ジブリ『かぐや姫の物語』」カテゴリーアーカイブ

『かぐや姫の物語』『崖の上のポニョ』PTSD克服普遍的ヒロインモデルは1つ


月を見て
涙するかぐや姫は

『十牛図』第7図
最終試験である
公案に立ち向かっています。
 ―如人千尺懸崖上樹
 (崖の上のポニョ)
せっかく
ここまできても
この難題がクリアできねば
奈落の底に落ちてしまう
過酷さです。
心して
自分がどこから来たのか
何処へ還るべきなのか
過去の傷とともに  ←トラウマ
回想し

集合的無意識の
記憶のなかで

悟ります。
 ―自己存在についての
 集合的無意識からの
 (心身霊を含む)
 全体的判断

『かぐや姫の物語』窮すれば通じるPTSDからの個性化の過程


絶望で
失意のどん底の
 ―実はチャンス
かぐや姫は
自然にその心境を投影

不安を吐露しますが



炭焼きのおじさんは
やさしく諭します。
 ―瀕死の時に
 ユングの老賢者も現れる。

陰が兆し


陰が満ちて
本来の自分に還っていく
大チャンスです。
吉凶は
陰陽的に
輪廻するのです。
これを知らねば
PTSD治療の危機は
超えられません。

天風姤でPTSD的危機から個性化する『かぐや姫の物語』



天から風が吹くわけですが
どこに吹くのか?
地ですね。
ユング心理学では
グレートマザー(太母)
 ―太母と訳した人は
 陰陽五行説を意識していると
 思う。
かぐや姫も
貴公子たちも
大変な目に遭いながら
魂が
鍛えられます。

十牛図で
人も牛も消えるようなもので

野生児のように元気だった
かぐや姫も
一時
絶望で
瀕死の状態になります。
しかし
ここから
だんだん再生し
個性化するのです。
全て個性化の過程の
原理通りです。

PTSD克服個性化の過程『かぐや姫の物語』天風姤



5人の貴公子と1人のかぐや姫の
構図は
陰陽五行説の
五陽一陰の消長卦であり
 ―陽が極まり
 陰が兆し出す時
 夏至からだんだんと
 陽が短くなるような時

天風姤とも呼ばれ
女性はパワフルですが
そのような女性と結婚すると
男性は苦労するので
 ―貴公子たちも
 何らかのかたちで
 命が危なくなりました。
女難の相と言われたりします。
 ―男尊女卑の時代の解釈なので
 そうなる。
 本来の意味を今
 解釈し直すとよいだろう。

卦ではこう表記されます。
お話はみな
陰陽五行説の
掌の上で
 ―御釈迦さんの掌みたいなもの
繰り広げられています。

『風の谷のナウシカ』PTSD蔓延社会を癒す集合的無意識の底力


腐海の植物は
瘴気を出し
解毒の好転反応と言っても
その症状で
ナウシカの父らは
瀕死の状態です。
しかし
ナウシカの調査で

腐海の底に
とても清浄な場所があることが
わかり
 ―到達するのに
 死ぬような目に遭った。
枯れ木にみえる大木が
全てのものを
浄化していました。

集合的無意識の
底には
中心力と言う
地球のマグマのような
エネルギーがあります。
「枯木の龍吟」と言いまして
 ―陰陽的
瞑想的な
心身の癒しの場所です。

そこに二人が立ちますが
一太極二陰陽の構図で
 ― 陰陽五行説
古事記にしても
 ― イザナミとイザナキが
    (陰陽)
   出会った時も
   柱の周りをまわります。

『かぐや姫の物語』でも
かぐや姫を発見した後の
翁と媼はこの構図です。
限られた時間とスペースでも
わざわざ描かなくてはならない
基本であり
象徴です。

『千と千尋の神隠し』『かぐや姫の物語』PTSDを癒すセルフのパワー

千尋が
失意の時         ←実は尋牛
 ―解離せず
 きちんと失意 
川向うに
天国のような神々しい世界が
浮かび上がり
こちらに
迫ってきて
 ―大きな船でした。
神々が降り立ちます。
 ―八百万の神々
 (セルフ)
 三つ巴のマークもたくさん飛んでいて
 陰陽五行説が強調されています。
ただ通り過ぎるだけですが  ←見跡
 ―自力をつくさないと
 他力は働かないから
 
