朝日新聞『獅子頭』第二十四話までにみられる東洋的PTSD克服スタイル

二順は
空中ブランコから
転落して
大怪我

舞台恐怖症
というPTSD

に陥ったのですが、
舞台への
恐怖感と
闘っているうちに
料理人の道に
転向していました。
転身のきっかけとなった
バイト先の
美人の娘さんの名は
紗』
芸人から料理人に
生まれ変わったと
同時に
美人の黄先生のこと
忘れてます。
この流れも
興味深いです。
①空中から落下して雲紗と出会う
 怪我の仕方は
 何でもよかったはずだし
 娘さんの名前も
 何でもよかったはず
 しかし
 この2つを作者の無意識は
 選択したのですね。
【如人千尺懸崖上樹】
 『崖の上のポニョ』
 『鷺とり』   
 
 と同じ
 ある種の
 【元型】
 あるように思います。
②黄先生から雲紗へ
 アニマイメージの変化です。
 (内なる女性イメージ)
 彼の場合は
 美人というのが
 共通点です。
 これは
 光源氏も同じで
 亡くなった母のイメージが
 亡霊のように
 つきまとい
 恋愛のパターンを
 決めています。

芸を忘れて別天地に迎えられる
 これは
 禅の世界では有名な
 【十牛図】という
 悟りの過程を示した禅画の
 流れそのものです。
 簡単にご説明しますと
 いなくなった牛を
 不安な気持ちで探し
 牛を見つけ
 格闘し
 一緒に家に帰ったのですが  
 そのうち牛が消え
 なんと自分も消えて
 なーんにもなくなって
 ぜんぜん違う場所で
 知らない人に出会って
 ご挨拶していたという
 不思議なストーリーです。
 人が悟るときも
 苦しみから解放されるときも
 東洋では
 こういう
 ある種の【元型】が
 あるのではないかと
 私は思います。
これが
キリスト教文化のひとたちと
違う
我々の
エスニックな部分です。
 

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