朝日新聞『獅子頭』第二話【ラポール】

文化大革命の
【破除迷信】のスローガンに
表向きは
従順なふりをしていますが

盲人のおじいさんに
生まれたばかりの子の
行く末を占ってもらいます。

貧しい父親は
貧しいながらも
精一杯のお礼を
持参し

盲人のおじいさんは
大丈夫かと
気遣います。

心理学で
【ラポールの形成】
と言います。

こころに橋をかける感じですね。
診察室に入室する前から
診断名がカルテに書かれているような
医者との間にラポールはありません。

お互いに心が自由に交流していること
それが心理療法の基本です。

ラポールがない関係では
いくらお金を積んでも
相手が高名な医者でも
こちらが必死でも
すべて水の泡です。

両親が
赤ん坊の生まれた時刻と性別を
伝えると

老人は
赤ん坊の体温を頼りに
接近し

赤ん坊は
驚いて泣き出します。

ラポールの第二段ですね。
こうやってだんだん接近し強化していきます。

泣き声から
【元気】がよいと伝え、
感覚的につかんだ人相と
生まれた時刻から
将来は安泰だと伝えます。

中国のお話ですから
易陰陽五行説が生きた物語です。
【元気】の気は
木気・火気・土気・金気・水気の5気で
すべての基本です。
西洋科学なら
酸素・窒素・炭素…というところですか。

そのおおもとがしっかりしていることを
まず確認するのですね。
泣き方で
呼吸やこころのエネルギーの状態がわかりますからね。

生まれた時刻と干支で
小さな人間存在を
大いなる時間の流れにおいてみるのですね。
とても哲学的です。
西洋占星術と重なる部分もあるし
そうでない部分もあるでしょう。

大事なのは
固定した運命と決め付けるのではなく
起こりそうな問題を予想して
あらかじめ手を打っているところです。
これは仏教にも見られます。
(キリスト教が背景にある
人魚姫は運命が決まっています)

チベットの病院では
暦を発行しますし
チベット医学は心理学で
脈などを重視します。
その上で
現代流の西洋医学も研究しています。

心理療法も
西洋的な知識とテクニックだけでなく
ラポールや哲学を大事にしなければなりません。

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