 これからこき使われる。
その圧倒的なパワーと
沖縄民謡調の音楽に
 ―琉球は中国に近いですからね。
『かぐや姫の物語』で
天人がやって来るシーンを
思い出しました。
 ―普通の人と順序が逆


仏教的なイメージに満ちています。
人間の計らいを超えて
有無を言わせず
迫って来る
圧倒的な感じが
セルフの働きだと思います。

千尋が
湯婆婆の部屋に引き寄せられるときも
こんな感じでしたね。
 ―昇天じゃなくて
 召命であり
 これからの時ですが
外界に「消えろ!」と言ってたら
自分の身体が透明になってゆき
 ―陰陽融合の架空の時
ハクが
この世のものを食べるように
アドバイスします。
 ―代わりに記憶が徐々に薄れていく。
かぐや姫でも需要なモチーフでしたね。
お父さんとお母さんに
「会えるよね」と
不安を漏らす千尋に
ハクが
「今は無理だが
必ず会える」と言ってた部分は

かぐや姫の主題歌の1つのモチーフと
重なります。
記憶を失いながら
 ―幻想に入っていくから
考えるから
生死を超えた
輪廻の話のように
なってしまうだけで
 ―比喩
即身成仏なんですよね。
 ―生身のまま個性化

虐待PTSDドラマ『明日ママ』フラッシュバック

最終話で2つ出てきました。
子どもを亡くした女性は
妄想に生きてますが
 ―ポストを生贄にしながら
時に
些細なことから
 ―ポストのヘアゴムについた2つの赤い玉
無意識の連鎖反応が起き
 ―赤い花(ラナンキュラソ?)
  子どもの小さな赤い靴
 踏切の警報音が脳裏に鳴り響き出すと
 信号の赤が見え
子どもを亡くしたあの日の状況が
鮮明に
蘇ります。
その女性の妄想を破る治療をした
魔王もまた
幻想の中で
子どもを亡くした日の
悲しさの中に立ち尽くし
 ―土砂降りの雨の中
余力を振り絞って
 ―百尺竿頭一歩進めよ
ボールを蹴り
倒れこみます。
 ―しかし
 オツボネに見守られている。

 ―自己も他己も否定したところを
 月(セルフ)が見ている。
 ここから人は恢復してゆく。
子どもを亡くした
こころの傷だけで
人はPTSDになります。
 ―妄想から人格障害もどきまで
しかし
時に起るフラッシュバックは
自己治癒力の働きによるものなので
消し去るのではなく
正しく扱うのが治療的になります。
 

『明日ママ』『かぐや姫の物語』PTSD克服に必要なものは手に入る。

ピアミは
貧しくて自分を捨てようとした
父親と暮らせるようになったので
 ―お金持ちごっこは
 願望だけで
 
 ちゃんと正しく自己決定していた。
もうピアニストになるのは
あきらめようとしますが
業界の偉い先生が
レッスンを続けるように言います。
どうも無料レッスンで
 ―私も
  偉くないけど
  真摯な人にはそうしている。
大会を台無しにして
怒ってないのかとの問いに
先生は
「どうして1つしか選んじゃいけないの?」と
答えます。
 ―父親もピアノも選んだらいい。
レン君が好きと言いながら
担任の先生も素敵と言って
他の子に揶揄されたとき
本人が
同じことを言っていました。
無意識的に
こういう葛藤に遭遇することが
予期されていたから
そんなことを言っていたのでしょう。
お金

かぐや姫でも
必要なものは
全て天から与えられましたし
『正法眼蔵』にも
そういう一節があります。
修業と自己実現は
その心理的システムが
重なるのです。

「さんてつジオラマカフェ@釜石駅」も『かぐや姫の物語』的PTSDの箱庭療法

2012年3月にオープンしたそうです
    ダウン
  写真アリ
「見る人が
昔を思い出して
辛い思いをしないか」
心配されたそうですが
現実には
なかなか復旧しない駅を
ファンタジーのなかで修復
満開の桜の下で
ミニチュアの人々に花見をさせました。
かぐや姫も

箱庭をつくり

花見してましたね。
日本人の心が癒されるメカニズムには
普遍的な原理があります。