2018年10月12日スタートのドラマですが
ヒロインは認知症という設定です。
認知症と言えば
これから増えるから病棟増やしましょうと喧伝されていたけれども
J-ADNIの不正研究がバレて
2006年
日本で国際プロジェクト「アルツハイマー病神経画像戦略」開始
国と製薬会社が33億円を投じ
アルツハイマー病の早期発見を目指したが
治験するにも該当者がいなかったので
でっち上げた。
頓挫したのではなかったかな~と思いながら見ていると
設定は2013年です。
内部告発から朝日新聞が報道を開始したのが2014年なので
当時のうそうそ研究の実態を
そのまま表現したものということになりますね。
ヒロインは産婦人科医なのですが
お見合いした精神科医が
アルツハイマー研究の第一人者だったので
画像検査の結果もノーマルなのに
根拠も示さずただ「怪しい」と言う。
心理検査は
JーADNIで不正使用された検査を思わせる内容
進行を止める薬をつくろうとしているが
効くかどうかはわからないと言う。
アドバイスは睡眠・食事・運動くらい。
話を聞いて
「尊いご研究ですね」と言っているうちに
マインドコントロールされてしまったのか
眼の前の人に対して「似てる~」と同化しやすいのは
ヒステリー(超外向性)心性
多忙な開業医の父親が死亡したという伏線
34歳で若年性アルツハイマーと診断されるような症状を呈するようになります。
物忘れが激しくなり迷子になる。
病前性格はADHDっぽく
何にでも化けるPTSD
迷うことなく
思ったことをそのままはっきり言って
周囲を戸惑わせていたようですが
これは
思考優位で感情機能が発達していない状態を示します。
感情抜きでは恋愛はできないので
半ば政略結婚のような
はじめから信頼関係がない結婚で乗り切ろうとしますが
抑えてきた感情が暴走し
このあたりはユングのタイプ論参照
タイトルの「大恋愛」に向かわせようとします。
迷走するヒロインの姿が
発達障害流行時代のものと似ているのは面白いですね。
早発性痴呆症から一巡して認知症に?
このドラマはフィクションですとは書かれていますが
大事なことを如実に映し出しています。
愛読書が『砂にまみれたアンジェリカ』で
小説の世界に入ってゆくところも興味深いです。
自分が誰かどこにいるのかわからなくなっても
探す方法はある。
この手のドラマに
画像診断と箱庭が出て来るのは
脚本家がギョーカイの現実を知っているからではないかな。