状態です。
さらに
④こころの専門家
いくら何でも理解するでしょう。
『みんな変よねえ』って言ってくれそうですが、
現状は…
⑤PTSDに罹患した人たち
同じ苦しみのなかにいるのだから
何も言わなくても理解しあえそうですよね。
しかし本当に深く繋がれるのはPTSD克服後というのが現状です。
仲介者がいたらなんとか繋がれますが
それは④になるので…
克服後は、社会活動とかに没頭していて
孤独とは無縁でしょう。
要するに一番つらいとき
みんな孤独のようです。
でもアリスは必ず夢から覚めます。

ハロペリドールは恐ろしい

人魚姫は声を失い、海の泡と消えました。

王子様に会うための
足と引き換えに声を失ったのです。
魔法使いの薬がそれを可能にしました。

そのときはうれしかったかもしれません。
でもすべては失敗に終わりました。

昨日
そんな薬みたいだとハロペリドールを紹介しました。
飲み続けた20人に一人に後遺症が出るというのは
それ自体大変な確率です。

精神病院では
新聞に掲載された事故などについて
(もちろん把握できる範囲に限りますが)
追跡データをもっていたりします。
すべてかどうか知りませんが、
私が勤務したことのある病院ではそうでした。

内科や外科ではあんまりしないんじゃないでしょうか。
(難易度の高い最新の手術とかならまあ必要でしょうが)

要するに
精神科という科は
自殺や変死(死因不明)が他科より明らかに多いということです。
そんなことはもちろん現在では常識ですね。

20人に一人という数字はそのままでも怖いですが
寿命を全うしない人や消息不明の人たちの確率を加味して考え直すと
実は大変な確率になると想像されます。
続きを読む

飲み続けるといつか人魚姫のように話せなくなる薬があるらしい

ハロペリドールという薬があります。
抗精神病薬の1つらしいです。
院生の頃、ジル・ドゥラ・トゥレットという重症のチックに見舞われた男の子の症例を読んでいた時、
このお薬の名前を覚えました。
舞踏病のように手足が勝手に動き、汚言症も併発していて
なんか中世の魔女みたいだなと思いました。
(今なら、これは確かにかつて魔女→ヒステリーと呼ばれ、現在PTSDに変名したものだなと思います)

統合失調症のような重篤な病に使用するようなこの薬が
なぜか幼いこの男児によく効いたと書いてありました。

当時はああそうなんだとしか思いませんでしたが、
最近頭の中が真っ白になるような衝撃を受けました。

仲良くなった中国人の公衆衛生の女医さんが言いました。
ハロペリドールを長期間服用した人の20人に一人は
回復不能な遅発性ジスキネジアになるというデータがある。
それは口が勝手に動く神経障害なので、外国では禁止薬物だと言うのです。
日本みたいな豊かな国で(だから自分は日本に留学して帰化したのに)
『うっそでしょう?!』
というのが本心だが、日本での常識のあり方をだんだん学ぶうちに
思ったことをそのまま口にしてはいけないということを知り
フクザツだと言う。
彼女は母親でもあるから
日本で若い人たちに増えるリストカットという現象や
自殺の多さにこころを痛めていた。

昨年は中国をよくバッシングしてたけど
(彼女は自分にはまったく関係がないのに気にしてた)
確かにそれだけの事実はあったけど
日本はもっと凄いと
私は恐ろしくなった。
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ハロペリドールは恐ろしい

人魚姫は声を失い、海の泡と消えました。
王子様に会うための
足と引き換えに声を失ったのです。
魔法使いの薬がそれを可能にしました。
そのときはうれしかったかもしれません。
でもすべては失敗に終わりました。
昨日
そんな薬みたいだとハロペリドールを紹介しました。
飲み続けた20人に一人に後遺症が出るというのは
それ自体大変な確率です。
精神病院では
新聞に掲載された事故などについて
(もちろん把握できる範囲に限りますが)
追跡データをもっていたりします。
すべてかどうか知りませんが、
私が勤務したことのある病院ではそうでした。
内科や外科ではあんまりしないんじゃないでしょうか。
(難易度の高い最新の手術とかならまあ必要でしょうが)
要するに
精神科という科は
自殺や変死(死因不明)が他科より明らかに多いということです。
そんなことはもちろん現在では常識ですね。
20人に一人という数字はそのままでも怖いですが
寿命を全うしない人や消息不明の人たちの確率を加味して考え直すと
実は大変な確率になると想像されます。

飲み続けるといつか人魚姫のように話せなくなる薬があるらしい

ハロペリドールという薬があります。
抗精神病薬の1つらしいです。
院生の頃、ジル・ドゥラ・トゥレットという重症のチックに見舞われた男の子の症例を読んでいた時、
このお薬の名前を覚えました。
舞踏病のように手足が勝手に動き、汚言症も併発していて
なんか中世の魔女みたいだなと思いました。
(今なら、これは確かにかつて魔女→ヒステリーと呼ばれ、現在PTSDに変名したものだなと思います)
統合失調症のような重篤な病に使用するようなこの薬が
なぜか幼いこの男児によく効いたと書いてありました。
当時はああそうなんだとしか思いませんでしたが、
最近頭の中が真っ白になるような衝撃を受けました。
仲良くなった中国人の公衆衛生の女医さんが言いました。
ハロペリドールを長期間服用した人の20人に一人は
回復不能な遅発性ジスキネジアになるというデータがある。
それは口が勝手に動く神経障害なので、外国では禁止薬物だと言うのです。
日本みたいな豊かな国で(だから自分は日本に留学して帰化したのに)
『うっそでしょう?!』
というのが本心だが、日本での常識のあり方をだんだん学ぶうちに
思ったことをそのまま口にしてはいけないということを知り
フクザツだと言う。
彼女は母親でもあるから
日本で若い人たちに増えるリストカットという現象や
自殺の多さにこころを痛めていた。
昨年は中国をよくバッシングしてたけど
(彼女は自分にはまったく関係がないのに気にしてた)
確かにそれだけの事実はあったけど
日本はもっと凄いと
私は恐ろしくなった。

海外の年越し行事

朝日新聞の記事から
ベラルーシの小さな村の年越し行事
民家に上がりこんだ一団が行う10分程度の寸劇のストーリーはいつも同じ

戦いに敗れた将軍が医師に診てもらうのだが…
「頭が痛い?ならば髪の毛をそって進ぜよう」
「心臓あたりが痛い?ウオツカを飲みなさい」
という調子

でたらめな治療から逃げようとする将軍の姿が村人の笑いを誘う。

なんか日本の精神医療そのものみたいで
風刺が利いている。

ウオツカの自己処方もほどほどにしましょうね。
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