気が強く
一見悪人にも見える
医女ですが
誰よりも患者のことを
考え努力しているのを
知ったチャングムは
弟子になります。
だんだん本心が
見えてくるのですが
医女は
トラウマを吐露しました。
幼い時
母親が王の側室にされ
ショックで自殺
父親も罪悪感で自殺
復讐のために
医学を学んだのだと。
チャングムも
この医女から学んで
宮中で復讐しようと
しています。
そんなこころで
医学を学ぶなと叱る
昔の師匠と
それは当人が考えることだと
見守る武官がいます。
人間が行うことですから
トラウマに突き動かされての
ことですから
全工程
【至高善】とはいきません。
意識的努力をしているとは言っても
翻弄されているのですから。
流されないようにするので
精一杯です。
月別アーカイブ: 2010年9月
『チャングム』第三十話 親友の【自己実現】
チャングムの親友が
仕事場から離れ
泣いていると ←スサノヲも仕事放棄して泣いた
王が通りかかり
なぜ泣いているのかと
聞きます。
まさか王への反逆罪で
友が島流しになったから
とは言えず
おろおろしてましたら ←無我
着替えさせられ
爪を切られて ←スサノヲも
側室になりました。 ←料理人が別世界へ
本人も周囲も
驚きます。
病気のお母さんに逢いたいと ←スサノヲも
カメを持ち込み
捨てられて泣いてた子が
側室ですから。
…
右側に
『古事記』において
【個性化の過程】を歩む ←自己実現モデル
基礎つくりをした
スサノヲとの共通点を書きましたが
あとは【カメ】ですね。
カメを助けて竜宮城の
モチーフもありますが
高松塚古墳の北には
玄武が描かれてますよ。
宮中には
カメを背負って
(北の方になるために) ←正室ではないですが…
来たのです。
『チャングム』第三十話 五色診
この頃の
韓国の医療と言えば
東洋医学
漢方薬や鍼灸治療です。
それは陰陽五行説から
派生したものです。
宇宙のあらゆることを
説明するのが
陰陽五行説ですから
医学を学び始めて
まず教えられたことは
人の顔色を見ること
―学会の権威の顔色見て
うつ病や発達障害だと
言うような意味じゃなくて…
その名も「五色診」
顔色が
赤いか青いか
黄色いか
白いか黒いかを
診ます。
青いと寒証と言い
通風、おう血、ひきつけなどが疑われます。
赤いと熱証です。
そしてそれが
全体的なのか部分的なのか
虚証なのか実証なのかなど
さらに診てゆきます。
理論を
しっかり頭に叩き込んだ
チャングムは
「実際に患者さん見なきゃ!」と
診療所に走っていきます。
机上論ではだめですものね。
平成日本では
意識はアメリカンですが ←薄っぺら!
集合的無意識の原理に
陰陽五行説生きてます。
PTSDになって
リセットしようと退行するのは
集合的無意識です。
そこには
キリスト教原理や
ユング心理学ではなく
陰陽五行説があります。
キャラ弁文化と集合的無意識
楽しいお弁当ですね。
しかし
画家の安野光雄さんが
危惧しておられる。
お母さんがいなかったり
いても作ってもらえない子が
どう思っているかと。
おもちゃみたいなお弁当だと。
うーん。
人生の悲哀を感じますね。 ←西田哲学の出発点
いいとか悪いとか ←陰陽
一概に言えないけど
傷つく子は多いでしょうね。
給食や制服って
そういう意味もあるんでしたよね。
そう言えば
私は戦争や貧困を体験してませんが
中学校のとき
お弁当半分覆って食べてました。
すると周囲の人たちも
そんな感じになって
先生が神妙に笑ってましたよ。 ←なんとなくわかるんでしょう…
隠さねばならないような
お弁当食べてる子は
いませんでしたから
あれは無意識的に ←国民的無意識
そうなったのでしょう。
親がそうしなさいと言うはずもなく ←家族的無意識
(キャラ弁にははるかに及びませんが
結構自信作のつもりだったハズ)
今でも
人前で自前のお弁当広げるとき
少し抵抗ありますよ。
いろんな人がいるから
自慢に見えたらいけないから
気にしたらいけないから
これだけ自分勝手に
いろいろ書く人間でも
そこは気にしてるものなんですね
灰谷健次郎風PTSD作文治療
吹田の元校長の
スクールソーシャルワーカー
松下睦子さんは
詩には
「しんどい状況を
表現によって
生きる力に代える」 ←昇華させる
カウンセリングのような効果があると ←カウンセリングねぇ…
お考えです。
肉親の死
いじめ
親の離婚や暴力
貧困
といったものが
子どもたちの小さな体の中で
コンプレックスになって
とぐろをまいて
暴れているのを
ご存知の稀有な方なのです。
お母さんの財布からちょっと
小銭を拝借した罪を ←悪いこともトラウマになりますね
打ち明ける詩は
灰谷健次郎と子どものやり取りを ←元祖PTSD作文治療家
思い出させるのに充分ですが
母親の自殺のショックや
人を好きになり始めた気持ち
(これもある種のショック)の表現が
混じるのが平成版かな?
虐待予防授業としての【赤ちゃん抱っこ体験】
朝日新聞で
長野の定時制高校の先生が書いている。
ある男の子は
中学時代を
反抗一色で過ごして
しかたなく
定時制にきた。
彼が反抗するのには
ちゃんとした理由があり
国立大卒業の父親から
そんなできの悪いのは
オレの子ではないと
否定されつづけてきたからだ。 ←トラウマ
赤ちゃんを抱っこするという
特別授業があったが
彼は赤ん坊は嫌いだと
拒否した。
目の前にいるのは
他人の赤ん坊であることを
彼は知っています。
しかし
こころの深層では
内なる赤ちゃんとして
自分の存在と二重写しに
感じるのが人間です。
父親に抱っこされた記憶もなく
否定され続けてきた自分(赤ん坊)を
他のクラスメートのように
笑顔で抱っこすることは
できないのです。
悪気があって
突っ張っているのではなく
怖いのです。
(自分がどうなってしまうのか)
でも先生やクラスメートに
励まされ
恐る恐る抱っこしてみて
彼の中の何かが変わり始めました。
家庭の愛情に恵まれない子は
結婚願望ゼロか200パーセントか ←適当な数字です…
どちらかになります。
10代で【できちゃった結婚】して
育児の知識なんかなく
諸悪の根源である
トラウマが出てきたら ←赤ん坊はきっかけになりやすい
サイアクです。
そうなるまえに
こんな授業をしてほしいなぁと
思います。
トラウマに気づいた場合
どこかにつなぐことができるなら
理想的なのですが…
『借りぐらしのアリエッティ』韓国バージョン
ル・グィンの
『ゲド戦記』
日本で映画化するとき
ジブリは
ル・グィンに怒られるくらい
書き直しました。
西洋と東洋で
自己実現モデルが
大違いだからです。
今度はジブリの作品ですが
韓国のみなさんに
『いいなぁ』
『元気でるなぁ』って
言ってもらうために
ポスターで
若干リメイクしました。
借り暮らしを
床下に
変えました。
―偶然ですが
私はしばらく
『床下のアリエッティ』って
覚え間違ってました。
ちょっと韓国系なのでしょうか?
あとは
10センチの女の子って書いた
そうです。
そう言えば
『一寸法師』のお話の親戚でも
あるのでしょうか。
小さ子譚って文化あります。
お地蔵さんを大事にする感性です。
―大仏も大事にしますがね。
小さな子どもに神が宿るって
発想ですネ。
祇園祭のお稚児さんなんかが
そうです。
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『チャングム』第二十九話 ひょうたんの日常使い
ひょうたんを
昔はよく使ったのですね。
空の象徴ひょうたんを
半分にして使うところが
陰陽っぽいですね。
そのままでも
おしゃれなペットボトルですが…
韓国語ってフランス語みたいな
響きありますが
ひょうたんの多用は
アフリカを思わせます。
―フランス語が公用の国に
多いかも…
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芥川龍之介『蜘蛛の糸』 ~PTSD集団療法の難しさ
奈良県立医大の教授が
蜘蛛の糸を1万本束ねた
バイオリンの弦をつくることに
成功しました。
芸術的で夢のある
科学者ですね
ガット(羊の腸)弦より
やわらかい音になりますが
やはり強度は
3分の2
長くて均一な糸が欲しいので
蜘蛛さんが糸を切らないように
さらなる工夫をするそうです。
蜘蛛の糸って
思いのほか強く
思いのほか弱いのですね。
PTSD克服し始めると
人が後についてきますよね。
治療の秘儀は
独占しちゃいけませんからね。
でもその糸は繊細だから
そこで大騒ぎしちゃ
切れてしまうのですネ。
―謙虚に静かに学ぶものです。
土足でズカズカはいけません。
自慢や上から目線も禁止です。
ドストエフスキーの
『カラマーゾフの兄弟』でも
ひどい解離性同一性障害の女性が
『一本のねぎ』という
似たようなお話を語ってます。
そういう境地にいるから
ソラ(何も見ない)で
治療の難しさを
語れるのです。
―作者はドストエフスキーだから
彼が知っていたということか…?
つらいときこそ
科学と芸術と夢が
融合した世界で
優雅さを失わないように
しなければなりません。